ソニーは10月2日、電源コードを接続することなく、テレビなどの電子機器へ、電力を供給できる「ワイヤレス給電システム」を発表した。約50センチ離れた場所にある電子機器に60ワットの電力を給電が可能だという。今回のシステムには、磁界共鳴型の非接触給電技術を採用している。『磁界共鳴型』とは、送電デバイスから供給された電力エネルギーが空間を介し同じ周波数で共鳴している受電デバイスのみに伝播する方式。
特徴としては、デバイス相互の位置関係がずれていても高効率の給電が可能なことと、送電・受電デバイス間に金属があっても、その金属が熱くならないということが挙げられる。
1.整流回路含め高効率な給電を実現
ソニーが長年培ってきた高周波伝送技術を応用し、新たに最適な素子を用いて高速・高効率な整流回路を開発。これにより送電デバイスから受電デバイスに伝送された高周波電力を電力ロスが少ない高い効率で整流することができ、テレビやノートパソコン等の電子機器を動作させることができる。
2.独自開発のレピータデバイスによる給電距離の伸張と給電効率の向上を実現
送電・受電デバイスと同じ周波数で共鳴するレピータデバイスを開発し、これを送電・受電デバイス間に配置することで、その給電効率を維持したまま、給電距離を伸ばすことが可能。デバイスのみの基礎実験では、50~80cmまで給電距離を伸ばすことに成功。この結果、サイズの小さいデバイスを用いた場合にもサイズの大きいデバイス使用時と同様の給電距離と給電効率を維持することも可能になる。