12月2日、iPhoneのカメラを通した現実世界とネット経由の情報をリアルタイムに重ね合わせて表示する、いわゆるAR(Augmented Reality)アプリ『セカイカメラ』の新バージョンが発表された。この日行われた新製品発表イベント『Sukiyaki』で行われた製品デモの風景を動画を交えてレポートする。


 セカイカメラは、『エアタグ』というテキストや写真、音声などの情報をiPhoneのコンパスやGPS機能で位置情報を測定して、誰でも自由に現実空間にエアタグを投稿することができるし、それを見て楽しむこともできるiPhoneアプリ。
今回は、そんなセカイカメラの新バージョンが発表されるというので、発表会場の銀座アップルストアへ取材に行ってみた。

■セカイカメラ・バージョン2のデモ風景の映像


 デモンストレーターを務めたのは、セカイカメラを開発した頓智ドット・CEOの井口尊仁さん。新バージョンは、日本語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語7カ国語に対応し、近日中にApp Storeを通じて77カ国に配信される。
 新バージョンに追加された主な機能は、『Air Zoom』、『Air Movie』、『Air tweet』。
『Air Zoom』は、画面をダブルタップすると表示画面がズームされて、エアタグを見やすくするための機能。2本指を使ってピンチイン、ピンチアウトの操作で倍率を変更することもできる。
 そして、『Air Movie』は、動画のエアタグを見られるサービス。今回のバージョンでは、ユーザーが動画をpostすることはできないが、企業が提供する動画を見られるようになるという。いずれはユーザー投稿の動画にも対応していきたいと語った。
 『Air tweet』は、巷で流行中のつぶやきブログ「twitter」とセカイカメラでのポストを連携させた機能。位置情報を付与されたつぶやき(tweet)がエアタグとして自分の周囲に浮かび上がる。
■新バージョンでは、さらにコミュニケーション機能を向上させ、「ソーシャルAR」としての側面を強化
そして、今回のバージョンアップの目玉が、コミュニケーション機能を強化したセカイライフ。
以下が、その機能になる。
『Air Prof』プロフィールを公開する機能。ユーザーの頭上にプロフィールタグが浮かび、それを見ることができる。この機能は、オンオフができて、オンにしておけば、すれ違った人の履歴が見られる「あしあと機能」も搭載されている。
『Air Follow』プロフィールを見て、気に入った人がいれば、フォローすることができる。
『Timeline』フォローしたユーザーの投稿歴が確認できる。
『Reply List』返信したリスト。
『History』自分の投稿履歴の表示にも対応し、そこから投稿の削除やコメントの追加が可能になった。これまでは、「エアポケット」を使わない限り、投稿した現地に行かないと過去の投稿を削除することができなかったが、自分のエアタグの管理ができるようになった。
■来年2月に向けて開発中の『Open Air API』事例を紹介

▲一枚の顔写真から立体的なフェイスアニメーションを作り、しかも、その写真をしゃべらせることができるPhotospeak(フォトスピーク)と共同で開発しているもの。フォトスピークで作ったフェイスアニメーションをエアタグとして投稿することができる。

▲えも言われぬ操作感でファンが多い彫刻iPhoneアプリ『Jazz Sculptor(ジャズスカルプター)』とセカイカメラが2010年2月に向けて、共同開発しているOpen Air API。ジャズスカルプターで作った彫刻を3Dエアタグとして投稿できる。
このほか、iTunesと連携し、音楽情報をエアタグとして投稿できるAir Tunesなどのデモも行われた。今後の動向については、セカイカメラのツイッター上で随時つぶやいていくそうだ。興味がある方はぜひツイッターでフォローしてみてはいかがだろう。
◆頓知ドットのホームページhttp://tonchidot.com/
◆セカイカメラのツイッターアカウントhttp://twitter.com/sekaicamera