取材で浜町にある東京テレビセンターへ。
ここの玄関ロビーにかつて使われていた古い機材が展示されています。
取材先の方に了解を撮って撮影しました。


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まずはAMPEXのAVR-3という2インチVTR。
解説は以下のようにありました。
AMPEX AVR-3

本格的な放送品質のVTRはテレビ放送の黎明期1956年にAMPEX社によって開発され、4つの回転する映像ヘッドと2インチ幅の時期テープを使用したVR-1000から始まりました。
このAVR-3は4 HEAD 2inch VTRとして最も完成されたモデルです。
テープのかけかえごとに時間を要した映像ヘッドの調整は一部自動化され強力なTBC時間軸補正装置とあいまって、4 HEAD VTR特有のカラーバンディングの発生を軽減しています。
また単体で電子編集機能を装備しています。
記録方式は当時の放送納品規格のハイバンド記録に加えSHB方式にも対応し、当時のVTRとして最高画質を誇っていました。しかしこの方式の普及を待つことなく、時代は1インチCフォーマットの台頭へと進んで行きました。1977年 AMPEX製造。(機械に置かれた解説より)
S、P、Rのデザインされた書体がなんともかっこいい。
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クルマのメーターかというようなメーター。これはたまらない。
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その左にあるのは、MAの語源になった装置だそうです。
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池上通信機 TVR-602C
日本ではビデオ作品の音仕上げ作業を、MA作業と呼んでいます。このMAの語源はこの装置から始まりました。M=multi A=audio V=VTR 4つの音声トラックとCueトラック1つ、そして映像を1本の2インチテープに記録します。4本ある音声トラックは1本を記録用として使用し、残りを素材用として記録と同時に再生しました。Cueトラックはアナウンスのタイミングを記録し録音者に伝えることに利用されました。この日本独自のシステムは映像と音声が完全に同期したミキシング作業を実現するすばらしい発想です。
タイムコードと多チャンネルのMTRを同期させるシステムが実用化されるまで、MAVTRは活用しました。1977年 池上通信機 製造(機械に置かれた解説より)
あけてみると、こんな感じ。仕事を始める前にこれを調整するんでしょうか。
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左が映像用のヘッド、右が音声用のヘッドだそうです。とにかく巨大。
ミニDVのようなテープに映像と音声が記録できるようになるとは想像ができない。
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