2月20日に発売されるビデオサロン3月号の作業が終わりました。もちろん巻頭の特集は1月25日に正式発表されたGH5の速報とファーストインプレッションです。ベータ機(試作機)でテストを開始していますが、GH5の印象はどんどん良くなっていますし、まだ検証できていない機能、性能があります。奥が深いカメラです。そしてレンズ交換式の面白いところは、レンズ選びによって個性が発揮できることで、多くのユーザーがGH5を使って、レンズとグレーディングで映像の個性を出してほしいと思います。
先だっては、予約多数でお届けが遅れる可能性があるという発表がされました。そりゃそうでしょう。文句なしのスペックですし、GH5で動画やりたい人(ほぼ全員?)は予約キャンペーンで予約宣言しておいたほうがいいでしょう。ほぼキャッシュバックに近い内容ですから。まずあたらしいSDカードは、夏のファームアップでALL-I(400Mbps)記録に対応するために必須ですし、GH4よりも消費電力が上がっているので、バッテリーの予備はいくつか必要です(もっともα7S IIほどではないですが)。さらにV-Log Lなのですが、これはGH4でV-Log Lを入れている人でも、新たにソフトウェアキーを購入する必要がありますから、どうしてもまた1万円かかります。シリアルで紐づいているので、一台ごとにソフトウェアキーが必要なのです。ここではフリーにしてくれればいいのに、と思いますが、「VARICAMで苦労して開発してきた価値を分かってもらいたい」ということと、「運用やワークフローが分かっていない人に使われて欲しくない」ということもあるようです。V-Logの場合はかなり眠いので、それが無難かもしれません。
3月号の編集作業では、ベータ機をGH4ユーザーのテスターさんに渡してテストすると同時に、GH5の商品企画担当、香山正憲さんに取材しましたが、結論からいうと、この人、動画ユーザーの見方です! 動画の話が通じる人です!
詳しくは3月号を読んでいただくとして、その背景としては、北米市場でビデオグラファー、インディペンデントのシネマトグラファーがGHをガンガン使ってきたということがあるようで、GH5はその市場からフィードバックに対して応えまくったカメラだと言えます。4:2:2 10ビット、4K/60p、HDMI Type A端子、デュアルスロット、XLRアダプターオプション、そしてほとんど日本では興味を持たれていないアナモフィックモードまで(これはGH4の途中段階で入りましたが)。
本誌では触れられなかったのですが、NDフィルターの実装も検討したのだそうです。でも、スペース的にどうしても入れられなかったそうです。
動画ユーザーにとってこれほど嬉しい仕様はないのですが、「よくもこの商品企画が会社を通ったな~」というのが取材する側の本音です。つまり、このスペックを20万円台のカメラで実現してしまうということは、それより上の業務用カメラ、デジタルシネマカメラの存在感が薄くなってしまうからです。と思ってパナソニックのラインナップを見てみると、ソニーのFS5、FS7、キヤノンのC100、C300クラスにあたるカメラが今は存在しないんですね。
GH5のヴィーナスエンジンというのは4:2:2 10bitの処理ができるLSIを搭載しています。LUMIXの開発部隊だけでなく、パナソニックの業務用AV機器のメンバーも加わって実現できたのだそうです。となると、このチップ、エンジンはレンズ交換式のプロフェッショナル機に採用される可能性があるということです。これは楽しみですね。
でも、それが出てきたからといってGH5の価値が落ちるというわけではなく、逆ですね。ソニーなどはFS7は10ビット、FS5やα7S IIは8ビットですから、この間に明確な線引きがあります。ソニーで言うとFS7のチップを一眼のボディに入れてしまったということなので、果たしてそんなことをソニーがするでしょうか??? ましてやキヤノンは下剋上的な商品企画は絶対やりませんよね。
GH5が発売されたら、ライバルメーカーは画質チェックをした後に、分解することでしょう。発表会の会場で展示されていた分解モックを一応貼り付けておきます。一眼では見たことがないような真ん中のアルミプレートが放熱と格闘した証でしょうか。
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