InterBEE2010が終わって10日たちました。
1月号の記事用に写真をセレクトしているところですが、
怒濤のレポートのなかで抜け落ちていたものや
一週間たっても心に残っているものを
個人的にレポートします。
とりあえずその1。その2はあるかどうか、わかりません。


AJA KiPro miniは思ったよりも小さかった


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9月の欧州での展示会IBCに発表されて、日本初上陸したKiPro mini。従来のKiProのサイズ的にも、機能的にもコンパクト版になる。現物を初めてみたのだが、写真で見た印象よりも小さくい。用途としてもカメラの後部に装着したり、パン棒につけたり(それはどうだろうか・・・と思ったが)ということも可能である。
 記録メディアはKiProが専用のHDDだったのに対し、汎用のCFカード2枚。入出力系統もアナログを割愛することによって、サイズを小型化している。
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SDIの入出力、HDMIの入出力に加えて、音声(XLR)の入力が2系統あるのがいい。最近では圧縮音声のカメラも多いし、音声機能が心許ない一眼ムービー用のバックアップとしても使える。
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マーケティング担当のAJAのジョンさんが手にもつと、サイズ感がよくわかる。ちなみに数年前から取材させていただいていて、顔見知り。ことしはどういうわけか、取材以外の場所でもそこかしこでジョンさんと出会ったのだが、私が英語ができないので、ただ微笑んでハ〜イ、というしかなかった。
 このAJA KiPro mini、もちろんすぐにテストしたいところが、このInterBEEが終わって、デモ機はすべて引き上げられてしまったとのこと。量産機ができあがる12月半ばにはテストしたいのだが。

現場目線の商品がやっぱりおもしろい


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 最近、動画系商品にも進出し、価格破壊的なアイテムをどんどん出しているプロ機材ドットコム。本編でもいろいろレポートしているが、FISHBONE(フィッシュボーン)を忘れていた。ミニスライダーは横移動はもちろん、壁やドアなどに簡単に固定して、縦のカメラ移動を演出する道具にもなる。ちなみに漢字でいうと、随身携帯垂直目迷称(←本当はにんべん)軌道だそう。
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iPadやコンパクトカメラの吸盤固定ツールもある。ちなみに怪手真空吸盤という。
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 FISHBONEは台湾のメーカーで、プロ機材ドットコムで買える。ブースにいたのは開発した本人でなんとムービーカメラマンでもあるとのこと。自分が現場で必要なものを自分で作って、さらに商品にしていくというパターンで、アメリカではよくある。当然、その商品のデモは誰よりもうまい(笑)。

カールツァイスのコンパクトプライム.CP2が待ち遠しい


デジタル一眼で映画が撮られるようになって、急に映画関係の用語がビデオサロンまわりでも飛び交う昨今。PLマウント、なんて一年のなかで一度も口にすることはなかったのに、最近は連発している。
 EOS側のマウントを改造してPLマウントにして、たとえばカールツァイスのコンパクトプライムクラスのPLレンズを装着できるようにするということを映画のレンタル会社であるナックがやってきたが、今度はカールツァイス自身がEOSやマイクロフォーサーズのマウントに直接着く仕様にした、CP.2をNABで発表。InterBEE会場では、あちこちでこのCP.2レンズをつけた状態を見ることができた。
 
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これはナックのブースで。EOS 7Dに直接装着されているコンパクトプライムレンズ。EFマウント仕様。マウント部は購入時に選択とのこと。もちろんマウント部分のみオプションとして買うこともできるそうだ。
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これはパナソニックのAG-AF105に装着した状態。パナソニックブース。
マウントとしては、これ以外にニコンFマウントがある。さらにまだ発表されていないが、
某マウントも用意するとのこと。
価格は海外では一本30万円レベルなのだが、日本では個人ユーザーが買えるような戦略的な価格にしたいという話をきけた。
スチルでは、1本何十万円のレンズを個人で買うのは当たり前の世界。ムービーのおいてもそういう市場を作りたいとのこと。
現状ではレンタル中心のナックがメインだが、今後は販売店を増やす方向のようだ。
それこそ店頭でカールツァイスコンパクトプライム.CP2のレンズがアマチュアが触わって感触を確かめる、なんて日が来るのだろうか。

大メーカーでもこの気配り、というのは日本メーカーも見習いたい


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ペトロールのカメラバッグで驚いたのが、バッグ内に仕掛けられたLEDライト。つまり薄暗いときや夜など、バッグからなにか取り出そうというときに、中がよく見えなくて手探りで、という経験はないでしょうか。
そんなときにあけるとライトがつくという仕掛け。まあ、冷蔵庫みたいなものですね。
思わず笑ってしまったが、担当者によると「これは素晴らしい!』という反応が多いのだそうだ。ペトロールのような大手メーカーにしてこの気配りはすごい。
 そもそも、バッグのなかが黄色やオレンジなのも、黒い機材を見やすくするための配慮。いまや黄色やオレンジ以外の内装のカメラバッグはほとんどない。三脚ヘッドの水準器もいつのもにかライトがつくようになった。
これからはバッグにもライトが定番機能になったりして。

キヤノンはこういうビデオカメラを出すべきではないのか?


会期中にキヤノンブースにおいて、EOS MOVIEの制作事例を制作者を招いて、話を訊くというイベントをやっていたのが、毎回大盛況で、EOS MOVIEに対するプロの興味が依然として高いということを実感した。
TBSのドラマ「おじいちゃんは25歳」の事例
http://www.genkosha.com/vs/interbee2010/entry/eos_movie_inter_bee_tbs25eos_m.html
フジテレビのドラマ「東京リトル・ラブ」の事例
http://www.genkosha.com/vs/report/entry/eos_movie_inter_bee_eos_movie_1.html
そのなかで、両方の現場で使われていたのが、テクニカルファームが作ったMOVIE tube PR HD というサポートシステム。東京リトル・ラブなどは、4月から撮影していたのだが、このシステムができたのが8月くらいで、それからはMovie tubeに切り替えたとのこと。
 なんだか、従来のビデオカメラを扱ってきた現場にとっては、
定番になりそうな勢いなのだ。
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左がおじいちゃんは25歳(TBS)、右がの東京リトル・ラブ(フジテレビ)の現場。
このシステムのポイントはいくつかあるが、
端的に言えば、EOSをプロの映像制作現場で使える仕様にした、ということ。
つまり
・ファインダーをつけた(ソニーの放送業務用のモノクロビューファー)
・ショルダーにできる
・マットボックスをつけられる
・別にカメラマン用のモニターとディレクター用のモニターをアウトできる
・Vマウントのバッテリーから電源を供給できる。
いくつかの既存のパーツを組み合わせて作っている。
詳しくはテクニカルファームのホームページや、ビデオサロン12月号別冊付録を参照してもらいたいが、
現在の仕様はこのようにコンバーター部分をボックスに入れて、ケーブル類が露出しないようになっている。
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テクニカルファームを取材したさらに驚いたのは、
キヤノンのEFレンズにまで手を加えて、使いやすいようにしていること。
すなわち
・フォーカスリングを端付きにして、どこまでも回らないようにした
・絞りレバーを設け絞りを無段階で可変するようにした!
(もともとEFレンズは電気制御で絞りを制御するので、リングはない)
これをみたときには感動して、言葉を失ってしまった。
これほど現場に支持されているということは、
これこそがキヤノンのビデオカメラに求められていることではないのだろうか?
それをテクニカルファームがやってしまった・・・。
価格にしても、EX3を一台買うのとそんなに違わないとなれば(もちろんレンズは別だが)、ハイアマチュアや映像クリエイターなど、個人レベルでも充分手が届く。
XL H1の後継はまさにこのMovie tubeだと言えるのかもしれない。
ぜひキヤノン純正のMOVIE tubeとEF MOVIEレンズ(勝手にネーミングしているが)を
見てみたいと思う。