8月30日にビデオサロン編集部担当のMOOK
「映画制作ハンドブック〜インディペンデント映画のつくりかた」が
発売されました。
映画制作本は数ありますが、表紙にも謳っているとおり
これまでになかった実践的な映画制作ガイドになっていると思います。
ここでお断りしておきますが、映画制作本にあるような
有名監督のインタビューは載っていません。
そのかわり香盤表や機材の選び方、オーディションの進め方なんかが載っています。
クリエイティブな部分よりは、ビデオサロンらしく、より実践的に
どうしたら映画が「完成するのか」という観点でまとめました。
著者は林和哉さん。業界ではスタジオDUの林さんといったほうが通るかもしれません。
わたしもかつてパナソニックがDVX100を出し、DUを立ち上げ、
毎週のようにタメになるセミナーをやっていたときは、
何度か赤坂のDUに足を運びました。
林さんはDUにいらっしゃったので、そこでお会いして、
原稿をたまにお願いするようになりました。
主に、HVX200が登場して以降のファイルベースワークフロー関連のネタが
多かったかもしれません。
状況が変わってきたのが、昨年夏以降でしょうか。
DUが休業状態になり、どういうきっかけか忘れたのですが、
林さんがRED SCARLETを個人で買った!ということを聞いて
見せてもらいにいったのでした。
昨年2012年10月号では、その林さんのSCARLETが表紙なっていて、
さらに10月号、11月号とREDの特集を2ヶ月にわたって組むことになりました。
その勢いで、2013年には、
デジタルシネマカメラ完全攻略というMOOKまで出ました。
(ここではRED SCALETとDaVinciResloveのカラーグレーディング入門を書いていただいています)
で、そんな林さんから、
自主映画制作から映画祭参加までの顛末を書いた連載はどうかという提案をされたのですが、
それだったら、一気に書いて本にしてしまいましょう、とお願いして
できたのがこの本なのです。
実は、
この本を書くのにこれ以上の適任者は日本にはいないと思っています。
というのも、林さんはもともと俳優なので(!)、演出される側の気持ちがよくわかっていること。その後撮影の道に進み、ドラマや映画でのプロの現場での撮影経験も豊富なこと(しかも現役であること)。それだけでなく、監督、演出もやっていて、自分で
インディペンデント映画(自主映画)を作っているから作る側の気持ちや事情が分かること。
もちろん専門誌に原稿を書いているくらいですから、
ファイルベースのワークフローについては最新事情が分かっていること。
もっといいのは、カラーグレーディングまでマスターしていることでしょう。
プロの制作現場では、分業がふつうですが、
低予算の映画であったり、自主映画であれば、一人でかなりのことをこなさなくてはなりません。専業のプロフェッショナルはその分野には精通していますが、すべてが分かっているわけではありません。トータルで見通せる人というのはそれほどいないのです。
林さんだからできた本と言えるでしょう。
この本を作ろうと思った背景はもうひとつあるのですが、
それは次回に回します。
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