【Inter BEE 2018】パナソニック〜有機センサーの今後が気になる! EVA1のIRシネマトグラフィーとは?


8K有機センサーのマルチパーパスカメラ

パナソニックはInter BEE 2018直前に8K有機センサーを採用したマルチパーパスカメラを発表していたが、今回、ブースとスイートルームでそのデモ映像を公開した。ともにカメラスルーの映像。

8K有機センサーについてはこちらの発表文を参照してほしい。

カメラとしては、PLレンズマウントを採用した小型軽量のボックスタイプカメラで、世界初となる8K有機センサーを搭載している。パナソニックとしては、CMOS(MOS)にかわるカメラデバイスとして自社で研究開発しているという。有機薄膜を光電変換部に用いた積層構造により、効率的な光電変換と電荷蓄積を両立する。その特徴としては、原理上グローバルシャッターなので、スキュー歪み(こんにゃく歪み)やフラッシュバンドが出ないこと。そして電圧をかえることにより、NDのような効果が得られること。つまり絞りとシャッターをそのままにして、連続可変で露出を変更する、いわば可変NDの効果が光学NDフィルターなしで得られる。

つまりこのニュースにポイントは、8Kというよりも有機センサーがCCDからCMOS、そしてその次の世代の撮影デバイスとして見えてきたということにある。

撮影デバイスの制約はもう少し開発を進めて行かないと見えてこないという。現状ではパナソニックとしてはCMOS以上の性能はあるとみており、来年の9月くらいの発売を想定している。

ちなみにこの8Kセンサーの感度はF8とのこと。

スルーの映像はかなりS/Nが良い印象だった。

8K制作のワークフローとしてはすでにできあがっている。メモリーカード4枚挿しのレコーダー(特注)により画面を4分割して記録する。そのフォルダはPC上では4ファイルに分かれているが、グラスバレーのHDWS P2 8K対応版を読み込むと1つのファイルとして認識してくれて、合成して再生。

EVA1はデュアルネイティブISOによる暗部再現とIRカットフィルターOFFにスポット

昨年登場したEVA1。今年はVARICAM、VARICAM LT、EVA1がより暗いところに強いことをアピールするため、薄暗い室内を想定した撮影コーナーを設けていた。

ステージでは、InterBEEの3日間、15:00〜15:45、ホール5 パナソニックブースメインステージにおいて、「EVA1 × 赤外線ムービーで駆動する、クリエイティブの先へ」と題したセミナーが開催れた。IRカットフィルターON/OFFを利用したショートムービー“palette”の監督・DPである貫井勇志氏、カメラマンの田村雄介氏とともに、制作過程とデモ実演を交えて紹介した。司会は石川幸宏氏。

通常、カメラには赤外線をカットするフィルターを入れることにより、人の目にノーマルな色で見えている。これまでのムービーにはかんらずIRカットフィルターが入っている。またこの機能を外し、赤外線のライトを当てることで、暗闇での動物の生態などを捉えるといった用途に使われきた。もちろん映像はモノクロになる。

赤外線をカットしないことにより、色はおもいがけず変化し、不思議な世界が現れる。赤外線写真の世界は以前からあり、また映像でもIRシネマトグラフィーというジャンルで制作する人は海外を中心に増えてきている。しかし、いざ制作するとなると、赤外線を測定する手段がなく、どう変化するかを現場で読み解くことができないということで、ディレクター、カメラマンともに壁にぶち当たりながら、制作していったという。

IRフィルターをOFFにして色がどう変化するかという実験。

ただ、幸いにして、EVA1にはON/OFFをスイッチで切り替えられるので、モニターしながら、どう変化するかを現場で検討しながら進めていった。

演出上もたんなるテスト映像ではなく、ノーマルに見える世界と、IRの不思議な世界に意味合いをもたせながら、IRをストーリーテリングとして取り入れていた。

ノーマルな世界

IRシネマトグラフィーの世界を子供の頃に見えていた世界という設定にしている。

このIRシネマとグラフィー制作するには、IRシューティングON(フィルターOFF)で撮影した映像を、DaVinci ResolveのRGBミキサーで簡単に色をシフトし、効果的な世界になるように追い込む。この作業がDaVinciではやりやすいという。こういった色の世界はグレーディング作ることは非常に難しく、IRフィルターOFFで光学的に、しかも制御不可能的に得られ、DaVinciのRGBミキサーで色をみながら変えられるというのが面白い。

もうひとつ興味深いのがIRシューティングONで撮ると、レンズのフレアが目立つこと。動画ではフレアを入れて空気感を出す表現は多く、オールドレンズを多様したり、後処理でフレアを足すことがある。通常の撮影では存在しないフレアが、IRフィルターがないとはっきりと見えてくるというが不思議で、実際にステージで照明を動かしながら、その効果を見せていた。

ムービーはこちらから。