「はやぶさ2」打ち上げの中継・収録に
ブラックマジックデザイン製品を使用


2015年5月11日、宇宙航空開発機構(JAXA)で開発された小惑星探査機「はやぶさ2」が打ち上げられ、その中継と収録にブラックマジックデザイン社のATEM 1 M/E、HyperDeck Studio Pro、Teranex Express、Mini Converters、DaVinci Resolveなどが使用された。中継と収録を手がけたのは有限会社極楽映像社と株式会社ビデオサービス(主催:JVCケンウッド・ビデオテック/ジャパンケーブルキャスト、放映:Channel 4K)。
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この中継と収録はプラネタリウムなどのドーム型シアターに提供するコンテンツを制作したいとJVCケンウッド・ビデオテックが企画したもので、通常はCGやアニメ作品が多いので実写を取り入れて面白い作品ができないかという意図で始められたという。そして制作にあたり、4Kで収録して8Kにアップコンバートすることになった。
有限会社極楽映像社の野澤氏は機材の選定についてこう語る。「『はやぶさ2』の打ち上げを中継するという企画もあったので、まず4Kで安定してスイッチングできる機材は何かと探していたんです。そこでBlackmagic ATEM 1M/E ProductionStudio 4Kについて知り、使用を決めました」。また、機材選定に携わった株式会社ビデオサービスの中野芳範氏は「使用するカメラの台数がかなりあったので、スイッチャーの入力数がカメラの数だけ必要でした。ATEMは4Kに対応し、入力が10系統あり、さらにピクチャーインピクチャーができるという点が決め手でした。他にそういった機材もなかったので必然的にATEMを導入しました」と説明する。
その他、複数のHyperDeck Studio Proも中継のバックアップおよびインサート映像の再生用に使用された。「ATEMからのスイッチングアウトのバックアップ収録としてキャラ入りのものと、クリーンをそれぞれ収録したため、HyperDeck Studio Proを2台導入しました。また、テスト撮影も兼ねて『はやぶさ2』の打ち上げ前にも衛星『だいち2号』『ひまわり8号』の打ち上げの収録をしました。その素材をはやぶさ2の中継時のV出し用のコンテンツとして3台のHyperDeckから再生しました」と中野氏。
さらに、衛星から飛んできた回線の色を合わせて信号を整える目的でTeranex Expressを使用。カメラの出力は1.5G SDI x4だったため、それを6G-SDIに変換するMultiplex 4K が各カメラの出力に接続された。また、オンエアの最終出力の段階でも変換が必要だったため、合計7台のMultiplex 4Kコンバーターが使用された。
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現場での編集作業には、DaVinci Resolveを使用したと野澤氏は話す。「現場で撮った素材を編集したり、カウントダウン用に作った映像にエフェクトを加えたりスーパーを修正するのにResolveを使いました。4Kを簡単に扱えるソフトウェアは、そんなにありません。現場に編集機を持ち込むこともできないので、その点Resolveは手軽に4K編集ができました。」
Resolveで編集された映像はHyperDeck Studio ProでSSDにRecされ、中継時のV出し用の映像として再生用のHyperDeckから再生。「作ったものをすぐにRecして、HyperDeckで確認できる点も便利でしたね。中継の際は、V出し用の動画コンテンツはHyperDeckから出しました。HyperDeckからの映像をATEMのDVEで縮小させて中継映像にはめ込む必要もあったのですが、そういったこともATEMで簡単にできました。グラフィックスなどの静止画コンテンツはATEMから出してキーで抜いて使いました」と中野氏は評価している。
●ブラックマジックデザイン
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