キヤノンはハイビジョンムービーiVISのニューモデルとして、64GBの内蔵メモリーを搭載するHF S11とHF21の2モデルを8月上旬に発売する。それぞれ、今年1月に発表されたHF S10とHF20のバージョンアップモデルだが、内臓メモリーは倍増し、SDカードとのダブルメモリーで実用レベルで充分な録画時間を確保した。そのほかにも、手ブレ補正の強化など、重要な機能アップを果たしている。
HF S11
手ブレ補正は2モードに、フェイスキャッチも進化
まず、フラッグシップモデルであるHF S11は、AVCHDでは最高規格である1080pフルHD24Mbpsの記録モードに対応。総画素数859万画素の1/2.6型CMOSセンサーや高性能映像エンジンDIGIC DVⅢなど基本部分はHF S10から継承しながら、各部の作り込みによって画質が向上し、最新のビデオカメラに求められる各機能の強化を図った。
手ブレ補正は「ダイナミックモード」を追加。これは歩き撮りの際の大きな揺れに対応するもので、細かな手の震えで起こるブレには従来からの「スタンダードモード」で対応し、撮影シーンによって両モードを切り替える2ウェイ方式を採用している。
キヤノンの強みとして外測センサーとTTLの併用によるハイスピードAFが特徴だが、これは顔認識機能でも大きな武器になっている。追尾機能も強化され、横を向いてもしかりキャッチし続ける。複数の顔からメインで追尾する顔を液晶タッチで選択できるが、それを適度にホールドするよう設定されており、メインの顔が画面から外れた場合、画面中央に来ている顔があればそちらに切り替わる。
夜景も自然な色合いに
シーンモードには「夜景」が追加された。通常の撮影モード(Pモード)ではカメラ側がなるべく明るく撮ろうという方向に働き、結果的に明るくはなるが色味が実際とは違ってしまうことも多い。これに対し、暗いところは暗く、もっと「夜らしい」映像を撮りたい場合にこの「夜景」モードが活躍する。
暗部のS/Nを向上させ、色温度を適切に制御することで、必要以上に明るくせずに自然な色味を再現。暗い中での微妙なトーンも表現する。Pモード(オート)ではどちらかといえば青みが強調される傾向があるが、「夜景」モードは温かみのある夜景を撮ることができる。
HF21
バランスにすぐれたHF21、水中モードも搭載
一回りコンパクトで普及機と位置づけられるHF21も、HF S11と同様に手ブレ補正や顔認識機能が強化されており、充実した進化内容だ。同じレンズとCMOS、映像エンジンを使用するHF20と比較するとノイズが抑えられ、映像全体がクリアで発色も良くなる等、画質の向上が見られる。
HF21独自の魅力として、「水中モード」の搭載が挙げられる。HF20、21用に別売のウォータープルーフケースWP-V1(40m防水)が用意されており、手軽に水中撮影が楽しめる。水中では赤い光が先に吸収されるため、P(オート)モードではどうしても青くかぶった色味になるが、HF21の「水中モード」はその赤みを補うことで、魚やサンゴなどを本来の鮮やかな色彩で撮ることができる。
HF20にも「水中モード」はついていたが、普段は使えないようになっていて、ウォータープルーフを装着する際に使えるようにするスイッチがついていた。その点、HF21 は簡単にモード切替ができ、プルーフに入れた状態のまま、スイッチ一つで「水中」「水上」の切替が可能になっている。ちなみに「水中モード」で水の外を撮ると赤っぽくなる。最短焦点距離は5cmに設定。これは魚などの被写体を接写したいというニーズに応えるもので、これ以上短くするとマウント部にピントが合ってしまう問題もあり、ここに落ち着いたとのこと。
キヤノンの画質へのこだわりで、普及機ながら上位機種のHF S11と同様に1080p/24Mbps記録に対応。64GBの内蔵メモリーも共通で、かなり魅力的なモデルと言えるだろう。
HF S11 オープン価格(推定15万円前後)
HF21 オープン価格(推定13万円前後)
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問:キヤノンお客様相談センター
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