キヤノンのCINEMA EOS SYSTEMは、最上位のEOS C500が生産完了になっていたが、それにかわるモデル、EOS C700が発表された。いわゆるCINEMA EOSのスタイルではなく、頑強な箱型のモジュールシステムに変更されたのが大きなポイントで、そこにコンセプトの変更が窺える。
他社のデジタルシネマカメラに近いボックス型のモジュールデザインを採用することで、ARRI ALEXAやソニーシネアルタ、パナソニックVaricam対抗を打ち出すとともに、ターゲットとしては、テレビ番組制作のEFPジャンルの4Kカメラとして使われることも想定している。ショルダーキットやB4マウントへの変換アダプター、ズームレバー付きグリップも自社で用意することで、ショルダーカメラとしても純正で使えるようになっている。


同社の放送用ズームレンズと組み合わせたショルダーカメラシステムの状態。
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EOS C700
2016 年 12 月下旬 オープン価格(300 万円前後)
EOS C700 GS PL(グローバルシャッター、PLマウントモデル)
2017 年 1 月下旬  オープン価格(330 万円前後)

スーパー35mm相当の大判CMOSセンサーで、映像処理プラットホームを3基搭載した「トリプル DIGIC DV 5」などにより、広ダイナミックレンジの4K/60Pを内部記録。記録フォーマットは従来のXF-AVCに加え、新たにApple ProResにも対応した。記録メディアはCFast2.0で2スロット搭載。Codex社のレコーダーCDX-36150と組み合わせることで、CANON Cinema RAW RMFファイルで記録することができる。
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▲EOS C700のシステム構成図
HDR制作にも最適で、キヤノン独自のCanon Logに加え、最大15Stopの広ダイナミックレンジを持つCanon Log 2、14Stopのダイナミックレンジと簡易なグレーディングを可能にするCanon Log 3を備えている。
高精細な有機EL電子ビューファインダーEVF-V70(別売/68万円)装着時や、対応ディスプレイに接続することにより、撮影現場でSMPTE ST 2084規格のHDR映像を確認できる。
デュアルピクセルCMOS AFにより、EFレンズで高精度なオートフォーカスが可能。測距エリアは画面内縦横約80%の範囲内で自由に設定可能。AF速度(10段階)とAFレスポンス(7段階)を調整できる。

有機EL電子ビューファインダー EVF-V70

68万円。2016年12月下旬発売予定。高解像度1920×1080の有機EL電子ビューファインダー。暗い場所でも迷わず操作できるよう、使用頻度の高いボタンは自照式。撮影画像の特定輝度領域に擬似色を重ねて表示し、輝度分布を可視化する「False Color表示」が可能。さらにITU-R BT.2020やDCI、ACESproxy、HDR規格であるSMPTE ST 2084用のLUTを搭載し、各規格に近い映像を確認できる。

B4マウントアダプター MO-4E/MO-4P

別売のB4マウントアダプターMO-4E(EOS C700用)/MO-4P(EOS C700 GS PL用)を使用することにより、B4マウントの放送用ENGレンズを装着できる。
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対応ENGレンズは、2016年9月時点で
HJ14e×4.3B IASES、HJ18e×7.6B IASES、HJ24e×7.5B IASES、HJ17e×7.6B IASES、HJ22e×7.6B IASES
となっている。

ショルダースタイルグリップユニット SG-1

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2016年12月下旬発売予定。30万円。EFレンズ装着時でも放送用レンズと同様の操作性を実現するグリップユニット。ショルダーサポートユニットSU-15と組み合せることで、肩担ぎした状態でも手元でフォーカス、アイリスなどを操作できるというもの。

リモートオペレーションユニット OU-700

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カメラ右側に取り付け可能な着脱式の操作パネル。フォーカスマンがカメラ左側に取り付いた場合でも、アシスタントが容易に各種設定を行える。また、専用のリモートオペレーションユニットケーブルを使用することで、遠隔操作を行うこともできる。
EOS C700 特長紹介(4K)【キヤノン公式】

CINEMA EOS SYSTEM フラッグシップモデル「EOS C700」作例コンテンツ(4K)【キヤノン公式】

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