20倍ズームを採用したハンディHDVカメラとして、高い評価を受けているXH G1とXH A1がそれぞれ、G1S、A1Sにマイナーチェンジ。G1Sが840,000円。A1Sが577,500円。
◆画質は同じで、細かい改良で操作性を改善した
ほとんど外観は同じで、画質もまったく同じだという。ただG1とA1のユーザーである現場のカメラマンの要望を徹底的に取り入れて、改善できるところは、すべて手を入れている。このボディを維持してできることはすべてやったという印象だ。結果的により使いやすいカメラにブラッシュアップされている。ここでは、前モデルのG1/A1からの変更点を列挙しよう。
下記がすべての変更点ではないが、キヤノンのハンディタイプのHDVカメラとしては一つの完成形になったのではないだろうか。ボディ色は塗装の黒が深くなり、より高級感が出た。実際に使ってみるとより実感できるマイナーチェンジだ。
ちなみにG1SとA1Sの違いは、G1とA1の違いと同様で、G1Sには、HD-SDI出力、ゲンロック、タイムコード入出力がある点。
◆レンズ操作性の改善
1.誤操作防止ため、リンク形状の変更
従来のレンズでは、リング間に段差がなく、とっさのときに間違うことがあった。リング形状に明確に差をつけ、かつ段差も設け、ブラインド操作でも分かりやすくした。
2.フォーカス/ズーム/絞りのリングトルクをH1Sのレンズに合わせた
リングトルクはカメラマンによって好みが異なるが、H1Sに合わせ、同じフィーリングで操作できるようにした。
3.ズームスピードをより速く、より遅くする
最高速をより速く、より遅くした。ズーム速度の幅が拡がったことで、スローズーム、高速ズームに対応した。
4.フォーカスリングの敏感度を3段階で設定
◆オーディオ仕様の変更
1.内蔵マイクとXLR入力の同時使用が可能に
2.XLR入力は2チャンネル独立で、MIC/LINE設定が可能に。
3.マニュアル時でもリミッターが効くようになった
4.XLRマイク感度設定は5段階の選択式
5.XLRラインは感度アップ
6.ライン出力瀬レベル設定は2段階で設定(6dBアップ可能)
◆ディスプレイ表示の改善
1.ディスプレイ表示エリアの拡大
キャラクターが被写体にかぶらないように、より画面の端に移動させた
2.マニュアルフォーカスアシスト機能
ピーキングの周波数とゲイン調整が可能
◆調整機能をさらに細かく
1.オートゲインコントロールにリミッターを設定可能
さらにゲインの微調整も0.5dBきざみで可能に。
2.ホワイトバランスは調整範囲を2000K~15000Kに拡張
ロウソクの光でもホワイトバランス設定が可能に。
3.ノイズリダクションで、グリーン/ブルーバックの抜けを改善
4.業務用レンズにあるプッシュAE機能をEXP.LOCKボタンに追加
5.小絞り回折F値を超えるとF値がグレー表示される
◆ボディの変更
1.録音レベルのマニュアル調整後、ロックが可能
2.音声ダイヤルに目盛りを設けた
3.ダイヤルのマニュアル「M」モードをOFFに隣に移動し、すぐに「M」に入れるように変更
4.ヘッドホン端子を金属化
5.HDV端子を6ピン化(ロック機構付き)
6.大ネジ用三脚ベースを同梱
7.外部マイクホルダーに防振対策
8.紛失しやすい端子カバーはユーザーで交換できるようにした