6月19日から21日の3日間、東京ビッグサイトにてケーブルテレビショー2008が開催された。ケーブルテレビやCS番組の制作者や施工業者向けのハードウェアゾーンと、CS局などのサプライヤーゾーンの、大きく二つに分かれているが、ここでは、ハードウェアゾーンを中心に制作者に役立つ情報をピックアップしてみた。
◆ソニーのPMW-EX3は国内の展示会初登場
XDCAM EX規格のセミショルダーカメラ、PMW-EX3は、4月のNABで発表されたが、日本の展示会ではこれが初お目見えとあって、実際に担いで操作性を試してみるカメラマンなど、興味を示す人が多かった。本誌の7月号のレポートでも、セミショルダーという形態について、「もう少し肩にしっかり載せられるようなアダプターが欲しい」と指摘したが、早くもプロテック(日本ビデオシステム)から、その試作機が展示された。同社の三脚アダプターST-1と肩パッドとバッテリーマウント、端子部を一体にした構造。これにより、しっかり肩に載るだけでなく、Vマウントバッテリーを使用でき、さらに三脚への取り付けもスムーズになる。一石三鳥のアイテムではないだろうか?
▲プロテック製のEX3用ショルダーパッドの試作機。
また、当初、8GBと16GBでスタートしたSxSメモリーカードだが、はやくも32GBのカードが登場する。この秋発売予定。
▲32GBのSxSメモリーカード。このカード2枚で、最長280分(4時間40分)の連続記録が可能になる。DVCAMやDVのスタンダードカセットでの収録時間を超えることになる。
◆HDVよりも安く、しかもHD-SDI入力のあるレコーダー
XDCAM EXのレコーダー、PMW-EX30もNABで発表されたが、こちらも価格が正式に決まり、なんと50万4000円。記録媒体は、SxSカード(2スロット)になるが、HDVデッキと比較してもかなり割安の感が強い。なぜならHD-SDIの入出力があるからだ。HDVのレコーダーで、HD-SDI入力のあるタイプは、HVR-1500Aで、価格は100万円以上する。同機能を持ちながら半額以下というのは驚きだ。HDMI端子を装備し、民生の液晶テレビでモニターできるのも重宝する。XDCAM EXをイッキに普及させたいうというソニーの戦略価格だろう。
▲こちらは、HDVのレコーダーHVR-1500A(右)と、光ディスクを使用したXDCAM HDレコーダーのPDW-F75。
▲ソニーの展示のメインはXDCAM HD。釣り専門チャンネル「釣りビジョン」で採用されていることを大きくアピール。地上波局の機材、システムのHD化は一段落したが、CS局、ケーブル局は今年あたりからHD化を進める流れにあるという。
◆フジノンのEX3用マウントアダプター
EX3はレンズ交換式で、新たにEXマウントを採用。標準ズームを担当したフジノンでは、専用のワイドズームだけでなく、2/3インチB4マウントからの変換アダプターや1/2インチソニーマウントからの変換アダプターを参考出品した。