パナソニックは、デジタルハイビジョン(AVCHD)ビデオカメラの新製品を発表。世界最大容量64GBのフラッシュメモリーを内蔵するHDC-TM350と、フルハイビジョンムービーとして世界最軽量(約227g)となるHDC-TM30の2機種で、発売は6月25日を予定している。


ビデオカメラ市場では、今年中にハイビジョン対応が80%を超えると予測されているが、ハイビジョンカメラのうち、記録メディアにフラッシュメモリーを使用するタイプの割合は現時点では約30%。フラッシュメモリーは全体の60%を占めるHDDに比べコンパクトで耐衝撃性に優れ、消費電力量も少ない。メモリー容量が小さく割高という欠点も、大容量化・低価格化が急速に進み解消されつつあり、09年下期から来年にかけてフラッシュメモリー内蔵型のシェアがHDDを逆転する見通しだ。そうした状況の中、パナソニックはフラッシュメモリー内蔵型の上位機種となるHDC-TM350と、フルハイビジョンで世界最軽量を達成したコンパクトモデルHDC-TM30の2モデルを送り出す。
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◆大容量64GBフラッシュメモリーで最大16時間超の撮影が可能
TM350はムービー内蔵として世界最大容量となる64GBのフラッシュメモリーを搭載、フルハイビジョン1920×1080記録で最大16時間40分(HXモード)の長時間撮影を可能にした。さらに32GBのSDカード(別売)を使用すれば、リレー録画機能により連続24時間40分の撮影が行える。リレー記録の際、映像の途切れが全くないのも特徴だ。
高画質モデルと位置づけられるTM350は、放送用ビデオカメラと同じ3MOSセンサーを採用、RGB3原色をそれぞれ専用の3つのセンサーで処理することで、被写体の色をきめ細かく忠実に記録できる。またカラーダイナミックレンジが広く、強い光の下での白トビや柄模様を撮影した時の偽色が出にくい。低照度の撮影時のノイズは従来の半分に抑えられた。
TM350は305万画素の1/4.1インチセンサーを3枚搭載し、世界最高の総画素数915万画素(動画有効画素数621万画素)を実現。水平解像度はハイビジョン規格の最大数である1080本で、ハイビジョン撮影に求められるより高い画質性能を獲得した。静止画撮影でも1060万画素を達成、動画撮影中でもフォトショットボタンを押すだけで830万画素の静止画記録ができる。レンズは12倍ズームで、35mm換算で動画44.9~490mm、静止画40.8~490mm(16:9)となる。
音の面でも5つの内蔵マイクによる5.1chサラウンド記録や、レンズのズーム操作に連動して正面方向の音をズーミングさせるズームマイク機能、低音域の大きさを必要に応じて調整するバスコントロール機能など、上級機にふさわしい機能を備える。
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◆軽くてカンタンしかも高性能
TM30はフルハイビジョンカメラとして世界最軽量の約227gを達成、外出時に気軽に持ち出せるコンパクトさがウリ。量販モデルらしく、3色のボディカラー(プラチナシルバー、オニキスブラック、クランベリーレッド)を用意する。液晶モニターの開閉がON/OFFと連動し、すぐ撮影が始められる(OFF状態から撮影開始まで業界最速の1.9秒/クイックスタートで0.6秒)など、操作系をシンプル化して使いやすさの向上に努めている。
レンズは16倍ズームを採用(35mm換算で動画/静止画とも44.1~706mm)、撮像素子は1MOSで1/6インチセンサーを1枚使用。32GBフラッシュメモリーを内蔵し、1920記録で8時間(HXモード)、別売の32GB のSDカードとのリレー録画(メディア切り替えインターバルなし)で最大16時間の撮影が可能になっている。
◆大きく進化した手ブレ補正機能
TM35/30の光学式手ブレ補正機能はアルゴニズムから設計し直され、大幅な精度向上が図られている。補正レンズの動作エリア拡大により手ブレのカバー率が大幅に拡大し、大きなブレから細かなブレまで効果的に低減する。特に補正が難しかったズーム側の補正力の向上は著しく、画質を劣化させることなく手ブレのない映像が撮れるようになった。
さらに、ワイド時に起こる大きな揺れを抑えるアクティブモードを搭載。手持ちで歩きながら撮影する場合などの大きな手ブレもしっかり抑えてくれる。
「追っかけフォーカス」はタッチパネルで選択した被写体を追尾して、ピントと明るさを自動調整する機能。従来の「顔認識」に「色」での認識機能も加えたことで、人物が横を向いても追尾が可能で、顔認識が使えない被写体にも使える。
このほかにも、便利な機能を数多く搭載。被写体の顔の有無や距離、明るさ・コントラストなどの情報から5つのシーンを自動認識して適切な露出やコントラストの制御を行う「動画おまかせiA」、従来の映画フィルムと同じ24p(秒間24コマ)で撮影を行う(記録は60i)「デジタルシネマ」、従来のハイビジョン放送を超える広い色域表現である「デジタルシネマカラー」への対応、スタンバイ状態でプリRECを押すことで常時約3秒間前までの映像を記録、決定的瞬間を逃さない「プリREC」機能など。これらの機能は2モデル共通で、フルマニュアルでの操作や、「静止画おまかせiA」、日没など動きの遅いシーンを指定した間隔で記録し短縮動画にする「インターバル記録」はTM350のみの機能。
HDC-TM350 オープン価格(推定15万円前後)
HDC-TM30 オープン価格(推定10万円弱)
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