謎のベールに包まれた
サービスの詳細が明らかに
4月20日、インターネット広告を手がけるマイクロアドが、クリエイティブディレクターに高城剛氏を起用し、先端テクノロジーを使ったドローンによる空間情報化サービスの提供を開始するとのアナウンスがあり、発表会の会場となる舞浜アンフィシアターまで足を運んでみた。当日までその詳細については明らかにされないまま、いよいよ発表会が始まった。
▲マイクロアド代表・渡辺健太郎氏
冒頭はマイクロアド代表の渡辺健太郎氏が登壇。同氏のインターネットとの出会いをはじめ、同社の軌跡、そしてドローンによる新たなる広告の可能性への挑戦するという内容でプレゼンテーションが行われた。
▲Magic Ad Projectのクリエイティブディレクターに就任した高城剛氏
高城氏のメールマガジンの愛読者だったという渡辺氏。2014年末に1通のメールを出したことから、実際の交流がはじまり、今回のプロジェクトへと繋がったという。フリーフライシステムズ社のALTAを自ら所有するほど筋金入りのドローンマニアである高城氏。自身の経歴をはじめ、ドローンとの出会い、昨今のドローンの自律制御の進化、そして、その分野での表現の可能性などについてのプレゼンの後、「Sky Magic」の全貌が明らかにされる。
▲『2001年宇宙の旅』の著者、アーサー・C・クラークは「最先端のテクノロジーは、魔術と見分けがつかない」との言葉を残している。それがSky Magicのプロジェクト名の由来になっているという。
富士山でのSky Magic実演映像
2週間程前に富士山の朝霧高原で実験したドローンによる空間演出Sky Magicの実演映像。LEDを搭載したドローンを25台飛ばし、ステージ演出で利用されている「DMX 512」通信規格を搭載することで、音響や照明に加えて、ドローンの動きとLEDの光をMIDI制御で管理制御できるという。規則的に隊列を組んで動くドローンと色鮮やかに発光するLEDが印象的だった。
▲会場でも津軽三味線のライブに合わせて、Sky Magicの実演が行われた。
▲将来的にドローンとLEDの数を増せば、写真のように空飛ぶディスプレイを形成することも可能。同サービスはイベントやフェスティバル会場、ファッションショー、コンサート、球場やラグビー場などの大型スタジアム、テーマパークなどでの空間演出やパブリックビューイングなどでの利用を想定しているという。
試作に試作を重ねて実現
▲当初の設計イメージ
▲CGによるイメージ
▲完成形の設計イメージ
今回の演出に使用したドローンは、汎用型のドローンを改造し、安全性を考慮して、3Dプリンターで作ったカーボンファイバー製のケージに組み込み、1台につき660個(25台で16500個)のLEDを組み込んで、色鮮やかに発光させている。まだまだ未発達な部分のあるドローンに墜落はつきものだが、今回の富士山の撮影でも墜落してしまったものの、カーボン製ケージの恩恵で、一度墜落しても破損することなく、再びMIDI制御の隊列にリカバリーしたという。
また、今回の実験では300gとなったが、「200g以下に抑えることができれば、日本中のあらゆる場所でこのパフォーマンスを行うことができる」と将来の可能性も示した。渡辺氏は、富士山での実験では25台だったが、年内には100台以上の飛行を成功させたいと意気込む。
▲3Dプリンターで作ったカーボンファイバー製のゲージ
▲ドローンに組み込まれたLED
AI(人工知能)を組み込んだドローンの将来
発表会の最後は、AIが組み込まれたSkyMagicドローンの未来をイメージしたコンセプトムービーで締めくくられた。SFムービーのような世界観ではあるものの、ドローンの進化のスピードを考えると、そう遠くない将来に、このムービーで映しだされる演出表現の世界が実現される日が来るのかもしれない。
▲発表会終了後のフォトセッションの模様
●Sky Magic WEBサイト
https://magic.microad.co.jp/skymagic/
●マイクロアド
https://www.microad.co.jp/