12月6日(土)、東芝はCPU、GPUに次ぐ第3のプロセッサと位置づけられる、SpursEngineの性能、環境を紹介するイベントを、東京秋葉原のリナックスカフェで開催した。12:30から17時過ぎまでの長丁場だったが、一時は入場規制されるほどの盛況ぶり。ビデオユーザーとしても、MPEG2からH.264に高速変換してくれるプロセッサとして、今大注目のSpursEngine。賛同するメーカーからのプレゼンテーションには熱が入った。
◆各社からSpursEngine関連のプレゼンテーション
冒頭は東芝セミコンダクター社によるプレンテーション。SpursEngineの開発経緯から、概要、そして特徴を解説。ビデオユーザーにとって注目すべきは、HD映像のMPEG2をH.264似変換するのに、これまで実時間以上の膨大が時間がかかったのに対し、SpursEngineで処理させることにより、約10倍以上高速化できること。これでHDVのファイルを効率よく圧縮してBDに保存するという道も現実的になる。
プレゼンテンションはトムソン・カノープス、ロイロ、CRI・ミドルウェア、テクノアソシエーツ、モルフォ、サイバーリンク、ペガシス、リードテックジャパンの各社から行われた。
ビデオユーザーにとっての注目は、SpursEngineを搭載したハードウェアエンコーダーボードである、トムソン・カノープスのFIRECODER Blu。10分のHDVの素材をH.264似変換する場合、コア2クアッド2.83GHzのPCを使ったとしても約23分20秒かかってしまうところ、FIRECODER Bluでは、約4分30秒と2倍速以上で処理ができる。ただし現在のところ付属のソフトではビットレートは細かく設定できず、最高でも18Mbpsとなってしまうが、今後EDIUS Pro 5と連係することにより、それ以上のレートでのトランスコードも可能になるという。
▲トムソン・カノープスのプレゼンテーション
まったく新しいインターフェイスを採用したロイロ社のビデオ編集ソフト、ロイロスコープ(LoiLo Scope)は、編集中はすべてリアルタイム処理ができ、快適な作業ができるが、書き出ししようとすると、大変な時間がかかっていた。これをSpureEngineを使って処理することで、大幅な高速化ができるという。
▲ロイロ社のプレゼンテーション
また、ペガシス社のTMPEng 4.0Xpressや、サイバーリンクのPowerDirectorなども、今後はSpursEngineに対応する予定で、2009年は、H.264に高速変換してBDやPC内に保存するという流れが現実的になりそうだ。
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