ソニーでは今年のNABに向けて新製品群を発表した。一番の注目はなんといっても、NEX-FS700J。FS100Jの上位モデルにあたるもので、フルHD画質で120fps/240fpsの読み出しを実現し、24p時には、最大10倍のスーパースローモーションになる。さらに高速な撮影のために画質を落として、480fps記録、960fps記録モードも設定可能。
(写真は他社のレンズ、マットボックス、フォローフォーカスを組み合わせた例)
ソニー
NEX-FS700JK (標準ズームレンズキット)
840,000円
NEX-FS700
777,000円
ともに発売日は2012年6月27 日
CMOSは、FS100Jでは300万程度に抑えることで、デジタル一眼の4倍の画素ピクセルにより超高感度を実現していたが、今回のFS700Jは、自社開発の“Exmor” Super35 CMOSセンサーで、総画素数は1160万画素(4352×2662)とし、動画時有効画素約830万画素を使い、今後のファームアップにより4K読み出し、3G-SDI出力が可能になるという。
本体では4K記録できないが、4K記録に対応する外付けのレコーダーを開発中とのこと。
実用面では新開発のNDフィルターユニットを内蔵したことがポイント。Eマウントの短いフランジバックのなかに回転式のNDフィルターを装備することに成功した。
Clear、1/4(2eV)、1/16(4eV)、1/64(6eV)の4ポジションから選択することができる。
3G対応のSDI出力を搭載し、本体記録モードと同じフォーマットで外部出力することが可能。HDMIの場合もプログレッシブ信号をプルダウンすることなくネイティブで出力できるので(FS100Jでは2:3プルダウンだった)、外部レコーダーを用いる場合にも便利。HD-SDIとHDMIは同時に出力することが可能。
ボディはほぼFS100Jを流用しつつ、NDフィルターを組み込んだことでセンサー周りが一回り太くなっており、さらにハンドル部も形状が見直され、強化されている。
4Kの部分は未知数で残念ながら現段階では動画を確認していないが、
ハイスピード撮影が特殊なカメラでなくても実現してしまったことは驚き。
この機能の搭載によって、FSシリーズのアピールポイントは明確化されたような気がする。
ここまでのハイスピード撮影が可能でありながら、
FS100Jに対してそれほど価格があがっていないというのも魅力。
おそらく感度ではFS100Jに譲ることになるだろうが、このハイスピード機能により、これまでFSシリーズに興味をもっていなかった層にも強くアピールするのではないだろうか?
FSシリーズの残る課題はレンズ。
ぜひEマウントでのムービー向けズームレンズの開発もソニーに期待したいところだ。
◎ソニーのFS700JK情報ページ
http://www.sony.jp/nxcam/products/NEX-FS700JK/