『ATEM 1 M/E Advanced Panel 20(上)』と『ATEM 1 M/E Advanced Panel 30(下)』

ブラックマジックデザインは、ATEM Constellation HDおよび4Kスイッチャーの全機能にアクセスできる、2つの新しいハードウェアコントロールパネル『ATEM 1 M/E Advanced Panel 20』と『ATEM 1 M/E Advanced Panel 30』を発表した。価格は『ATEM 1 M/E Advanced Panel 20』が613,800 円、『ATEM 1 M/E Advanced Panel 30』が888,800 円(ともに税込)。

「2 M/E」および「4 M/E Advanced Panel」と同じエレガントなデザインでありながら、コンパクトなためあらゆる放送スタジオのスペースに配置できる。新しい1 M/Eパネルは、最大3つのシステムコントロールLCDに加え、4つのアップストリームキーヤー、4つのダウンストリームキーヤーおよび4列のM/Eをコントロールできるボタン、ジョイスティック、Tバーフェーダーなどを搭載。

同製品はいずれも、IBC 2023のBlackmagic Designブース(#7.C49)にて展示予定だという。

「ATEM Advanced Panelシリーズ」は膨大なコントロールを搭載しており、より複雑なエフェクトをセットアップできるため、ATEM Constellationの能力を存分に発揮できる。また、放送品質のボタンやノブ、Tバーフェーダーを使用して、スイッチャーのあらゆる機能に同時にアクセスできるので作業効率が上がる。

さらに業界標準の馴染みやすいM/Eスタイルのレイアウトを採用。各パネルには、メニュー用のLCD、ライトの色をカスタマイズできる高品質のボタン、DVEジョイスティックおよびTバーフェーダーを搭載。M/Eボタン列に内蔵されたLCDは、入力ボタンのラベルを動的に表示。

『1 M/E Advanced Panel 20』は、20個の入力ボタンと2つのシステムコントロールLCDを搭載。より多くの信号に対応できる。『1 M/E Advanced Panel 30』は、30個の入力ボタンと3つのシステムコントロールLCDを搭載している。さらに両モデルが4つのアップストリームキーヤー、4つのダウンストリームキーヤーおよび4列のM/Eをコントロールできるボタンを搭載。

ATEM Constellationは、最も高度なライブスイッチング・ワークフローに対応できるよう設計。個別のプログラム/プレビューバスを内蔵しており、ユーザーはそれらを使用してソースをすばやく正確に切り替えられる。

トランジションタイプを選択する際は、システムコントロールLCDに該当のトランジションのオプションが表示されるため、複雑なメニューをナビゲートせずにパラメーターを調整できる。スイッチングは複数の方法で実行でき、プログラムバスで直接カットすることも可能。「ATEM Advanced Panel」では、必要なコントロールを使用して、あらゆるトランジションタイプにすばやくアクセスできる。

ATEMスイッチャーでは、多くのトランジションスタイルを使用でき、SMPTE標準ワイプも搭載している。ディップトランジションでは、カラーディップエフェクトを作成できるが、あらゆるビデオをディップソースとして使用できるので、画期的なエフェクトを作成できる。

DVEトランジションでは、DVEを使用してフォアグラウンドイメージ全体が動くような面白いトランジションを作成できる。Tバーフェーダーを使ってマニュアルでトランジションの位置を動かし、完全にコントロール可能。

ワイプトランジションは、パラメーターを使用してエキサイティングなエフェクトにパワーアップ可能。LCDで直接ワイプパラメーターを選択できるが、プロダクションスタイルに適した様々なカスタマイズを加えることも。また、専用のジョイスティックで、ワイプパターンの位置を正確に設定することもできる。

ATEM Advanced Panelに搭載されたジョイスティックは、ピクチャー・イン・ピクチャーエフェクト用にDVEの位置を設定するのに最適。また、ソフトノブやLCDメニューを使用して、DVEの位置やサイズ、そして照明、ドロップシャドウなど、その他のDVE機能も調整できる。DVEは、フレーム内にグラフィックスを飛びこませる設定にしたり、事前にプログラムされたプッシュやスクイーズのトランジションを選択したりできる。

人間工学に基づいて設計されたTバーがライブパフォーマンスの一役を担い、完璧なトランジションを可能にする。ライブイベントの盛り上がりに合わせて、トランジションをカメラマンや出演者と完璧に同調するように調整する必要がある場合がある。ATEM Constellationはパフォーマンスの一部であり、プロダクションの進行に応じて指揮者のようにムードを盛り上げる。

ジョイスティックでは、素材を画面上で動かすことができる。完全な3軸コントロールで、ワイプパターンのX、Y、Z軸の位置や、ATEM ConstellationのDVEの位置をコントロール可能。ジョイスティックでのDVEコントロールは、ビデオにライブ映像を重ねる際に最適である。サイズの調整、上下左右のポジショニングを行って、完璧なピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトを実現可能。ジョイスティックでDVEを動かして、開始と終了のキーフレームにおけるDVEの位置を設定し、独自のアニメーションDVEを作成することもできる。

各システムコントロールLCDには、各機能に直接アクセスできるボタンを備えたキーパッドと、ソフトノブ、ボタンが搭載。キーヤー、トランジション選択、DVE、カラージェネレーター、そしてスイッチャーのビデオフォーマット、マルチビュー設定、入力ボタンの再マッピングなどの、何百ものスイッチャーパラメーターに対応。10個の個別のパネル設定を保存・呼び出しが可能で、パネルに保存しておける。

「ATEM Advanced Panel」のもうひとつの利点は、マクロを内蔵していること。カスタムマクロを簡単に記録でき、ボタンを押すだけでトリガーして再生できる。スイッチングを行うハードウェアパネルからマクロを操作できるため、コンピューターを使用する必要はない。各マクロボタンで異なるマクロをトリガーするよう設定でき、ボタンの下にあるLCDで、各ボタンに割り当てられているマクロが確認できる。