ブラックマジックデザインは、カネン・フラワーズ (Kanen Flowers)脚本/監督、Scruffy. TVプロデュースによる近日公開予定の劇場映画、「Hero Punk」の 撮影にBlackmagic Cinema Cameraが使用されたことを発表した。
「Hero Punk」は、突然変異によって特殊能力を持つことになった人々が政府から迫害を受けている、2042年 の反ユートピア的社会を舞台としたSFスリラー。同作の半分以上のシーンが1100平方フィートのグリーンバッ クで撮影されたため、撮影チームはトラッキングマーカーで背景のバーチャル世界をマーキングする必要があっ た。また、俳優にあてられた照明が合成時に適切に見えつつ、背景からキーをきれいに抜けるよう、充分なラテ ィチュードで撮影した。
「数回のテスト撮影の後、私たちはグリーンバックのリッチなカラーとトラッキングマーカーの精度に対応でき て、なおかつSSDだけ用意してすぐに撮影開始というような『速攻スタイル』のワークフローに耐えられる柔軟 性を備えたカメラが必要だという結論に達しました」と、フラワーズ監督は言う。
「また、数週間に渡る長期の 撮影で2台のカメラが必要で、使える予算は限られていました。」
フラワーズ監督と、カメラマンのポール・デル・ヴェッキオ(Paul Del Vecchio)氏、パトリック・ジョンソン (Patrick Johnson)氏は、13ストップのスーパーワイド・ダイナミックレンジ、高解像度2.5Kセンサー、内 蔵SSDレコーダー、オープンファイルフォーマット・サポートに対応したコンパクトなBlackmagic Cinema Cameraが、彼らの望む条件をすべて満たしていると、判断した。
同作の撮影チームは、10 bitカラースペース でグリーンバックをProRes 442で撮影したが、トラッキングマーカーを簡単にキャプチャーでき、俳優に適切 な照明を当てることが可能であった。俳優を自然なルックでキャプチャーすることができたので、ポスプロにお いて膨大な量の修正をする必要はなかった。
「2台のカメラを同じF値に設定し、Filmモードでフラットに撮影したことで、グリーンバックに邪魔されずに俳 優に適切な照明を当てることができました。Blackmagic Cinema Cameraは高ダイナミックレンジなので、後 からコントラストを戻したとき、合成でキーをきれいに抜くことができるんです」フラワーズ監督は続ける。
「Blackmagic Cinema Cameraは私たちのワークフローに完璧にマッチしました。ProResは優れたネイティ ブ・コーデックですし、ProResでSSDに収録して、編集システムにシームレスにコピーできる機能は驚異的で す。撮影現場でも編集ができて、大まかな合成を行ったことで、必要なシーンを把握することができたので す」
Blackmagic Cinema Cameraの使いやすさと柔軟性は、制作ワークフローの調整に必要不可欠であり、撮影チ ームはこの柔軟性のおかげで演技、演出、ストーリー展開に焦点を当てることが可能となった。1日に脚本10ペ ージ分の撮影をこなした撮影チームは、カメラを12フィートの高さに設置して俯瞰で撮影したり、レールを使 って下方から撮影したり、あるいは手持ち、肩乗せで様々な遠近法の実験的なショットを撮影した。
「あるシーンの撮影では、狭いキッチンの中で2台のカメラをショルダーリグで使用しました。このシーンは Blackmagic Cinema Cameraでなければ撮影できなかったでしょう。DSLRでは画質に妥協しなければならず、 その他のカメラでは大きすぎて小回りがきかず、撮影できないようなシーンが多くありました。Blackmagic Cinema CameraはDSLRと感触が似ていますが、プロ仕様のシネマカメラのような映像が得られます。さらに、 直感的に使えるので、1日で撮影を習得できました。Blackmagic Cinema Cameraのおかげで、試行錯誤しな がら様々なショットを撮影して、希望通りのルックと雰囲気で、希望通りの映画を作れたのです。」
現在、同作の最終的な編集とフィニッシングが行われている。カラーグレーディングには、世界最先端のカラー コレクションツールである Blackmagic Design DaVinci Resolve が使用される予定だ。