ブラックマジックデザインは、オールインワン型のライブプロダクションスイッチャーである『ATEM Television Studio HD8』シリーズを2月23日より発売した。ラインアップと価格(ともに税込)は以下のとおり。
・ATEM Television Studio HD8:427,800 円
・ATEM Television Studio HD8 ISO:569,800円
新シリーズは、配信および収録などの高度な機能に対応した、放送局クラスのコントロールパネルを搭載。ISOモデルは、全ビデオ入力を収録可能で、最大8台のリモートカメラを接続できる。また、新シリーズはライブ配信、トークバック、オプションの内部ストレージにも対応。
ATEM Television Studio HDは、放送コントロールパネルを内蔵したプロ仕様のライブプロダクションスイッチャー。フォーマット変換機能を搭載した8つのSDI入力、2つのAux出力、4つのクロマキーヤー、2つのダウンストリームキーヤー、SuperSource、2つのメディアプレーヤー、多数のトランジションを搭載。また、ハードウェア配信、収録、オーディオミキサー、トークバック、マルチビュー、オプションの内部クラウドストレージなど、テレビスタジオの機能を完全搭載。ISOモデルでは、8つの入力すべてを編集用に収録できる。
コンパクトなデザインであるが、非常にパワフルな放送用機能を搭載している。放送局クラスの高度なスイッチャーで、ATEM Advanced Chroma Keyer、Fairlightオーディオミキサー、DVE、グラフィック用のスチルストアなどを使用可能。機能の多くはフロントパネルで操作できるが、Mac/Windowsで無償のATEM Software Controlを使用すれば、より多くの機能にアクセスできる。いろいろ試してみるうちに、誰でもハイエンドの放送品質の生番組を作成できる。
ディゾルブなどのトランジションや、ディップ・トゥ・カラー、DVEスクイーズ、DVEプッシュなどのエフェクトを選択できる。また、DVEを追加して、カスタマイズしたグラフィックによるピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトの作成も可能。アルファチャンネル付きのグラフィックを、タイトルまたはグラフィック用としてメディアプレーヤーに保存し、ライブビデオ入力としてロードして、ライブ配信できる。
スイッチャーとコントロールパネルがひとつのユニットに統合されており、極めてポータブル。フロントパネルのボタンでは、ソースの選択、トランジションの開始、ビデオエフェクトの設定が可能。また、トランジションをマニュアルでコントロールできるTバーも搭載。フロントパネルには革新的なオーディオミキサーコントロールがあり、専用のLCDにはライブメーターが搭載されている。
3G-SDIビデオ入力を8つ搭載しているため、複数のカメラを接続し、様々なアングルからパフォーマンスを捉えられる。Blackmagic Studio CameraやBlackmagic URSA Broadcast G2など、SDI出力を搭載したビデオカメラは、低照明条件での性能に優れ、プロ仕様のレンズを使用するため、遥かに高い品質の映像を撮影できる。それぞれのビデオフォーマットが異なる場合でも、全ビデオソースがスイッチャーに再同期される。ロケ先でのセットアップも簡単で、シンプルに機能するので技術的な心配は不要であるとしている。
ATEM Television Studioの強みのひとつが、内蔵された多彩なプロ仕様ビデオエフェクトである。ビデオエフェクトのトランジションは、Tバーフェーダーを使用するか、AUTOボタンを押して自動的に実行可能。様々なSMPTEワイプのほか、ビデオソース間をトランジションする際に、イメージを画面外にスライドまたはスクイーズさせる楽しいDVEエフェクトなどもある。
内蔵のメディアプールには放送品質のグラフィックおよびアニメーションを保存でき、同じく内蔵されたメディアプレーヤーで再生可能。最高の品質を得るために、すべてのメディアがアルファチャンネル付きのRGBカラースペースをサポートしており、透明化とレイヤリングが可能である。メディアプールには20個までのHD解像度スチルを保存可能。アニメーションやスティンガーに使用するモーショングラフィックスのクリップは、720HDで400フレーム、1080HDで200フレームまで保存できる。
ATEM Television Studioは、グリーンバックのキーイングを行えるATEM Advanced Keyerを4つ搭載しており、ニュースやオンセットでのプレゼンテーションに適している。クロマキーヤーは、背景色をサンプリングしてキーパラメーターを自動生成できるカラーピッカーなどの機能を搭載。エッジやフレアを正確にコントロールでき、フォアグラウンド用のカラーコレクターを搭載しているため、フォアグラウンドレイヤーとバックグラウンドレイヤーをマッチさせて、シームレスな合成を作成できる。キーヤーは、パターンキーやDVEキーにも使用できる。
ATEM Television Studioは、DVEに加えて、SuperSourceマルチレイヤープロセッサーも内蔵。SuperSourceでは、4つのDVEレイヤーと1つのバックグラウンドレイヤーが、1つの入力ソースとしてレイヤーされる。SuperSourceは、複数のピクチャー・イン・ピクチャーを表示したい場合に最適で、1つのグラフィックを背景にインタビューを受ける複数の人を配置して表示できる。
ATEM Television Studio HDは、8つの独立した3G-SDI入力を搭載しており、各入力にそれぞれ専用のフォーマット変換機能がついており、あらゆる1080pまたは720HD入力ソースを、スイッチャーのビデオフォーマットに変換可能。
ATEM Television Studioは、3G-SDIプログラム出力を9つ搭載しているので、プログラムリターンフィードをすべてのカメラに送信できる。SDIプログラムリターンは、タリー、トークバック、コントロール情報をカメラに送信するので、全カメラに接続できることは重要である。また、ステージモニターおよびマスターレコーダー用に2つのAux出力も搭載。カメラのモニタリング用には、マルチビュー専用の3G-SDIおよびHDMI出力がある。
ATEM Television Studio HDは、Fairlightオーディオミキサーを内蔵しており、複雑なライブのサウンドミキシングを実行できる。内部ミキサーは全SDI入力用に十分なチャンネル数があり、XLR、RCA、MADI入力用にも予備のチャンネルがある。各入力チャンネルに、6バンドの高品質パラメトリックEQ、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲート、レベルおよびパンコントロールを搭載。オーディオミキサーは、フロントパネルから専用のオーディオミキサーコントロールおよびLCDを使用して調整できる。
ATEM Television Studio HDはプロ仕様のマルチビューを搭載しており、すべてのビデオ入力、プレビュー、プログラムを1台のSDIまたはHDMIモニターで確認可能。各カメラのビューには、オンエア状態が確認できるタリーインジケーターが表示される。また、各ビューのラベルはカスタマイズ可能で、それぞれのオーディオメーターも表示される。マルチビューのレイアウトは、最大16個まで同時に表示でき、自由にカスタマイズ可能。
ATEM Television Studio HDは、ハードウェア配信エンジンを内蔵しており、世界中の人々に対してライブ配信できる。つまり、YouTubeやFacebook、Twitchなどのサービスに、高品質かつコマ落ちなしでライブ配信できるのだ。配信はインターネットへのイーサネット接続で行うか、スマートフォンに接続してモバイルデータを使用することも可能。
ATEM Television Studio HDは、外付けUSBフラッシュディスクへの収録に対応。オプションでM.2フラッシュディスクを取り付けている場合は、内部クラウドストレージに直接収録できる。内部ストレージおよびあらゆるUSBディスクは、ローカルイーサネット・ネットワークで共有できるので、他の作業者も編集、カラーコレクション、グラフィックの準備などのポストプロダクション作業に参加できる。収録はすべてH.264フォーマットとAACオーディオで行われるので、放送品質のビデオが小さいファイルサイズで得られる。また、エキサイティングなアペンド収録にも対応しており、前に使用したファイルに収録を再開できるので、納品するファイルが1つですむとしている。
USB接続はウェブカムをエミュレートするので、あらゆるビデオソフトウェアとATEM Television Studio HDを使用できる。コンピューターに接続するだけで、ウェブカム対応のあらゆるビデオソフトウェアで作業可能だ。つまり、あらゆるビデオソフトウェアとの互換が保証されており、フル解像度の1080HD品質が得られる。
ATEM Television Studio HD ISOは、すべての入力を個別のビデオファイルに収録できるので、ライブイベントの編集が可能。8つのビデオ入力ごとにタイムコードおよび同期が一致した個別のファイルが得られるほか、プログラムビデオも個別のマスタービデオファイルとして収録される。これらのファイルは、マルチカム編集に対応したあらゆるNLEソフトウェアで編集できる。DaVinci Resolveプロジェクトファイルも保存され、各入力のビデオファイルにリンクされ、ライブで行なったスイッチングが編集タイムラインに変換され、クリックして簡単に開くことができる。
ISOモデルは、DaVinci Resolveプロジェクトファイルをサポートしているため、編集、カラーコレクション、VFX、オーディオミキシングを含む完全なポストプロダクションが可能。プロジェクトを開くと、ライブプロダクションが編集タイムラインとして表示される。Ultra HDで仕上げたい場合は、Blackmagic RAWカメラファイルに再リンクすることも可能。
ATEM Television Studio HD ISOモデルのもうひとつのエキサイティングな機能が、リモートカメラへの接続で、Blackmagic URSA Broadcast G2、Blackmagic Studio Camera 4K Pro G2、Blackmagic Studio Camera 6K Proカメラを、H.264で直接スイッチャーに、ライブ配信できる。カメラコントロールおよびタリーも使用できる。プログラムオーディオもカメラに送信されるので、生放送のインタビューに適している。
ATEM Software Controlを使用すると、ATEM Television Studio HDの全機能にアクセスできるようになり、同スイッチャーの能力がさらに開放される。ATEM Software Controlのユーザーインターフェースはスイッチャーを視覚化したもので、パラメーターパレットで調整を実行できる。ATEM Software Controlを使用することで、ライブスイッチング、オーディオのミキシング、カメラ内でのカラーコレクション、メディアの管理が可能。複雑なマクロを構築して使用することもできるとしている。
ATEM Television Studio HD8の機能
- コントロールパネルを搭載したオールインワン型のスイッチャー
- 8台までのSDIカメラを接続可能
- プロ仕様の多彩なビデオエフェクトに対応
- スチルおよびモーショングラフィック用の内部メディア
- 4つのATEM Advanced Chroma Keyerでグリーンバックの作業が可能
- 4つのDVEに対応したSuperSourceマルチレイヤー・プロセッサー
- フォーマット変換に対応した8つの3G-SDI入力
- 9つの3G-SDIプログラムビデオ出力、2つの3G-SDI Aux出力
- リミッター、コンプレッサー、6バンドEQなどに対応したオーディオミキサー
- 16通りのマルチビューで、単一のモニターで全カメラをモニタリング
- イーサネット経由、またはUSB接続した携帯電話経由でライブ配信
- USBフラッシュディスクまたはオプションの内部クラウドストレージに収録
- USB出力はウェブカムとして認識され、あらゆるビデオソフトウェアを使用可能
- ISOモデルは全入力を収録して後から編集可能
- ISOモデルはDaVinci Resolveプロジェクトファイルを収録。
- ISOモデルはリモートのインターネット接続カメラをサポート
- 無償のATEM Software Controlを同梱(Mac/Windows対応)
- 13ヶ国語のユーザーインターフェース
- ATEM Microphone Converterでオーディオ入力を拡張
◉製品情報
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemtelevisionstudiohd
ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp