ブラックマジックデザインは、SeeBoundlessがアマゾン熱帯雨林の初の大規模な3D拡張現実(AR)の制作にBlackmagic eGPU Proを使用したことを発表した。TIMEのアマゾン森林伐採に関する特集記事の一環として作成された同モデルの構築のために、SeeBoundlessは、日々Blackmagic eGPU Proを使用して、数千におよぶイメージをアマゾンの撮影地でつなぎ合わせる作業を行った。

SeeBoundlessは、技術、デザイン、制作・配信を一手に担う企業で、同社の没入型映像の制作および写真測量法は、世界各地の報道機関、教育機関、その他の団体により使用されている。2016年、同社はThe Weather Channelおよびワシントン・ポストと共に、360度の映像制作の標準化技術と履行方法の開発を始め、近年、世界各地のニュース配信機関、非営利団体、財団法人などに対して、移動型のAR制作サービスの提供を始めた。

同社は、先日TIMEにより、地面から木々の最上部までを捉える、広範に及ぶアマゾン熱帯雨林の写真測量ARモデルの作成を委託された。SeeBoundlessのモデルは、TIME誌、同誌のウェブサイトおよび没入型の新アプリTIME Immersiveで紹介され、自由に動き回ることが可能な高解像度のバーチャル熱帯雨林を通じて、逼迫するアマゾンの現状と森林破壊による影響が読者に伝えられた。

このモデル作成のために、同社はアマゾンで地上のショットと木々の最上部からの空中ショットの撮影を行った。このプロジェクトのために、創始者のスティーブ・ジョンソン(Steve Johnson)氏が率いる同社のスタッフは、移動型のAR制作およびポストプロダクション・ワークフローをゼロから構築した。これには、ドローンと地上カメラが使用された。

「弊社のアプローチは、衛星や地上600mから撮影する他社の手法とは極めて異なっています。弊社では、地上で撮影を行います。このプロジェクトでは、木々の最上部からのショットも撮影しました。これらのショットを使用して、ディテールを完全に維持した、高解像度の360度ARモデルを構築します。これにより、自然の美しさ、偉大な建造物、最新ニュース、原寸の歴史的な遺物、芸術作品などをリビングルーム、携帯電話、ラップトップから手に取るように体験できます」と同氏。

「しかし、これは簡単なプロセスではありません。わずか数年前までは、ロケ地で撮影したフッテージをポストプロダクション会社や弊社のラボまで持ち帰り、イメージをつなぎ合わせる必要がありました。この作業が、Blackmagic eGPU Proの導入により変わりました。MacBookに接続することで、追加で必要となるパワーが得られるので、ロケ先で数百万に及ぶイメージポイントをつなぎ合わせる作業を始められるようになりました。小型で持ち運びが簡単に行えるだけでなく、多大な処理パワーを搭載しています」

と同氏は説明する。

アマゾンでの移動と撮影を行うにあたり、同氏とスタッフは機材を極めて軽量にする必要があった。ワークフローは、20メガピクセルのカメラ、複数のドローン、ラップトップ、Blackmagic eGPU Proで構成され、ペリカンケースに収められたこれらの機材により、デスクトップを必要とするレベルのグラフィックをあらゆる場所で扱えるようになった。

作業としては、ロケ先に到着すると、撮影する領域の綿密な計画を立て、グリッドとドローン用の地図を作成し、その領域を10度ずつの角度から撮影するための方法を練り上げ、それを基に撮影を行うという手法が取られた。

「撮影における課題は、木々や森林破壊の影響を広い範囲でいかに捉えるかということと、止めどなく動き続ける木々の上端部分をどうやってキャプチャーするかということでした。毎日1000から1500に及ぶイメージを撮影したのですが、Blackmagic eGPU Proのおかげでこれらをロケ地でつなぎ合わせることができました」と同氏。

「eGPUを使用することで、パターン通りに飛行させて捉えた映像をその日のうちにつなぎ合わせられました。アマゾンでの撮影は非常に多くの困難が伴いました。予期しないようなことが、いつでも起こり得る状況だったので、巨大なパノラマショットを撮影し、すばやくつなぐ必要があると分かっていました。鳥がドローンをつついて追い出そうとするというようなことも起きたので、全てをBlackmagic eGPU Proで保存できたことには助けられました」

と同氏は締めくくった。

 

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