ブラックマジックデザインは、ホラー映画、「Alone With You(原題)」が、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2およびBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラを使用して、Blackmagic RAWで撮影されたことを発表した。インディーズのスリラーである「Alone With You」は、ほぼ全編が、一箇所の狭いロケ現場で撮影された。編集およびグレーディングにはDaVinci Resolve Studio編集/カラーグレーディング/VFX/オーディオポストプロダクション・ソフトウェアが使用され、緊張感と不安感の高まりを演出した。

同作では、ある女性が、ガールフレンドとのロマンティックな再会の準備をしているが、アパート内の声や幻覚により、彼女が直面したくなかった真実が明らかになっていく。閉所恐怖症を題材にしたこのホラー映画は、ジャスティン・ブルックス(Justin Brooks)氏とエミリー・ベネット(Emily Bennett)氏が脚本・監督を務めた。ベネット氏はバーバラ・クランプトン(Barbara Crampton)、エマ・マイルズ(Emma Myles)、ドラ・マディソン(Dora Madison)らと共に同作に出演もしている。同作はファンタスティック・フェスティバルでプレミア公開された。さらにDark Star Picturesにより劇場公開され、2022年2月よりビデオ・オン・デマンド(VOD)でも配信される。

同作は、ほぼすべてNYのブルックリンにあるアパートメントで撮影されたが、ストーリーが進むにつれ、この場所自体が不確かなものになっていく。撮影監督、エディター、カラリストも務めたブルックス氏は、同作のAカメラとしてURSA Mini Pro 4.6K G2を使用し、追加映像の撮影にはPocket Cinema Camera 4Kを使用した。特にアパートメント内の狭いスペースでPocket Cinema Cameraが活躍したという。

「3日間だけ野外で撮影しましたが、それ以外はすべてニューヨークシティのアパートメントで撮影しました。そのため、スペースが非常に貴重でしたね。コンパクトなPocket Cinema Camera 4Kでなければ撮影不可能だったショットもいくつかあります」

ベネット氏は説明する。

「主人公目線に寄せるために、多くのシーンは主観的なフレーミングになっています。彼女の世界はゆっくりと狭まって行きますが、狭いスペースでカメラを使用できることで、これを実現できました」

「スペースに限りがあるため、大型の照明器具を使用したくなかったので、より実用的な照明を採用しました。シャドウや暗い部分は非常に重要なので、ハイダイナミックレンジに対応していることが最優先でした」

ブルックス氏は続ける。

「この作品は、記念日で気分が高まった主人公の気持ちを表すように、オープンで魅力的な温かい雰囲気で始まります。ストーリーに陰りが出て、主人公が追い詰められるにつれて、フレームやアパートメントも闇に包まれていきます。最後には、彼女の世界を完全に排除し、懐中電灯の光だけの暗闇にしました。カメラのラティチュードのおかげで、作品の暗さを簡単に調整することができましたね。Blackmagic RAWで撮影したのですが、どれだけ暗くても、柔軟に作業できるイメージを得られると常に確信を持って撮影できました」

ブルックス氏はまた、この撮影を可能にしたのは、カメラの使いやすさと、Blackmagic OSであると語る。「『Alone With You』は、私一人で撮影しました。他に撮影スタッフがいなかったので、ワンマンですばやく使用できることが非常に重要でした。URSA Mini Pro 4.6K G2とPocket Cinema Camera 4Kはどちらも機能的に配置されており、Blackmagic OSは群を抜いていますね。」ブルックス氏は説明する。「カメラの使いやすさや直感的な操作性により、大きな違いが出ます。私は常に、フレーミングや演技に集中でき、機材が足を引っ張ることはありませんでした。これは私にとって何よりも重要なことです」

カメラの画質をフル活用するために、ブルックス氏は同作をBlackmagic RAWで撮影した。これにより、DaVinci Resolve Studioで編集やカラーグレーディングを行う際に、シームレスなワークフローを実現できたという。

「撮影からポスプロまで、Blackmagic Designのワークフローがなければ、たった2人のスタッフで ーそのうち1人は役者も兼ねていたのですがー、 『Alone With You』を作成することはできなかったでしょう。LUTを作成してカメラに読み込めたので、ポスプロで使用するフッテージの正確な品質を確認でき、グレーディングで早いスタートを切ることができました。DaVinci Resolve Studioでは、撮影中にすばやくアッセンブリーカットを作成し、ポスプロのプロセスをしっかり管理できました」とベネット氏。

「DaVinci Resolve Studioは、ネイティブのBlackmagic RAWフッテージを簡単に扱うことができます」

ブルックス氏は続ける。

「アプリケーションが不安定になることなく動作するのは、とても新鮮でした。特に、多くの作業をしている際に、アプリケーションを切り替えなくてすむので時間を大幅に節約できました」

「DaVinci Resolve Studioのエディットページを使ってタイムラインを作成し、これらのタイムラインを使ってマスター編集を行いました。カメラのBlackmagic OSと同様に、すべてが非常に直感的です。機能が足りないと感じたり、ツールを探したりすることはありませんでした。また、DaVinci Resolve Studioのビンや、フッテージの管理システムは素晴らしいですね」

最終的な編集は、DaVinci Resolve Micro Panelでグレーディングされた。「DaVinci Resolve Micro Panelのおかげで、色を詳細に微調整でき、またシャドウとハイライトを連携して調整することができたので、常に適切なバランスを保つことができました。3つ目の場面は、ほぼすべて懐中電灯の光源だけで撮影したのですが、DaVinci Resolve Studioのノイズ除去機能は素晴らしいですね。Power Windowを使ってスキントーンをロックした際も、シャドウに冷たいグリーンのタッチを加えた際も、DaVinci Resolve Micro Panelを使用することで、指先ですべてを適切に操作できました」

「一棟のアパートメントだけで世界観を作り上げたかったので、登場人物の心の動きと共に変化するカラーや、また、恐怖を隠すための濃い影が必要でした。ツールに左右されずにストーリーを作ることが必要でしたが、Blackmagic Designのおかげでこれを実現できました」

ブルックス氏は最後こう結んだ。

 

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