Blackmagic Designの発表によると、株式会社東京サウンド・プロダクションがスタジオの増設にあたり、Blackmagic Designの製品を数多く導入した。

導入された製品は、Universal Videohub 72、Smart Videohub 40×40、Videohub Smart Control、MultiView 16、ATEM Television Studio HD、DaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Mini Panel、HyperDeckStudio、Audio Monitor、UltraStudio HD Mini。

株式会社東京サウンド・プロダクションは、都内7箇所にスタジオおよびオフィスを構える主にテレビ番組やビデオソフト企画の制作などに関わる制作プロダクション。

昨年夏の合併を経て、EXスタジオに新フロアを増設。新フロアには、リニア編集室が2部屋、ノンリニア編集室が2部屋、MA室とマシンルームが各1部屋となっり、ノンリニア編集室に「DaVinci Resolve Studio」および「DaVinci Resolve Mini Panel」が導入されている。編集課テクニカルマネージャーの小池周平氏は語る。

「今回新設するにあたり、DaVinci Resolve Studioを導入したのは、Fairlightが搭載され、編集、グレーディング、MAまで全てを、今後一つのソフトウェアで行えると思い選定しました。編集と、MAのソフトが異なることで、どちらかがバージョンアップすると、どちらかが対応しないなどといったことが頻発していました。DaVinci Resolve Studioは、一つのソフトウェアで完結することができる最先端のソフトウェアだと思います」

様々なOSに対応できるようMacとWindowsの両方が用意され、今後「DaVinci Resolve Studi」が主流になる時代に移行しやすい環境を作く狙いがあるという。

マシンルームに導入された「Universal Videohub 72」および「Smart Videohub 40×40」が、ルーティングの中心となっている。編集課チーフの室井智之氏は語る。

「ノンリニア編集室が2部屋あり、Smart Videohub 40×40は、2部屋共通で使用しています。テレビ番組だと、テロップを入れる作業が必ず発生します。ノンリニアだと、ファイルベースなので、どうしてもベースバンドで出すことが難しく、仮にテロップを当てるという場合にも、ファイルを書き出して、お客様に確認をしていただく必要があります。しかも修正が必要になった場合に、もう一度同じ作業を行わなくてはいけません。そこで我々はATEM Television Studio H」を使って、テロップをキーイングしています。SmartVideohub 40×40に、編集ソフトからのビデオ出力と、テロップを入れるためのフィルとキーの出力をルーターに組み込み、ルーターからのアウトをスイッチャーで仮合成をしてから、それをお客様に見せるという流れにしています。これで作業効率が上がりました。修正が必要になった場合にもリアルタイムで変更できるシステムになっています」

Smart Videohub 40×40は、PC上でのコントロールも可能ですが、手元でコントロールできるVideohub Smart Controlがあれば、毎回アプリケーションを立ち上げる手間も省け、一発で直感的に、ルーティングを組めるので、必要不可欠に感じています。Videohub Smart ControlにはSDIのAとBとリモートを一緒にアサインできる機能があるので、コントロールパネルがあったほうが作業的にとても楽です」(室井氏)

リニア編集室には「MultiView 16」が導入されており、「Universal Videohub 72」のルーティングを「VideohubSmart Control」で切り替える際には、「MultiView 16」で映像を確認している。SDIのAはメインのスイッチャーに送り、Bは「MultiView 16」に送っている。「Videohub Smart Control」でルーティングする時には、必ずMultiViewの方の出力と、本来スイッチャーに入ってくるべき出力がリンクしているという形にしている。スイッチャーには、タイムコードが表示されていない映像を入れて、MultiViewの方は、タイムコードの表示された映像をルーティングをしている。最後に室井氏はこう締めくくった。

「今回、Universal Videohub 72のシステムを導入する決断をしたのは、4年前からUniversal Videohub72を別のフロアで導入しており、使いやすさを知っていたからです。ルーティングを変えたり、別のVTRが増えても、PC上でのGUIの管理が楽なので、ストレスなく作業できています。マシンルームに導入しているHyperDeck Studioは、お客様に最後にデータで欲しいと言われた際に、一度ノンリニアのソフトで取り込む手間を省きたかったので、導入しました。編集ソフト上で出来あがったものをベースバンドで送出しつつ、ボタン一つで収録できてしまうのは大変便利です。さらにProResも含めて、DNxのコーデックにも対応しているのは、大変メリットに感じています。この2種類のコーデックに対応していることで、HyperDeckStudioは他社のノンリニアのソフトウェアとの高い互換性を持っていると思います」

▲ 左:テクニカルマネージャーの小池氏、右:チーフエディター室井氏