キヤノン、IPによるリモートプロダクションを実現する映像制作用リモートカメラシステムの4 機種を発表

▲写真左より『CR-N500』『CR-N300』『CR-X500』『RC-IP100』

キヤノンは、IPによるリモートプロダクションを実現する、映像制作用リモートカメラシステム4機種『CR-N500』『CR-N300』『CR-X500』『RC-IP100』を発表した。発売日と価格は以下の通り。

製品名	発売日	市場想定価格
CR-N500（ブラック／ホワイト）	2021 年5 月下旬	約60万円前後
CR-N300（ブラック／ホワイト）	2021 年6 月中旬	約30万円前後
CR-X500	2021 年 7月下旬	約300万円前後
RC-IP100	2021 年 5月下旬	約25万前後

『CR-N500／CR-N300』は、業務用ビデオカメラと同等の高画質とIP対応を両立し、業務用途で求められる柔軟な画質設定が可能な屋内向け4K PTZ（パン、チルト、ズーム対応）リモートカメラ。SDI、HDMI に加え、映像制作現場で普及している「NDI|HX」に対応し、柔軟なシステムを構築することができる。また無償提供するPC 用ソフトウエア「リモートカメラコントロールアプリ」を使用することで、PC からIP ネットワーク上の複数のカメラを制御でき、従来、カメラごとに必要だった撮影・操作の人員を減らし、少人数での撮影オペレーションを実現する。

リモートカメラコントローラー『RC-IP100』は、IP とシリアル通信の双方に対応し、「XC プロトコル」対応の『CR-N500／CR-N300』に加えて、シリアル通信対応の屋外向け4K PTZ リモートカメラ『CR-X500』も遠隔制御でき、最大100 台のカメラによるシステムを構築できる。撮影場所から離れた場所でも、屋内外に設置されたカメラを制御できるため、幅広い撮影シーンに対応できる。

CR-N500／CR-N300の主な特長

▲CR-N500（写真左）、CR-N300（写真右）

１．高精細な4K 映像を実現するキヤノンのビデオシステムを搭載（CR-N500）

・光学15 倍ズームレンズ、1.0 型CMOS センサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV6」など、業務用ビデオカメラと同じキーデバイスを採用。焦点距離約25.5mm～約382.5mm相当の全ズーム域で高画質な4K（3840×2160）／30P、フルHD／60Pの映像を撮影可能。

・動画撮影に適したAF 動作と高い追従性を有する「デュアルピクセル CMOS AF」を搭載し、素早く自然なピント合わせが可能。フレーム単位で高い精度を求められる4K の様々なシーンにおいて撮影をアシスト。

・0.1 度／秒刻みの高精度なパン、チルト駆動機構とズームを連動させたスムーズなPTZ 動作を実現。低速から高速まで滑らかな速度変化により、遠隔制御時もスムーズな操作性を実現。

・映像制作用の業務用ビデオカメラで定評のある画質調整機能を搭載。撮影シーンや演出意図に応じて、高品位な画づくりが可能。

２．小型ボディーながら4K／30P の映像撮影に対応（CR-N300）

・光学20 倍ズームレンズ、1/2.3 型CMOS センサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV6」を
搭載。焦点距離約29.3mm～約601mm相当の全ズーム域で高画質な4K／30Pの映像を撮影可能。

・本体の大きさは約154mm（幅）×約164mm（奥行き）×約178mm（高さ）と、小型ボディーを実現。

・「ポートレート、スポーツ、ローライト、スポットライト」の4 種類のシーンモードを搭載し、撮りたい被写体に適した撮影モードを選択可能。被写体に応じたシーンモードを選ぶことで、細かな設定をすることなく撮影ができ、印象的な映像表現が可能。

・0.2 度／秒刻みの高精度なパン、チルト駆動機構とズームを連動させたスムーズなPTZ 動作を実現。
低速から高速まで滑らかな速度変化を達成。

・USB 通信の標準規格「UVC（USB Video Class）」に対応し、「USB」接続時はフルHD／12P の
画質で映像出力可能。PC と本体をUSB ケーブルで接続するだけで、WEB 会議用のカメラとして
使用できるなど幅広い用途に対応。

３．さまざまな映像出力フォーマットや有線・無線によるIP リモート制御

・映像はIP ストリーミング（4K／30P）、3G-SDI（フルHD／60P）、HDMI（4K／30P）に対応。ネットワークを使ったシステムに接続可能。

・「NDI|HX」接続に標準対応し、スイッチャーやメディアサーバーなどネットワーク上のNDI対応機器と接続可能。IP による効率的なライブビデオ制作に対応。

・リモートカメラコントローラー“RC-IP100”（別売り）や無償提供するPC 用ソフトウエア“リモートカメラコントロールアプリ”に対応。

・カメラのPTZ の軌跡を記録するトレース機能を搭載。カメラに記録されたPTZ の軌跡を呼び出し、ボタン操作一つで、事前に記録しておいたカメラワークを再現でき、ワンマンオペレーションの実現に貢献。

・IP リモートコントロールにより、遠隔地からのカメラの設定・制御など、IP をベースにしたシステム構築が可能。

・LAN ケーブルによる接続の他にWi-Fi 接続により、スマホやタブレット端末からカメラの設定ページを操作可能。さらに、PTZ やプリセット位置の呼出しなどの操作ができる赤外線リモコン「WL-N01」が付属。

CR-X500の主な特長

１．高精細な4K 映像を実現するキヤノンのビデオシステムを搭載

・階調を整えるなどの簡易なカラーグレーディングに好適なLog ガンマ「Canon Log 3」を搭載。

・光学15 倍ズームレンズ、1.0 型CMOS センサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV6」など、業務用ビデオカメラと同じキーデバイスを採用。焦点距離約25.5mm～約382.5mm相当の全ズーム域で高画質な4K（3840×2160）／60Pの映像を撮影可能。

・動画撮影に適したAF 動作と高い追従性を有する「デュアルピクセル CMOS AF」を搭載し、素早く自然なピント合わせが可能。フレーム単位で高い精度を求められる4K のさまざまなシーンにおいて撮影をアシスト。

２．幅広い屋外の設置環境に対応する耐環境性能と小型軽量設計

・国際電気標準会議が定める水や異物侵入の保護等級の規格「IP55」準拠の防じん・防滴性能を達成。粉じんが内部に侵入しにくく、若干の侵入があっても正常運転を阻害しない「防じん性能5 級」、あらゆる方向からの噴流水でも有害な影響を及ぼさない「防滴性能5 級」に相当。高い耐候性により屋外の設置環境にも対応。

・リモートカメラ本体の大きさは約337mm（幅）Å~約386mm（奥行き）Å~約390mm（高さ）、質量は約17kg と持ち運びができる小型軽量設計を実現。

・強風時にもブレを軽減した撮影ができる「防振機能」を搭載。

３．4K／60P の映像出力への対応とシリアル通信による遠隔制御

・4K の映像制作に適した12G-SDI 端子を搭載し、12G-SDI 対応ケーブル（別売り）1 本での4K／60P 映像の出力に対応。

・リモートカメラコントローラー“RC-IP100”（別売り）にシリアル通信で接続可能。撮影場所から離れた場所でも、屋外に設置された“CR-X500”を制御でき、少人数での撮影オペレーションを実現。

4.BU-43Uとのおもな違い

『CR-X500』はレセプタクルのコネクタ（DC電源、RS422、12G-SDI、GEN LOCK、AUX）がそれぞれ独立したタイプとなっているめ、中継ボックス不要でシステムの構築が可能。※『BU-43U』のレセプタクルのコネクタはマルチコネクター、12G-SDIとなる。

▲CR-X500（写真左）、BU-43U（写真右）