EDIUS Pro 9ではプロジェクト設定から出力まで、HDR編集に最適化されているが、2018年4月10日から提供された新バージョン9.2ではさらに強化。待ち望まれていたHDR対応のビデオスコープが搭載された。これにより、撮影された映像のチェックや露出設定などが格段にやりやすくなりそう。同時にアップデートされるMyncも1.4になりHDR対応。プレビュー時のカラースペースをPQかHLGから選択することにより、明るさや色など、破綻のない再生が可能になった。

追加機能(リリースノートより)

EDIUS

・プライマリカラーコレクションでALEXA Cシリーズカラースペースをサポート
・プライマリカラーコレクションのカラースペースリストの編集機能を追加
・アップルProRes MXFクリップのインポートをサポート
・プライマリカラーコレクションでDJI D-Logカラースペースをサポート
・キヤノンXF-AVCクリップでHybrid Log Gamma、PQ-OOTFのオン・オフをサポート
・ソニーCineAlta VENICEで撮影したRAWクリップをサポート
・EIZO製モニターのカラーモード切替をサポート(EDIUS Workgroupのみ)
・HDR編集ワークフロー対応のウェーブフォームモニター/ベクタースコープを搭載
・マトロックスMXO2シリーズ、Mojito MAXをサポート

Mync

・インテル クイック・シンク・ビデオによるストーリーボードのH.265(HEVC)クリップへのエクスポートをサポート(インテル第6世代以降のCore iプロセッサー環境が必要)
・ストーリーボードでHDRクリップの読み込みをサポート
・GPUアクセラレーションによるキヤノン、ソニーRAWクリップのデコードをサポート
・ライブラリ、ストーリーボードでカラースペースを使用したクリップの検索をサポート
・マルチモニター環境でモニター別に設定したDPIをサポート

HDRに対応したビデオスコープを搭載

▼ウェーブフォームではYCbCrパレードとRGBパレード表示が可能になり、ヒストグラムも追加された。HDR編集用に「nits」表示に対応している。

 

▼表示をウェーブフォームだけにしたもの。「カーソル」にチェックを入れ、nitsの値を設定すると任意の輝度レベルに黄色の点線を2本まで表示できる。またプロジェクト設定にリンクしてnits単位も自動変更。HLGでは「1000nits」になっている。

 

▼プロジェクトのカラースペース設定を「PQ」に変更すると、nitsの単位は10000まで増える。同じ映像でも輝度空間は大きく異なってくる。

 

カラースペースリストの編集機能

▼ARRIやDJIのカラースペースプリセットが追加され、プルダウンメニューに表示される項目も増大。そこでシステム設定に「カラースペース」が追加され、表示プリセットや表示順を選択できるようになった。

 

MyncもHDR対応

▼「プレビューカラースペース」設定が追加。以前はBT.709固定だったがPQやHLGに変更できる。

 

▼ストーリーボード編集もHDRに対応、HDRのメタデータを付加した10bitのMP4ファイルを作成できる。