9月13日から開催されたIBC 2019での発表に合わせ、EDIUS Pro 9の最新バージョン9.5が公開されました。最大の目玉はマルチカム編集時の同期ポイントの設定に、待望の音声データを分析して同期させる「オーディオシンク」が実装された点です。

音声を使って同期させる機能の搭載としては完全に後塵を拝する形になったEDIUSですが、その分、新しいアイデアを投入しています。それは「オーディオ(マーカー周辺)」設定です。あらかじめ同期しやすいポイントにクリップマーカーを打っておくと、その前後10秒間だけを分析して同期させるので、とにかく処理が高速。

音声全体を解析する通常の「オーディオ」設定もあるので、両者を比較したところ(約44分と55分の2つのクリップを使用)、全体が「1分30秒19」掛かったのに対し、マーカー周辺では「2秒20」で終了。マーカーを設定する時間を考慮すると微妙な差ですが、長い素材を何本も扱う場合ほど有効かもしれません。ちなみに同じテストをPremiereでも試してみましたが、「3分5秒19」掛かったので、条件によるとは思いますが処理自体も速いようです。

そしてもう一つ。ポケシネ4KのBRAWファイルの読み込みと、「Film」カラースペースに対応した点も注目です。以前は読み込むこともできなかった「.braw」ファイルですが、ポケシネ4K(6Kは不可)やURSA Mini Pro 4.6K(G1/G2)に対応しました。

タイムラインに配置したBRAWクリップにプライマリーカラーコレクションを適用しますが、ソースでは自動的にメタデータを分析して、撮影時のISO設定に沿った「Pocket 4K Film Gen4 ISO***」が適用されます(写真はISO100で撮影したクリップの場合)。4.6K用やBroadcast Film用のカラースペース(Filmガンマ)にも対応します。

追加機能(リリースノートより抜粋)

EDIUS

・オーディオを同期点とした複数クリップの同期をサポート。
・アルファチャネル付きApple ProRes 4444クリップのエクスポートをサポート。
・Sony X-OCN seriesクリップのインポートをサポート。
・Blackmagic RAWクリップのインポートをサポート。
*Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KからのRAWクリップは未サポート。
・Canon RAWクリップ(Canon EOS C500 Mark IIカメラで撮影したもの)のインポートをサポート。
・Blackmagicフィルムガンマカラースペースのサポート。
・EDIUS使用中のオーディオデバイス切り替えに対応 (Windows 10のみ)。

Mync

・ループ再生をサポート (ループ再生ボタンを追加)。
・Blackmagic RAWクリップのインポートをサポート。
*Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KからのRAWクリップは未サポート。
・Blackmagicフィルムガンマカラースペースのサポート。