2016年11月に劇場公開されて以来、特にSNSで話題になり、ロングラン上映を続けているアニメーション映画『この世界の片隅に』。その長尺版となる『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が今年公開される。その公開日発表イベントが3月29日(金)、テアトル新宿で開催された。

この作品は主人公すずと、すずが嫁ぎ先の町で初めて出逢う同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋から昭和20年春にかけてのエピソードを中心に約30分間の新規映像が加えられる新バージョン。新規シーンの絵コンテは通常のアニメ作品と同じように企画当初から存在はしていたものの、それらを見直しながら復活させ、さらに新たなカットを加えている。片渕監督は、原作にはまだまだ魅力的なエピソードがあり、それを描き足すことによって、主人公すずだけではない「さらにいくつもの」人生を描きたいと考え、この度の制作に至りました。そして今作が制作できるのも、現行版を支えてくれた人々のおかげであると感謝を述べている。

昨年公開延期を発表してから5ヶ月、その公開日が発表されるイベントが開催された。片渕須直監督、真木太郎プロデューサーが登壇。まずは第2弾特報映像を上映。

©︎2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

公開日を今年の12月20日(金)とし、テアトル新宿、ユーロスペースほか全国ロードショーすると発表した。

『この世界の片隅に』は2015年にクラウドファンディングで成立したという経緯がある。今回の長尺版制作にあたっては、クラウドファンディングではなく、応援チームを募集する。具体的な金額などは5月下旬くらいに案内し、7月待つ終了予定と発表した。応援チームに入ると名刺とチラシが送られてきて、映画のエンドクレジットに名前が載る。

その後、記念撮影を行なった後、通常版の『この世界の片隅に』が上映された。会場は満員でほぼ全員がすでに『この世界の片隅に』を観ているリピーターであり、実際に公開から熱心なファンが支えられ、公開から1日も途絶えることなく、映画館が続いている。SNS時代の新しい映画の作り方、映画鑑賞の楽しみ方と言えるかもしれない。

 

『この世界の片隅に」公式ページ