ソニーは、令和2年春の褒章において紫綬褒章が授与されることを発表した。積層型多機能CMOSイメージセンサー構造の開発により、半導体産業の活性化に貢献した業績が評価された。受章者はソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第1研究部門 7部 統括部長の梅林拓氏。

同開発では平成28年度の全国発明表彰において「内閣総理大臣賞」を受賞しており、その後の発明協会推薦により、平成30年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)も授与している。また、発明協会からは今回の紫綬褒章への推薦も受けたという。

従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた積層構造のCMOSイメージセンサーの量産化に成功。この積層構造により、小さなチップサイズで大規模な回路の搭載が可能となることに加え、独立形成が可能となった画素部分と回路部分は、それぞれに特化した製造プロセスを採用できるため、小型化・高画質化・高機能化を同時に実現できる。さらに、回路が形成されたチップに先端プロセスを採用することで、信号処理の高速化・低消費電力化を図ることができる。昨今では、さらなる性能の向上により、イメージセンサーをはじめとするさまざまなセンシングデバイス(半導体素子)の高機能および多機能化を促進する基本技術として応用されている。

 

▲従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーと積層型CMOSイメージセンサーの構造比較

 

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