ソニーは、デジタルシネマカメラ最上位機の『VENICE 2』 2機種を2022年2月に発売する。ラインナップと価格(税込)は以下のとおり。

・CineAlta カメラ『VENICE 2 8K』:オープン価格(市場想定価格は6,800,000円前後)
・CineAlta カメラ『VENICE 2 6K』:オープン価格(市場想定価格は6,200,000円前後)
・AXSメモリーカードAシリーズ『AXS-A1TS66』:オープン価格(市場想定価格は528,000円前後)

『VENICE 2』 は、新開発8.6Kフルフレームイメージセンサー搭載と、6Kイメージセンサー搭載の2機種のデジタルシネマカメラ。両機は階調豊かな16bitのシーンリニアデータでの記録が可能な、同社が開発した記録フォーマットX-OCNの本体内部記録に対応することで、撮影システムの小型軽量化を実現している。

『VENICE 2 8K』は新開発の8.6KフルフレームCMOSイメージセンサーを搭載し、細部まで鮮明な高画質を実現。また『VENICE』を上回る16ストップの広大なラチチュードにより、幅広い輝度条件下でハイライトから暗部まで豊かな階調を表現することができ、奥行き感ある美しい映像や自然なスキントーンの描写を実現。

さらに両機種ともX-OCNまたはApple 4K ProRes 4444および422 HQ記録フォーマットによる本体内部記録に対応。これにより、『VENICE』とポータブルメモリーレコーダー『AXS-R7』装着時と比較して、『VENICE 2』は長さで44mmの小型化と約10%の軽量化を実現し、撮影時の機動性が向上した。また センサーの読み出しエリアを選択することで、1台で多様な映像制作用途に対応。

『VENICE 2 8K』は、フルフレームセンサーの撮像面積を最大限に活かした8.6K 3:2 30FPSによる大画面・高解像度コンテンツの制作や、8.2K 17:9 60FPSの8K番組制作、さらに多くの映画制作に用いられる撮影フォーマットであるSuper35mm相当での5.8K 17:9 90FPSや、5.8K 6:5 48FPSでのアナモフィックレンズによる撮影ができる。『VENICE 2 6K』は『VENICE』と同じセンサーの読み出しエリアに対応する。

 

▲『VENICE 2 8K』(写真左)、『VENICE 2 6K』(写真右)

▲『VENICE 2』側面

 

 

主な特長

1. 新開発8.6Kイメージセンサーにより、細部まで高精細な表現と16ストップのワイドラティチュードを実現

『VENICE 2 8K』は、新開発8.6KフルフレームCMOSイメージセンサーを搭載し、高い解像力と、細部まで繊細な描写を実現。加えて、6Kセンサーよりも更に広い16ストップのラチチュードにより、幅広い輝度条件下で階調を表現できる。これにより奥行き感のある映像や自然なスキントーンの表現が可能。

▲新開発の8.6Kセンサー

 

さらに明るい場面と暗い場面で2種類の基準感度を使い分けることができる独自のデュアル・ベースISO機能においても、基準感度ISO 800/3200と、『VENICE』よりさらに進化した高感度に対応。照明環境があるスタジオ撮影をはじめ、屋外の日没などの暗いシーンの撮影においても低ノイズで美しい映像を実現する。

▲『VENICE 2』 8Kで撮影したシーン

 

2. 本体での内蔵記録対応による小型軽量化で機動性を向上

『VENICE 2』は16bitのシーンリニアデータでの記録が可能なソニーが開発した記録フォーマットX-OCNをはじめ、Apple 4K ProRes 4444および422 HQによる本体内部記録に対応。外部レコーダーが不要になったことで長さにおいて44mmの小型化と約10%の軽量化を実現し、機動性が向上。狭い車内や航空機コクピット内、またジンバルやドローンに搭載しての撮影で力を発揮する。

▲ドローンに搭載した『VENICE 2』

 

さらに最大6.6Gbpsの高速書き込みが可能な新しいAXSカード『AXS-A1TS66』の使用時には8K 60pなど高ビットレート映像の収録が可能。

▲AXSカード『AXS-A1TS66』

 

3. イメージセンサーブロックが交換可能なデザインにより、撮影環境に応じた柔軟な運用が可能

8.6Kと6Kのイメージセンサーブロックが交換可能な設計になっており、運用に応じて様々な解像度で使用することが可能。また現行の『VENICE』 とも互換性があるため、例えば『VENICE 2 8K』 モデルは『VENICE』のセンサーブロックを付けることで6Kモデルとして使用できる。カメラ本体が変更を自動的に認識するため、ファームウェアの交換や再インストールの必要なくすぐに使うことができ、現場の撮影環境にあわせて柔軟な運用が可能。

▲センサーブロック交換時のイメージ

 

4. ユーザーの声を反映して使い勝手を向上

『VENICE 2』はデュアル・ベースISO、8ポジション光学式NDフィルター、直感的な操作性を備えたデザインをはじめ、S700プロトコルによるカメラのリモートコントロールやペイント機能の様々なパラメーターを制御できるペイントメニューなど『VENICE』の主な特長を継承しながら、ユーザーの声を反映してさらに使い勝手を向上。また以下の項目に新たに対応している。

  • 4K出力時の3D LUTに対応
  • 3DLUT処理を改善し画質を向上
  • S-Log3による映像出力時にEI値の変更結果が反映されるように変更
  • イーサネット/ Wi-Fiを介したLUT / ASC-CDLのコントロール
  • 17:9/16:9モニタリングのフルフレーム録画時にZoom to Fit 機能を追加
  • イーサネットコネクタの位置をカメラアシスタントパネルに変更
  • 12V出力コネクタをLemoコネクタへ変更
  • 内蔵マイク搭載
  • SDI 1/2からの12G-SDI出力時、SDI3/4からの3G-SDI(HD)同時出力に対応

 

 

◉製品情報
https://www.sony.jp/ls-camera/products/VENICE_2/

ソニー株式会社
https://www.sony.jp/