富士山の東方に位置し、金太郎生誕の地でもある静岡県・小山町。富士山の景観をはじめ、昭和レトロな町並み、田園風景など多彩なロケ地を有する。東京ICから90分というアクセスの良さから映画やTVCM、テレビ番組、Vシネなどでロケ地として活用されており、2015年は178本の映像作品が撮影されたという。

「スタジオタウン小山」とは

▲町が取得した旧民間研修施設をスタジオに改装中。

 

小山町では2002年から町職員によるフィルムコミッション事業を開始。シナハン・ロケハン支援、施設使用手続き代行、宿泊施設の紹介、ケータリング業者の手配、ボランティア・エキストラ等の手配などの制作支援を行なってきた。昨年6月にNPO法人「小山町フィルムコミッション」が設立し、町と連携しながら今まで以上にフレキシブルなロケ支援を展開している。

また町では、「スタジオタウン小山」構築事業を進めている。これは小山町を映像制作のメッカとすることを目指す取り組み。その取り組みのひとつとして、旧民間研修施設をスタジオ化した映像制作拠点「小山フィルムファクトリー」整備を進めている。館内では厨房や病院などのセットを建て込んで撮影が行われており、元日に放送されたテレビ朝日系列の人気ドラマ『相棒15 元日スペシャル「帰還」』もこちらのファクトリーで撮影されたという。併設の体育館をスタジオとして活用できる他、貸オフィスも設置し、映像関連のサテライトオフィスの誘致にも取り組む。隣接地には大型の撮影クルーにも対応できるホテルの整備も進む

 

▲元体育館はセットを建て込んで、ドラマや映画撮影に活用されている。

 

大学生が滞在して映画を作る「小山フィルムキャンプ」の試みも

2016年度には大阪電気通信大学と多摩美術大学が参加し、小山町で滞在制作を実施した。制作を通じて、ロケ支援の検証を行う他、地元の町民との交流も生まれ、有意義なイベントになったという。

「金太郎-Resurrection」

大阪電気通信大学の学生たちが滞在制作したオール小山町ロケの作品。シネマジャンクション2016で「アクション賞」と「審査員特別賞」をダブル受賞。監督:市田俊介

©静岡県小山町・大阪電気通信大学

 

「GoldenGirl」

多摩美術大学の5人の女性監督が制作。小山町の名物やロケ地をガーリーなテイストで紹介。町のPR映像として活用されている。

©静岡県小山町・多摩美術大学

 

企画コンペ「小山町フィルムクリエイターズアワード」大賞が決定

 

2月2日には東京・表参道スパイラルホールにてスタジオタウン小山の東京フォーラムが開催された。この日はスタジオタウン小山について説明するトークセッションが行われた他、セミプロや若手プロを対象とした映像企画コンペ「小山町フィルムクリエイターズアワード」の最終審査会が行われ、一次選考を通過した5人のクリエイターがプレゼンを行なった。大賞受賞者には映像制作準備金が授与される他、小山フィルムファクトリーの無償貸与、フィルムコミッションが制作支援を行うことで映像化をサポートする。

 

▲大賞に選ばれた岡田茂さん。女性タクシードライバーを主役に親子の絆を描く「母ちゃんタクシー」をプレゼン。

 

▲賞の予定はなかったが、急遽、小山町長賞を受賞した「現在の会」の山本あきらさん。

 

●スタジオタウン小山公式サイト

https://oyama-film.or.jp/