オンラインエディターが開発! 出演者のワイプ映像をAIで自動解析するサービス「WipeTracker」とは


 

テレビのバラエティや情報番組では欠かせない、出演者の表情を小窓で捉える「リアクションワイプ」映像。従来まではすべて手作業で各出演者を撮影したカメラ映像から切り出し、処理を行なっていた。WipeTrakerはAIによる自動処理で、撮影素材から人物の顔を認識し、トラッキングを行うことができるサービス。

 

「ワイプ入れの作業は、ただひたすら手動でキーフレームを打って、出演者の顔を切り出していく単純作業です。従来、テレビ番組のワイプ処理には1時間枠に対して6〜8時間の手追い作業が必要でした。2時間番組ですと朝から深夜までかかります。実際に使っていただいた方からは、2名体制を1名で行うことができ、さらに作業時間も短くなったと好評を頂いています。」

 

そう語るのはサービスを提供する株式会社G-CaLの小枝繁之さん。ポスプロ勤務を経て、独立後もオンラインエディターとして活動してきた小枝さんだが、自身もエディターとして活動するなかでワークフローの効率化を日々模索してきた。元々プログラミングの知識もあったため、G-CaLではプログラミングを活用した映像制作支援のサービスを展開している。WipeTrackerは、今年7月からサービスを開始し、ゴールデンの番組でも既に導入されている。最近は3時間、4時間ある特番も多いため、現場では好意的に受け入れられているという。

 

WipeTrackerの特徴

WipeTrackerは小枝さんが開発した専用ソフトに動画ファイルを読み込んで、解析するだけで出演者を顔認識し、10フレームごとに画面中央に配置する処理を行なっている。下写真のように前後左右の移動や拍手等で顔が隠れてしまった場合、マスクをかけて横向きになった場合でも追尾することができる。

 

 

また、1台のカメラに複数人の出演者が写っている場合も個別にトラッキングすることが可能だ。人数の上限はなく、解析結果は人ごとにトラックが並ぶ。

 

解析の終わったデータはxmlまたはPremiereプロジェクトファイルにて納品される。Premiere Proで展開してみると、解析が終わったデータには、10フレームごとに「アンカーポイント」のキーフレームが設定されており、解析がうまくいかない部分などは手動で調整することができる。「スケール」では、前後の動きに対して顔のサイズが一定になるように補正しており、こちらは5秒ごとにキーフレームが打たれている。

 

 

WipeTrackerの利用方法

WipeTrackerの利用方法は3通りある。主なクライアントはテレビ番組の制作会社を想定しているという。サービスの利用料は放送枠1時間につき30,000円~となっている。現地に赴いて解析を行う場合は+10,000円。WipeTrackerのWEBサイトから専用フォームで申込みができる。現在は初回トライアル(先着10名)で放送枠1時間につき10,000円のキャンペーンを実施中だ。

 

①オフライン編集後に解析

オフライン編集後に素材をストレージに入れて郵送し、解析後返送。もしくは現地に赴いて解析、その場でxmlまたはPremiere Proプロジェクトファイルで納品。

 

②収録後の素材を解析

スタジオ収録後に素材を解析し、xmlまたはPremiere Proプロジェクトファイルで納品。

 

③編集後にネット経由でデータをやり取り

オフライン編集後に、動画ファイル(mp4もしくはProRes)を書き出し、オンラインストレージ等にアップしたものを送付。解析後はPremiereシーケンスにして納品。

 

「私自身オンラインエディターとして5時間番組のワイプ調整を行なったときに、今回のサービスの開発を決意しました。こうした作業には極力時間をかけず、AIの力で効率化するべきです。同じ費用や時間をかけるのであれば、番組の構成やデザインなどもっとクリエイティブな仕事に費やすほうがいいと思っています。是非多くの番組制作者の方に使ってほしいです」

 

 

●サービスの詳細や申込み先について

https://gcal.jp/wipetracker/