◎FUJIFILM X-H1 登場!!
2018年2月15日(木)富士フイルムはミラーレスのフラッグシップ機となる「FUJIFILM X-H1」(以下、X-H1)を発表。センサーは既存機X-T2と同等のAPS-Cサイズ(約2430万画素)「X-Trans CMOS Ⅲ」を採用しつつ、Xシリーズ史上最高のハイパフォーマンス・ミラーレス一眼カメラとして同社の技術を結集して作り上げた1台。新しく開発、装備された機能内容を見ると、大きく動画撮影に目を向けた1台と言える。発売は3月1日、市場推定価格24万円前後。
またその中身の充実とともにボディは非常に高い剛性を持ち、40名以上のカメラマンがあらゆる過酷な条件下で使用してもまったくトラブルを起こさなかったという。詳しく見ていこう。
富士フイルムの写真・映像文化に対する理念と、今後の動向を語る同社の助野健児代表取締役社長。レンズ交換式カメラの中でも、2017年はミラーレスが大きく伸長し、これからもその潮流はさらに拡大していくという。
◎新開発の高剛性・高耐久ボディ、ボディ内5軸手ブレ補正、フォーカス性能や操作性も大きく向上
X-H1が今回実装した機能の特長を説明する、光学・電子映像事業部の飯田年久事業部長。
X-H1の大きな特質として、5つのポイントが挙げられる。ひとつずつ見ていこう。
<1>高剛性・高耐久ボディ
外装のマグネシウム合金の厚みを現行比で25%アップし、マウント部の取り付け構造も改良することで衝撃などの耐性を向上。104箇所のシーリングを施すなど防塵対策を充分にほどこすことで、従来より「2倍タフ」となった。また大型ヒートシンクを搭載、防塵・防滴構造とともにマイナス10度の対低温性能も持ち、より広いフィールドで活躍する。
砂漠の中など、ひじょうに過酷な中でも1度も故障やトラブルを起こさなかったこともレポート。
<2>快適な操作性
3方向に可動する背面液晶、従来比明るさ1.6倍となった電子ビューファインダー、シャッター音が静かなフェザータッチ・シャッター、天面の1.28型サブモニター等々、操作性の観点でも細かな改良を施している。
撮影設定を管理しやすい、1.28型の天面モニター。
AFボタンもシリーズで初となる搭載。
<3>進化するフォーカス性能
新しいAFアルゴリズムで現行機種より像面位相差AFの性能が向上。これによって、低照度限界が +0.5EVから-1EVへ約1.5段分拡張。その分暗所でのAF性能に貢献する。また、像面位相差AFが働く最小絞りもF8からF11へと拡大し、より撮影の自由度を上げる。
<4>新フィルムシミュレーション「ETERNA (エテルナ)」
X-H1の動画撮影は、DCI 4K(4096×2160)や1080/120pのハイスピード撮影にも対応。また4K時にも効くダイナミックレンジ400%(約12stop)も設定できる。そこに、シネマルックの落ち着いた発色と階調を持ち、シャドウトーンの表現も魅力な動画撮影に適した「エテルナ」モードを新しく搭載。
記憶色を重視し「加算の色再現」と言える写真に対し、映像はよりやわらかな階調、発色が望ましく「減算の色再現」と言えるエテルナを搭載。
プロビア、ベルビアとの設定の違いを示す図。内側の緑が今回新しく出てきたエテルナで、より大人しい設定であることが分かる。写真より長い時間見続ける動画により適したモードと言える。
<5>シリーズ初搭載、ボディ内手ブレ補正
画質への影響を懸念して、これまでOIS(レンズ内手ブレ補正)でやってきた同社が、初めてボディ内手ブレ補正に踏み切った。3軸加速度センサー、3軸ジャイロセンサー、専用プロセッサーにより、最大5.5段のブレ補正を行なうボディ内5軸手ブレ補正を搭載。
手ブレ補正機能のないレンズや、オールドレンズを愛用するユーザーから応える形での搭載だが、その採用にあたっては画に影響を及ぼさないべく、最善の対策をとった。平滑性を追求したユニットの鏡面加工や直径誤差が極小のセラミックボール、振動を吸収するショックアブソーバー、また前述した堅牢なボディもボディ内手ブレ補正の採用に貢献。最後に大事なのは高精度の加工組み立て技術だという。
◎F-Logも搭載
高色域撮影を行い、グレーディングでより自由度の高い表現を行なえる「F-Log撮影」機能。(色域はITU-R BT.2020準拠)
◎別売アクセサリーも充実
バッテリー2個を装填でき使用時間の延長とともに、熱対策の効果もはたし4K動画の記録時間を30分のばせるパワーブースターグリップ「VPB-XH1」
動画撮影にむけ、遮光性を高めるワイドアイカップ「EC-XH W」。右眼、左眼両方に対応できる
◎富士フイルム FUJIFILM X-H1サイト
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x_h1/
◎シネマレンズ 2本も6月に登場
富士フイルムは、シネマレンズながら約1㎏の軽量設計、高い光学性能を持つ「フジノンレンズ MKX18-55㎜ T2.9」と「フジノンレンズ MKX50-135㎜ T2.9」を2018年6月に発売することも、あわせて発表。Xマウントの交換レンズとしては初めてのシネマレンズとなり、これも登場が待ち望まれる。
フジノンレンズ MKX18-55㎜ T2.9 : 549,500円
フジノンレンズ MKX50-135㎜ T2.9 :599,500円
◎富士フイルム Xマウントレンズ サイト
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/index.html#cinelens