マタニティとニューボーンの写真&ムービー〜FUJIFILMの肌色再現の良さに感動する


Report◉編集部 Supported by FUJIFILM

MOVIE Maternity Log/NewBorn Logより

 

ジタル一眼でムービーが撮れるようになって、写真家がムービーを始めるというパターンはよくあるが、ムービーから入って写真にも表現領域が広げていく事例を紹介したい。今回使用したカメラとレンズは長濱さんが業務でも使用することがある富士フイルムのXシリーズだ。

 

■長濱さんの使用機材
X-T3
XF23mmF1.4 R
XF35mmF1.4 R
XF56mmF1.2R APD


 

長濱さんは、これまでウェディングムービーをメインでやってきた。そこから派生したマタニティムービーやニューボーンムービーでは、ムービーのなかから印象的な1フレームを探して書き出し、加工して、お客さんに渡していた。あくまで動画がメインだということもあるが、感覚を写真に切り替えて、いいタイミングでシャッターを押すということが難しかったからだ。

「私はディズニー映画が大好きなんですけど、思い返すと、子供の頃、ディズニー映画をビデオデッキで再生して一時停止を押してコマを送っていって、面白い瞬間の1コマを見つけたら、それをスケッチするということをして遊んでいて。流してみているときには気がつかない、いい瞬間をとどめたいということなんでしょうね」

だから、その1コマは思い切って大胆に加工する。そのうち写真としてRAWで撮ったものは色味の幅に余裕があり思うように加工できることが分かってきて、そこからシャッターを押す練習を始めた。

写真とムービーでは喜ばれるポイントが違うという。写真は光も大胆に強調したり、周りの空間を加工したりして、空間を演出していくことが楽しいし、喜ばれるが、ムービーではそこまでの加工は難しいこともあり、カラコレくらいにとどめて、音楽の魔法やストーリー性を出すことによって感動を生み出す。表現のスタイルが違うのだ。

ただ、写真の可能性も感じるし、そもそも写真の加工はすごく好きだということもあって、積極的に取り組み始めた。これまではあくまでオプションとしての写真だったが、本格的に事業としてやっていきたいという思いもあって、会社にフォトグラファーも入れた。

長濱さん個人としては、あくまで自分はシネマトグラファーだと思っている。ムービーでは広告の現場では照明も入れて作り込むことがあるが、ウェディングムービーではその場の光、自然光でしか勝負できない。写真も自然光でできる表現を追求したいという。

「幸いなことに、今の写真の方向というのが、広告写真でも自然光を生かしているものが増えているように思います。自然光に勝るものはないし、私自身、自然光が好きで、自然光を扱うのが得意なので、今回のマタニティにしてもニューボーンにしても自然光を取り込みながら撮影しました」

撮影するカメラは、富士フイルムのX-T3。同じカメラで写真とムービーを撮る。X-T3はじめ富士フイルムのXシリーズは、フィルムシミュレーションが特徴。写真とムービーは別のフィルムシミュレーションを設定することもできるし、同じにすることもできる。今回はマタニティでは、写真とムービーともにスタンダード(PROVIA)に、ニューボーンではプロネガスタンダード(PRO Neg.Std)に揃えた。レンズは、単焦点のXF23mmF1.4 R、XF35mmF1.4 R、XF56mmF1.2 R APDを用意した。

マタニティでは、写真のポートレートから始めながら、途中でムービーで撮りたいと思ったところで、お二人や周りのスタッフや声をかけることなく、動画モードに切り替えて撮影していった。手持ち撮影ということもあって、そこがとてもシームレス。写真はストロボ撮影でなく、自然光だし、カメラの操作上もダイヤルを回してモードを変更するだけなので、撮られているほうも、今、写真なのか動画なのか気がつかないうちに進行していく。最後にピンマイクをつけてもらって、インタビュームービーの撮影を行なった。

 



 

「プロネガスタンダード」が効果的

ニューボーンはさらに写真とムービーがシームレスな撮影に。赤ちゃんの動きは予想できないということもあるので、適宜、写真と動画を切り替えて撮影していく。レンズは前述の3本を用意したが、結局ほとんどXF35mmF1.4 Rのみで撮ることになった。50mm(35mm版換算で85mm)のほうが印象的な画は撮れるかもしれないが、対象との距離感にしても画角にしても、より人の目に近い感覚の35mmを自然と選んでいた。

マタニティもニューボーンも、最優先は人肌の再現力だ。長濱さんは撮れたものを見て、肌色再現の良さに改めて驚いたという。「第一印象は肌色ですね。赤みの部分がきれい。赤すぎず、緑すぎず。こういう絶妙な色を出すのは難しいと思うのですが。実は3年くらい前に美容院のプロモーションムービーで富士フイルムを使ったことがあって、そこで肌色の良さに感動したのですが、それを思い出しました」

特に好印象だったのが、ニューボーンで試したフィルムシミュレーションのPRO Neg.Std。肌色再現の階調のつながりを重視したモードということで、今回のケースにはぴったりはまった。「赤ちゃんの肌の柔らかさが本当によく表現されていて驚きました。デフォルトの状態ではなくて、シャープネスは-4、シャドウトーンは-2にして黒を少し締めています。でも基本的には色はそのままですね」

そこから写真とムービーの後処理をどうしていくか。今回はフィルムシミュレーションを優先して大胆な加工はしていないが、写真ではPRO Neg.Stdのフィルムシミュショーンをベースに、もう少し強調を加える。光が差し込んでいる感じはさらに光を足し、影の部分はさらに影を強めにする。PRO Neg.Stdからの調整はやりやすかったという。

カメラとしてもフィルムカメラっぽいたたずまいには惹かれるし、実際の操作性もダイヤル中心でわかりやすかった。フィルムルックの唯一課題があるとしたら、レンズのマニュアルフォーカスの感触。ただそれもX-T3ではリングの送りを「リニア」と「ノンリニア」で切り替えることができ、「リニア」にすることで対応できるようになった。

デジタル一眼でムービー撮影ができるようになって10年が経つ。その間、様々な周辺機器や特機が出てきて、目新しいカメラワークが実現できるようになったが、長濱さん自身最近よく思うのは、「流行りの表現に囚われないようにしたい」ということだという。カメラワークも構図の切り方も流行りを感じるが、いい映画はいつまでたってもいい映画だし、人物撮影で重要なのは肌色の再現性であり、光の扱いとそれを捉えるレンズがもたらす立体感と空気感。流行に囚われないと決めると、本当に重要なことが見えてくる。

自然光がふんだんに入る落ち着いた雰囲気のプライベートスタジオで撮影



▲ほぼ同じスタイルと写真とムービーを撮影していく。HDMIからビデオモニターに出してモニタリング。レンズはほぼXF35mmF1.4 Rを使用した。

 


▲フィルムシミュレーションはプロネガスタンダード。画質設定を上のようにチューニングした。ホワイトバランスはわずかにシフトさせた。

 

富士フイルムオリジナルのサービスでキャンバスボードにプリントしてみた

ニューボーンのスチル撮影素材は、富士フイルムオリジナルのサービスでキャンバスボードにプリントしてみたが、とても雰囲気のある仕上がりになった。

https://fujifilmmall.jp/walldecor/index.html

 

◉長濱えみな(LIFELOG Inc./ 株式会社ライフログ)
http://lifelog-japan.com/

 

ビデオSALON2019年6月号より転載