今回は、テレコムスタッフでディレクターを務める中島和浩さんにSanDisk Professional製品を試用してもらった。海外での自然科学系ドキュメンタリー番組や、国内での生中継番組を数多く手がける中島さんに、SanDisk Professional PRO-G40 SSDをメインとし、実際に国内外でのロケに投入した使用感を伺った。
取材・構成・文●笠井里香 協力●ウエスタンデジタル
『グレートネイチャー』の撮影で訪れたパプアニューギニアでは、電気も水道もガスもない場所に日本のメディアでは初となる撮影を行なった。3日間かけて現地まで移動し、発電機を船で2機運び入れるなど、撮影前から過酷な状況を潜り抜けている。
過酷な状況下での海外ロケや生中継など幅広いフィールドで様々なカメラを活用
コロナ前は『体感! グレートネイチャー』など自然科学系のドキュメンタリーや、『グレートレース』という山の中を走り続ける過酷なレースなど、海外取材を多く担当してきました。コロナ禍は国内で桜の中継や雪まつり、紅葉など生放送の現場で総合演出というまとめ役をつとめています。4Kでの撮影を行うことが多く、状況に応じて変わりますが、カメラはソニーのFX9をはじめ、FX6、FX3、α7S IIIなどを多く使っています。レースの現場では一緒に走ることもあり、AX60などハンディカムも使用しました。絶景を狙うことが多いので、基本的にはレンズ交換式がメインで、GoProやDJI Mavic 3などのドローンも使っています。
オーロラの撮影のため、アラスカへ。カナダのチームと連携し、大学の研究室内で観測を行いながらオーロラが出そうだというときに、各チームへ指示を出し、撮影に出るという指南役を担っていた。マイナス40度の世界ではケーブルが凍ってしまうため、火の周りで温めてゆっくりほどいていく。こちらのロケではSanDisk Professional PRO-BLADE TRANSPORTとSanDisk Professional PRO-BLADE SSD Magを使用した。
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スピード勝負の生中継VTR制作現場でのデータコピーもスムーズに
「生中継! みやびな京都 平安神宮の桜」はBS4KとBSプレミアムで放送された番組で、2時間の番組のなかで流すVTR撮影の現場でSanDisk Professional PRO-G40 SSDを使いました。前日、もしくは当日早朝から撮影した映像を夜の生中継には4K HDRで出す必要があるので、スピード勝負になります。時には生中継開始の20分前に準備が終わるような緊迫した現場もあります。
今回はFX9とMavic 3それぞれの撮影データをビデオサーバーに取り込み、VTR映像を編集しました。撮影データをSanDisk Professional PRO-G40 SSDにバックアップし、ビデオサーバーへ取り込み、編集・中継というフローだったのですが、4K撮影でデータ容量が大きくても、バックアップやデータ転送のスピード感も申し分なく、もちろんトラブルもありませんでした。
状況次第ではありますが、日頃のロケでは二重にバックアップを取るようにしているので、ポータブルSSDは4K撮影で常に8台前後は持参します。故障や紛失のリスクに備えて、ひとつで大容量というよりは2TBのものを複数用意するようにしています。海外ロケでは機材量を考えてもコンパクトであることはとても重要です。埃や気温など過酷な状況での撮影が多いこともあり、耐久性も欲しい。そういう意味ではSanDisk Professional PRO-G40 SSDはもちろん、アラスカで使ったSanDisk Professional PRO-BLADE SSD MagとSanDisk Professional PRO-BLADE TRANSPORTも信頼性は充分だと感じました。
●「生中継! みやびな京都 平安神宮の桜」でのSanDisk Professional PRO-G40 SSDの役割
BS4K放送での生中継。HDRにも対応するため撮影ではHLGもしくはLogで撮影した。生中継当日の早朝から昼にかけて撮影を行い、20時からの放送開始までにVTR編集を行なった。ビデオサーバーはMXF形式でないと読み込めないため、ドローンの映像はDaVinci ResolveでMXFに書き出して使用した。スピーディーな編集・バックアップを行ううえでデータの高速転送が可能なPRO-G40 SSDが活躍してくれたという。
平安神宮でのVTR撮影の模様。
SanDisk Professional
PRO-G40 SSD
1TB / 2TB / 4TB (1TB:65,780円)
対応OS:macOS 10.13以降、Windows 10以降
Thunderbolt 3(40Gbps)とUSB-C(20Gbps)のふたつの接続モードに対応し、最大3000MB/秒の読み出し、2500MB/秒の書き込みと超高速のポータブルSSD。
携行時は市販のセミハードケースを使用することが多い。実際に中島さんのMacBook Proで転送速度を見てみたところ、Thunderbolt 3接続で、毎秒読み出し2.85GB、書き込み2.86GBという超高速。45GB程度のデータを瞬時にコピーできた。
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