昨年はInterBEE直前に4KカムコーダーのPMW-F55とF5が発表され、その話題で持ち切りだったが、今年は同じ4Kでもシネマ寄りではなく、ライブ中継向けのソリューションを発表。4Kがシネマ用途からライブ、特にスポーツイベント用途に拡大していく傾向が見えてきた。2020年に東京オリンピックが決まったこともあり、スポーツイベントを4K、8Kといった高解像度映像で中継する機運が高まっているという背景もある。
FIFAコンフェデレーションカップでの4Kライブ制作実験では世界の25社以上の放送局が臨席。IBCでは2014年ブラジルでのワールドカップでの決勝を4K撮影することが決定した。決勝だけでなく、さらに増えて行く可能性はある。
とはいえ、実際の放送はHDなので、4Kカメラ2台でグラウンドをほぼカバーし、2台のカメラの歪みはスティッチングするソフトウェアでつなぎ、8K×2Kの全体映像からHDサイズを切り出すといった応用例も提案されていた。
国際会議場のソニースイートルームでは、2台の4Kプロジェクターを横に使った超ワイド映像もデモ。新しい映像表現の可能性を見せていた。
具体的な新製品としては、PMW-F55をベースにカメラシステムアダプターとベースバンドプロセッサーユニットで構成する4Kライブカメラシステム、HD/4Kに対応したマルチポートAVストレージユニット、手持ちの2/3型HDズームレンズをF55に装着するためのレンズマウントアダプター(ND/CCフィルター内蔵)など。4Kを放送局が運用するためのシステムがメイン。
業務関係では、カメラではすでに4KハンディカムのPXW-Z100、PMW-300がすでに発表されていたこともあり、新しい製品や参考出品はなかった。
モニターとしては、業界最軽量クラスの業務用有機ELモニターを発表。25型PVM-A250(693,000円)と17型PVM-A170(441,000円)。従来より大幅に薄型化、軽量化を実現し、簡単に持ち運びができるというもの。これ以外にブースでは技術展示として、さらに大型の30型の4K有機ELモニターも展示されていた。
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