小誌ライター、櫻井雅裕氏によるNABレポートをお送りします。速報では他サイトに遅れをとりますが、ポイントを押さえた、読みごたえある内容になっています。
*5月20日発売のビデオサロン6月号でダイジェストを掲載いたします。
NAB。放送機器や関連ソフトウェア、サービスに関する世界最大の展示会である。日本のInterBEEに相当するアメリカの展示会である。 今年も例年と同じくアメリカ・ネバダ州・ラスベガスにあるラスベガスコンベンションセンター(通称LVCC)で開幕した。
今年は例年に比べて、リーマンショック以降の景気停滞の影響を受け、来場者数や出展者数は少なめのようである。確かに会場内のそこかしこには、ぽこっと何もない空間や、単にソファーなどを置いて取り繕ったと思われる休憩スペース、大きなスペースで出展していながらも、何の展示もなく顧客のための休憩所と化しているブースなども一部に見受けられるものの、全体としてはやっぱり元気だ。
というのも、NABは大手ブースの数に比べて中小ブースの数が半端じゃなく多い。カメラ関係のアクセサリなど、2~3人で営業しているようなベンチャーも1小間という最小単位で多く出展している。また、これらの小さなブースはスペースは小さいものの、大手のブースと比べてお祭りムードが濃く、昼間からビール瓶(といっても小瓶です)を片手に商品説明をし、あちこちで笑い声が聞こえてくるほど陽気なのだ)
どの会社もお酒を飲んでいるわけではありません、というよりむしろ、お酒を飲んでいるブースはかなり少数派です、笑)。ブースを回って製品を撮影していたりすると、「なんだ、俺は撮ってくれないのか!?こんなにかっこいいのに!」「なんだ、お前だけずるいぞ、俺も撮ってくれよ!」という感じのノリである。写真はそんないきさつでの1枚。やはりNABは依然としてにぎわっているのだ。
来場者数が減ったことで、むしろ、例年の、モノレールの切符購入に30分、会場内で昼食のファーストフード購入に20分、シャトルバスを使えば、数十分待たされた挙句、観光バスなのに立席乗車、などといったひどい目に合わなくて良いので、来場者には不景気で良かった、と好評なぐらいである。
とはいえ、今年もモノレールの切符購入に15分、ファーストフードに10分ぐらいは待たされるし、写真の入場登録コーナーなどは、当日登録だと数十のエントリーカウンターがあるにも関わらずまっすぐに伸ばすしたら数百mもの行列となっており、待ち時間は1時間以上かかるほどだ。
そして、会場の広さも半端ではない。展示をすべて見て歩くには、初心者では会期中に見終わることが難しい。なにしろ、展示面積だけで幕張メッセ全体の4倍。展示会期はわずか3日半しかないのである。このほかにも、各種公式グッズや書籍の販売コーナー、屋外展示などもあるのだ。展示品目も幅広く、InterBEEでは見られないような、スタッフの慰労用にと、電動マッサージチェアや戦車、ヘリコプターまで展示されている。とにかく半端ではないスケールなのだ。
では、NABのおさらいはこれぐらいにして、お待ちかねの展示内容のリポートをお届けしよう。