【Test Report】JUNS HDコンプリートモデル for Adobe CS5 プレミアム


出力時間より何より、編集時のレスポンスの良さが最大のポイント


[製品カテゴリー]ターンキーシステム
[価格]668,000円(本体のみ
Test Point
●リアルタイムプレビュー性能
●EOS MOVIEで出力時間を計測


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製品概要


 ゲーム向けPCを中心として、高性能なパーツを積極的に利用したハンドメイドPCを販売しているショップはいくつかあるが、それをビデオ編集向けやクリエイター向けPCとして提供しているのがJUNSだ。この手のPCは、その時の最高性能のパーツを単に集めてきて組み立てるだけの自作PCのような作りになってしまう場合が多いのだが、JUNSは積極的なCPUのクロックアップにより、通常では手に入らない性能を叩きだしている点に特徴がある。
 今回紹介するのは、ビデオサロンとのコラボレーション製品「HDコンプリートモデル」から、6コアのコアi7を採用したアドビCS5用の「プレミアムモデル」。標準で3.2GHzの周波数を4.4GHzまでクロックアップ。6コアで4GHzを超える性能とはいかなるものかをテストした。

リアルタイム再生


 まずは、Adobe Premiere Pro CS5による、EOS MOVIEのPinP同時再生テスト。ノートPCをはじめ、普通のPCでは1画面をスムーズに再生させるのも重いと言われるEOS MOVIEだが、このプレミアムモデルは、背景ムービーの上に3×3=9つ(トータル10ストリーム)のリアルタイム同時再生を確認することができた。いくら大画面ハイビジョン時代とは言え、正直9画面をPinPすることは、通常の編集ではまずないのだが、この余裕の性能のおかげで、ビデオエフェクトによる色調整やトランジション、タイトル等々、通常の編集作業がとても快適にストレスなくプレビューできる。
 もちろん、ここまで速いと編集ソフトの操作感まで違ってくる。単にひとつのEOS MOVIEのプレビューでも、マウスでシークした際の追従性が、これまで見たことがないほどに滑らかなのだ。逆再生がかなり重いと言われるH.264圧縮においてのこの操作性の良さは筆者も初めての体験。正直、使いながら「本当にEOS MOVIEのファイルだったっけ?」と疑ってしまうほど。

高速ハードディスク転送


 この驚異的な性能を支えているのはクロックアップしたCPUだけではない。通常、チップセットやマザーボード上に搭載されているRAIDではなく、専用の高速RAIDボードを搭載。なんと贅沢にも4台のHDDを速度重視のRAID0(ストライピング)構成にすることで、約400MB/秒という、桁違いの読み込み速度を実現。このスピードの速さが、10ストリームの同時再生を支えているのだ。
 もちろん、4台のHDDをストライピングしているので、このうち1台でもトラブルを起こすと、4台分のデータが全て失われてしまうというリスクもある。この点は理解して、編集作業の素材のみ置いて、別途保存用に外付けHDDなどにコピーを置くなど、バックアップは必ずとっておこう。
 今回はPremiereしかテストできなかったが、この性能はAfter Effectsでも存分に発揮するに違いない。ハイビジョン解像度をベースに、高度な特殊効果の試行錯誤をするには、とにかく速い環境が好まれるが、そんなニーズに充分応えることができるだろう。

出力時間


 これだけの高性能となると、編集結果のレンダリング速度も期待が高まるところ。PremiereでEOS MOVIEをベースにブルーレイ向けのH.264へのエンコードをテストしたところ、なんと10分のタイムラインがほぼ10分。まるでリアルタイムエンコーダのような速度となった。エフェクトをふんだんにかけても12分台とあまり速度も落ちず、期待通りレンダリングの待ち時間を短縮できた。

総合評価


 通常、これだけの性能を手に入れようとすると、Xeonプロセッサを搭載したワークステーションを用意しなければならないが、値段がとても高い物になってしまう。このJUNSの6コアモデルもパソコンとして見ると決して安くはないが、CPUのクロックアップにより、費用対効果はワークステーションを超えるお買い得モデルと言えるだろう。

ブルーレイ用の出力設定で10分の素材を書き出し

編集素材 JUNSスタンダード4コア JUNSプレミアム6コア Core i7 2.66GHz 4コア
AVCHD 13分23秒 10分01秒 17分46秒
EOS MOVIE 13分05秒 9分43秒 17分12秒
EOS MOVIE(エフェクト) 15分29秒 11分53秒 20分28秒

同じJUNSの4コアのベーシックモデルとクロックアップしていないCore i7 4コアモデルを使って、出力時間を比較した。出力設定は「H.264 Blu-ray」>「HDTV 1080i 29.97高品質」。タイムラインの長さはそれぞれ10分。3番目のエフェクトは、3D系のトランジションに加え、ビデオ1のクリップには「3ウェイカラー補正」を全編にかけ、ビデオ2トラックの映像を「乗算」で合成した。6コアでは3割以上、高速化するのがわかる。

BDドライブにカードスロットも装備。ファンの回転数も調整できる


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SPECIFICATIONS

CPU インテルLGA1366 Core i7-980X
約4.4GHZ(6コア12スレッド)
マザーボード ASUS X58チップセット
USB3.0/SATA 6Gb/s対応
メモリー 3ch DDR3 24GB
HDD HDD/システム用 高速1TB
HDD/ワーク用 8TB RAID0 約400MB/S
RAID カード(4ch S-ATA)
グラフィック NVIDIA GeForce GTX470
Dual Monitor/CUDA/OpenGL/DVI/HDMI対応
[出力:Dual DVI]
Adobe Mercury Playback Engine対応
カードリーダー 3.5インチ内蔵カードリーダー
光ドライブ Blu-ray(R/RE/DL)/DVD±R/CD-Rドライブ
CPUクーラー 大型静音クーラー
電源 800W
ケース Antec TwelveHundred
OS Windows 7 Ultimate 64 ビット
ラインナップ Adobe Premiere Pro CS5プリインストールモデル
\788,000

■問い合わせ先 JUNS 03-5385-8123
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vsw