ブラックマジックデザインは、先日発表、発売を開始した新製品について、3月7日、プレス向けに実機を見せながらの説明を行なった。発表内容についてはこちらを参照。概要を説明したのは、ブラックマジックデザインでカメラやDaVinci Resolve周りの製品を担当する北山さん。
まず新製品のカメラ、URSA Mini Pro 4.6Kは、URSA Miniユーザーからのフィードバックを反映したモデル。これまで液晶パネルのタッチスクリーンによる設定がほとんだったが、BMDのカメラだが、URSA Mini ProはボディにENGカメラのようなスイッチ類を設けた。これでEVFを除いたまま各種設定ができるようになった。ENGカメラ同様にトグルスイッチが設けられ、F1とF2のアサインボタンにユーザーが機能を指定することができる。
光学式のNDフィルターも内蔵。またアイリスはEFレンズはボディのダイヤルで設定できるようになった。
LCDパネルは5インチから4インチになり、一部文字が小さく感じる部分もあった、液晶パネルの外側には、カメラステータスやタイムコードが表示される液晶表示部が設けられた。
また、従来は製品としてEF、PLとモデルが分かれていたが、URSA Mini Proはまず標準仕様がEFマウントであり、オプションでPLマウントを選択。自分で交換することができる。
記録メディアはCFastだけでなくSDカードも加わった。両方とも2スロット仕様で、CFastかSDかはボディのスイッチで切り替える。ProRes記録であればSDカードを使用できるので、運用コスト的に助かるケースもあるだろう。
電源スイッチはボディ上部に。ボディの外形は従来のURSA Miniと同じなので、ハンドルやショルダーユニット、EVF、Vマウントプレートなどのアクセサリーはすべて流用できる。上はアクセサリーを装着した状態。
弁当箱スタイルから始まったブラックマジックデザインのカメラは、ユーザーの要望を取り入れるうちに従来のビデオカメラ、シネマカメラのスタイルのURSA、URSA Miniに進化していったわけだが、URSA Mini Proはさらにそれが進んだかたちだ。URSA Miniも併売であり、よりENG的に使うユーザーには、スイッチやNDフィルターのあるURSA Mini Proが確実に使いやすいだろうが、制作の用途が多いユーザーの場合は、悩みどころかもしれない。
DaVinci Resolve用のコントロールパネル2機種
DaVinci Resolveには専用コントロールパネルがあるが、価格は300万円以上とかなり高価。ポスプロのグレーディングルームにしか入っていないものだった。ブラックマジックデザインには、個人のクリエイターや制作会社レベルでも使える価格帯のコントロールパネルを作ってほしいというリクエストがかなりあり、開発のプライオリティも高かったという。もう一つの要素としては、DaVinci Resolveの編集機能が強化され、グレーディングだけでなく、編集全般で使えるようになったこと。新しいパネルは、そういった新しいワークフローに対応し、編集とカラーグレーディングの両方を同じデスクでやりたいという要望に応えたものになっている。カラーグレーディングはプライマリーが重要であり、そこに時間をかけたほうがクオリティの高い映像を作ることができる。編集しながらもプライマリーのグレーディングをするために設計されたのがDaVinci Resolve Micro Panelで、ノートPCや編集画面の前にパネルをおいて作業することができる。
コントロールパネルはUSBのバスパワーで動作する。デザインがアドバンスパネルと同じであり、同じ操作品質であることにこだわった。小さいながらもプロフェッショナル版。113,800円。
Micro Panelが プライマリー向けだとすると、Mini Panelはセカンダリーにも対応するパネル。電源は別途必要だが、逆にここUSBから電源を供給できる。パネル上部に5インチのスクリーンがあり、作業内容が表示される。ウィンドウの左側でメニューをダイレクトに切り替え、右側はノードの切り替えなど。シングルモニターでも作業できるように、ワンボタンで全画面プレビューすることができる。コントロールパネルは両手のつまみ操作で直感的にできる。339,800円。
【関連情報】
3月下旬、東京、大阪、福岡で新製品を紹介するイベントが開催される。