DJIから新たに登場したスマートフォン用ジンバルOM 5。前モデルから約100gの軽量化を実現し、さらには最大215mmまで伸びる自撮り棒も内蔵。人気Vloggerの大川優介さんはOM 5をどう評価するのか? 動画とともにレビューしてもらった。

レポート●大川優介

Profile
Vlogger、映像ディレクター、エディター、写真家として活動。大学の友人とともに映像制作会社TranSeを立ち上げ、取締役を務める。ミュージックビデオやSNSのインフィード広告、企業のブランドムービーなどの制作を手がける一方でYouTubeではVlogや動画チュートリアルも公開している。クリエイターのためのオンラインスクール「your school」を立ち上げ、教育事業にも力を注ぐ。

 

こんにちは、大川優介です!

9月9日、DJIからスマホジンバル「DJI OM 5」が発売されました。ですが、昨今のスマートフォンは手ブレ補正機能の向上が目覚ましいですよね。

前モデルのOM 4からさらにアップデートしたOM 5ではありますが、スマホ自体の手ブレ補正が優秀なのに、果たしてスマホジンバルは必要なのでしょうか? ジンバルがなくても、なめらかな映像がスマホだけで撮れるのでは?

今回、DJIさんから発売前にOM 5をお借りできた(ありがとうございます!)のですが、そんな疑念も抱えながらテストしてみたファーストインプレッションをお伝えします!

 

OM 5の目玉ポイント

まずはじめに、OM 5最大のアップデートについてです。DJIのスマホジンバルシリーズには、これまでも目玉となる新機能が搭載されてきました。Osmo Mobile 3では「折りたたみ式」、OM 4では「マグネット脱着」という点がそれでした。

今回、OM 5の目玉ポイントは「延長ロッド」が内蔵されたことです!

最長215mmの延長ロッドを活用することで、思いっきり手を伸ばさなければ撮れなかったようなアングルはもちろん、ジンバルの手持ちでは撮影できなかったような映像を残すこともできます。

これまで以上にハイアングル・ローアングルが撮影しやすくなったことで、スマホ動画での表現の幅がさらに広がるなと感じました。

また、OM 5を三脚として使う際にも、この延長ロッドが高さの微調整として使えるので、撮影しやすくなった印象ですね。

 

前モデルよりもさらにコンパクトに

その他、使ってみて印象的だったポイントを紹介していきます。

まずはこの小ささに、驚きました。折りたたんだ状態だと、ポケットにすんなり入るサイズ感です。重量はOM 4が390gだったのに対して、OM 5は292g。約100gも軽くなっています。

ただ、コンパクトになった影響か、バッテリー容量はOM 5の方が少ない仕様です。駆動時間はOM 4が15時間、OM 5だと6.4時間になっていますので、撮影時は少し注意が必要ですね。

 

グリップ感に感動すら覚える持ちやすいハンドル

開封してすぐ触ってみて、コンパクトさの次に驚いたのが、想像以上にハンドルが持ちやすくなっていた点です。見た目にはさほど変化を感じなかったので、なおさら驚きました。OM 5のハンドルは、DJIからも「人間工学に基づいて設計されている」とアナウンスされていますね。OM 4まではなかった要素だと思います。持ってみて初めてわかるこの感動は、ぜひOM 5を手に取って体験してみてほしいです!

 

セルフィーのVlogでも活躍する自動フェイストラッキング

DJIのスマホジンバルシリーズではもうおなじみの「ActiveTrack」は、バージョンが4.0にアップデートされました。

トラッキングとしての機能向上はもちろん、注目の新機能が「自動フェイストラッキング」です!

これは、セルフィー(インカメラ)撮影でもOM 5が自動で顔を認識して、自分をトラッキングしてくれるという機能。実は最近Vlog熱が再燃しているので、個人的にもこれは嬉しいですね。

 

OM 5、あったほうがいいです

さて、ここまでOM 5の主な注目ポイントを紹介してきました。結論としては、やっぱりスマホだけの撮影より、OM 5があったほうがいいです! まず「手ブレ」だけに話を絞ってみても、やはりスマホの手ブレ補正が優秀とはいえ、ジンバルに載せて撮影するほうがなめらかでした。下の画像は動画のキャプチャですが、静止画でも違いがわかるのではないでしょうか?

動画の表現は奥深いので、手ブレがあったほうが、むしろいいというケースもありますが、なめらかに撮れる選択肢があるのとないのとでは大違いですよね。

また、僕はこれまで繰り返しお伝えしているのですが、スマホ撮影の良さはなんといってもその「気軽さ」です。

スマホの撮影機能が向上しているとはいえ、ハイエンド機材には劣ります。そんな中でなぜスマホを選んで撮影するシーンがあるのかというと、その気軽さが他には代えがたい魅力だからです。

ですので、スマホジンバルに求められるものは、撮影機能や撮影体験のアップグレードだけでなく「いかにスマホ撮影の気軽さを損なわないか」という部分だと思います。そういった意味でも、このOM 5は素晴らしいプロダクトではないでしょうか。

コンパクトにすることと、ハンドルの持ちやすさを向上させることで「スマホ撮影の気軽さを損なわない」という部分をしっかりアップデートしていながら、ピンポイントに機能向上も備わっています。

闇雲に機能を追加するのではなく、あくまでも「スマホの撮影機能・撮影体験を拡張するツール」だということを、しっかり意識して設計されている印象を受けました。DJI OM 5、ぜひあなたも使ってみてください!

 

●製品情報

https://www.dji.com/jp/om-5