地元のウェブCMからミュージックビデオ、演劇のトレーラーまで
EVA1を使い倒し始めたプロダクション
茨城県つくば市でブライダルやウェブCMなどを手がけているラボワット・スタジオ(http://www.laboite-std.jp)。代表の延時崇幸さんは、昨年12月にパナソニックAU-EVA1を導入した。以前AG- AF105を使っていたこともあるが、最近はデジタル一眼カメラとAG-DVX200のようなハンドヘルドカメラで現場をこなしてきた。会社の業務の半分はブライダルだが、あと半分はウェブCM、ミュージックビデオなどのプロモーション映像で、主に延時さんが担当している。
EVA1導入以来、すでに現場にガンガン投入しており、週に2、3回EVA1が稼働することもあるとのこと。その制作スタイルは非常にコンパクトで、一人、もしくは二人といった人数で、延時さんはディレクター兼カメラマン。EVA1はシネマカメラとしての扱いやすさを持ちながら、筐体が軽いのが最高だと言う。
バッテリーがもつのもデジタル一眼系と違うところで、大容量タイプであれば丸一日もつ。予備が一つあればいい。操作性も最初はボタンが少ないのが気になったが、慣れてくるとこれが使いやすいということが分かってきた。まさにラボワット・スタジオのような制作会社のためのカメラと言えるのかもしれない。
収録はこれからの4K時代に慣れたいこともあり、HD納品であっても4K、10bitで撮ることが多いと言う。ファイル形式はEVA1、サブカメラのGH5ともにMOVファイルだが、モニター兼用でアトモスのNINJA INFERNOでProRes記録することもある。
編集はFinal Cut Pro Xで行なっている。マシンはiMac 5K 27インチ、Late2015で、プロセッサはIntel Core i7 4GHz、メモリ32GB、グラフィックスはAMD Radeon R9 4GBで、最新でなくても10bitの素材を快適に編集できている。
作品によって映像のトーンは違っているが、個性はレンズ選びやグレーディングで出している。ノーマルで現代的なルックはシグマのArtシリーズで、延時さん個人的にはカールツァイスイエナが好みでミュージックビデオなどには積極的に利用している。
▲EVA1はEFマウント。レンズは主にEFマウントのシグマの18-35mm F1.8 DC HSMと50-100mm F1.8 DC HSMを使用している。フォーカスはAFは使わずマニュアル。ネットで入手できるフォーカスギアを装着することで、シネマレンズ風に使える。
EVA1とGH5ともにV-Log(L)収録できるのがポイントで、グレーディングはProResファイルを受け渡してDaVinci Resolveで。企業VPなど2カメで撮ることも多いが、ともにV-Log(L)なので合わせやすい。EVA1とGH5(S)は、レベルの高い映像を低コストで実現できる理想的な組み合わせかもしれない。
●オールドレンズも使ってミュージックビデオを撮る
parallelleapという 二人組ユニット(https://www.parallelleap.com)のミュージックビデオ「そして、少女は笑った」をEVA1で制作。回想シーンなどフレアを生かしたいときはカールツァイスイエナのオールドレンズも活用した。
●インタビュー中心のウェブCMを撮る
クルマの販売店や住宅関係など地元企業のウェブCMをEVA1で撮影した。スタッフは上の「100%新車館」では一人、下の「おうちの相談窓口」は二人で。インタビューが中心の構成。現代的なルックが求められるので、レンズはシグマのArtシリーズ18-35mm F1.8 DC HSMを。1本で単焦点レンズ並みのボケ味が得られ画角が調整できるのが便利。ノーマルなルックだが、撮影はすべてV-Logで行なった。
●演劇公演のトレーラームービーを撮る
2月には、茨城県土浦市を拠点に活動を行う社会人劇団 「劇団創造市場」(http://sozoichiba.com/sozoichiba/)の3月末の公演「Dogs 7 Days」のプロモーションムービーを制作した。3月上旬には公開した。稽古場での撮影。