ビデオサロン2020年1月号付録より転載

 

VR-50HD MKIIの特徴

●大型のタッチスクリーン
●USBから1080/60p出力可能
●ダイレクトアクセスできるパネル

 

VR-50HD MKIIのおすすめユーザー

●他業者と連携が必要な業務ユーザー
●学校(放送部)
●大きめの会議室でのセミナー収録・配信

 

▲左側がオーディオミキサー、右側が映像スイッチャーという割り振りはVR-4HDと同じ。
それぞれ入力数が増えている。特徴的なのは大きめのタッチパネル液晶で、使ってみると視認性がよく快適。

 

大きめな会議や結婚式場などの現場で映像業者が運用することを想定したAVビデオミキサーVR-50HDのMKIIモデル。これまでのユーザーの声をフィードバックして、より使い勝手を向上させるとともに、VR-1HDで採用されたビデオ・フォロー・オーディオも利用できるようにした。つまり映像業者の所有機材として本格的に運用できる一方で、会議室に置いて映像のプロではない人でも操作できるインターフェイスや機能を持っている。

下位の2台とはコンセプトが違い、佇まいは一気に業務用機器らしくなるが、大きな違いは、入力にSDIが用意されていること。これでSDI出力を持つカメラを用意しているビデオ業者との連携がしやすくなる。一方でHDMIもちゃんと残してあるので、現場によって使い分けることができる。

筐体は一気に大きくなるが、大型ディスプレイで設定をはじめてみると、そのサイズとインターフェイスのデザインのおかげで、非常にわかりやすいことを実感した。「業務」機は一見とっつきにくそうに思えるが、使い始めてみるとコンシューマーに近いモデルよりもストレスが少ない。これは長時間の配信で機材に向かいあう人にとっては重要なことだ。

オーディオミキサーもフェーダーやゲインダイヤルはもちろん、ミュート、SOLOなどパネル上に配置しているのが安心感につながる。

コンポジション関係もわかりやすい。PinPやスチルは大型の自照式ボタンになっている。キー付きの映像にPinPを2つまで重ねられるし、静止画はUSBメモリーから読み込んで本体に最大4つまで内部メモリに保存して、全てのレイヤーの上に重ねることができる。

VR-50HD MK IIは一見するとプロ向けでハードルが高そうに感じられるが、液晶ディスプレイのおかげで専門家でなくても操作できる機材。とくにリファレンスマニュアルはオールカラーで、そのインターフェイス画面をベースにして手順を図説している。これから始める人にも広く門戸が開かれているAVミキサーだと言える。

 

入出力の設定やオーディオエフェクトは大型ディスプレイで快適操作

▲HDMI4系統に加え、SDIも4系統用意された。コンポジットやRGB/コンポーネントなども入力可能に。出力はSDI、HDMIともにPGMとAUXが各1系統。マルチビューはHDMIから。廉価なHDMI入力のモニターを使いたいからこれは助かる。左右に機材を置いたり、組み込んだりすることも想定して、映像・音声の端子類はすべて背面になっているのも使用状況を把握した設計。

 

▲タッチパネルでの設定がわかりやすい。入力1を選択しているところ。SDI、HDMI、コンポジット、RGB/コンポーネントから選べる。どの入力に何を選択できるか一目瞭然。

▲音声入力は非常に豊富な選択肢が用意されている。入力1のHDMIにエンベデッドされた音声はch1ではなく、ch5/6でINPUTで「VIDEO」を選択すると、そのままステレオ音声として利用できる。ディレイやリバーブもスペースに余裕があるグラフィカルなメニューが快適。選択して右のダイヤルで調整。

 

1080/60pでストリーミング可能

▲USB3.0からのストリーミングはVR-4HDまでは1080/30pどまりだったが、VR-50HD MK IIでは60p配信が可能に。ゲーム関係の番組の配信でも利用しやすくなった。音声もここでレベルとディレイを設定。出力もBUSをメインかAUXを切り替えられるなど、ライブ配信と録画、会場とで出力音声の内容を分けたいときも、現場に合わせた運用が可能になっている。

 

 

VIDEOSALON 2020年1月号より転載