東京農工大の科学博物館で特別展「放送技術のこれまでと将来」開催中。12月15日(土)まで


東京都小金井市にある東京農工大の科学博物館にて、映像情報メディア学会と東京農工大学科学博物館主催の特別展「放送技術のこれまでと将来」が開催されている。期間は12月15日まで(10月27日から)。放送といえば、この12月1日に、新4K8K放送が始まったタイミング。これまでの放送を支えてきた技術や機材を展示し、技術の変遷を振り返りながら、今後の4K、8K放送を考えるというもの。12月8日(土)に編集部(一柳)と小金井在住で古い放送機材に詳しい岡野肇氏で(半分趣味を兼ねて)取材したので、写真とともに機材を中心にレポートしたい。(Videosalon.jpのみのコンテンツです)

科学博物館は、東京農工大の小金井キャンパス(工学部)の一番南側にある建物で、展示は、そのうち二室を使用している。展示以外に、期間中に「テレビ局の仕事体験教室」(日本テレビ協力)や「テレビ放送局編集長体験」(ニュースづくりの舞台裏/TBSテレビ協力)、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」の舞台裏など土日を中心にイベントも開催されている。取材した当日は別会場で、「テレビ放送局編集長体験」を実施していた。

過去の機材類は、放送局やNHK放送技術研究所、メーカーが保存しているものを中心に展示。TBSテレビが所有していた、かつてニュース取材で使用していた16㎜フィルムカメラ。

NHK技研が開発製造したイメージオルシコンモノクロカメラTKO-3。1956年製造。真空管式機器では当時はなかった電子回路のブロックユニット構成を採用し、簡単に分解できることから、点検保守が容易になったという。この当時は国内のメーカーがまだカメラを製造する準備が整っていなかったので、NHKが自らカメラを開発。のべ30台のTKO-3を手作りで作って、中継やスタジオで使用していたとのこと。

1968年ごろの芝電気(現 日立国際電気)製造の3プランビコンカラーカメラ。

受像機のほうで見たことがなかったのが、三菱電機のトリネスコープというもの。1964年。まるで昔の電子レンジのようなデザイン。受信されたNTSCカラー信号を3つの色信号にわけて、3つの単色ブラウン管に表示させ、その映像をダイクロイックミラーを通して光学的に合成するというもの。3板式カメラの逆のルートということか。果たしてどう見えたのか、見てみたいものだ。緑のブラウン管がまっすぐ後ろに、青がその下、赤が真下から投影される。

ずっと時代が下り、1982年前後に使われたENGカメラ群(もちろんVTR一体型ではない)。一番左がソニーの110(ひゃくとう)。単管タイプだったので、ひときわ背が低く、コンパクト。ただ単管ということもあり、画質はよくなかったという(岡野氏談)。小型のガンマイクが載っている。スイッチ配列などここから現在のENGカメラに受け継がれているという。

これ以外に撮像管のラインナップや、最初期のCCDブロック(富士フイルム)、2インチビデオテープから、ディスクまでにメディアの変遷、1991年のソニーのハイビジョンスタジオカメラなど、当時を知る人には懐かしいものが見られた。

最後のコーナーは、LGの有機ELディスプレイで、4K HDRのデモ映像を、シャープの8K液晶テレビで、8Kスーパーハイビジョンのデモ映像をリピート上映していた。(著作権の関係で写真はなし)

東京農工大学科学博物館 http://web.tuat.ac.jp/~museum/

特別展の情報はこちらから http://www.tuat-museum.org/tv

184-8865 東京都小金井市中町2-24-16
東京農工大学小金井キャンパス内
問い合わせ:042-388-7163