【CREATOR’S VOICE】SanDiskProfessionalとクリエイターのワークフロー PRO-DOCK 4 徹底活用術〜クリエイターのワークフローを大幅に効率化してくれるドッキングステーションについて、現場での活用例を紹介!


 

 

01 DIT 渡辺裕之さんの使い方

DIT(Digital Imaging Technician)としてCM撮影の現場を中心に活躍する渡辺裕之さん。DITの仕事は主に3つある。撮影現場でのプレイバックや現場グレーディング・現場編集など作品の仕上がりをイメージしながら撮影を円滑に進めるためのワークフローの構築、LUT作成や編集用マスターデータの作成など撮影部から編集部へのデータの受け渡し、そしてデータのコピーを確実に残すバックアップだ。様々なカメラが使われる撮影現場では記録メディアも多種多様。そんな現場でPRO-DOCK 4は心強い存在だという。実際にPRO-DOCK 4を現場で活用する渡辺さんにその使用例とメリットを教えてもらった。

文●渡辺裕之/写真●中野 理/構成●編集部 萩原/協力●ウエスタンデジタル

 

SanDisk Professional
PRO-DOCK 4
オープン価格(実売85,800円)
受注生産品 (PRO-READERは別売)

Thunderbolt 3対応のドッキングステーション。4ベイのPRO-READER(カードリーダー)対応スロットを搭載する。Thunderbolt 3ポートを2基、USB Type-Aポートを2基、USB Type-Cポートを2基、DisplayPortを1基、ギガビットEthernetポートを1基、3.5mmオーディオ/マイクポートを1基備える。

 

Thunderbolt 3の持つ転送速度を活かすためUSBハブは使わない

もしも、撮影時にバックアップした撮影データファイルの一部が何らかのトラブルによって欠損していたとする。バックアップ作業中にそれに気づけたのなら良いものの、後日の編集時に判明したとすれば…。あまり想像したくない恐ろしい事態だが、絶対に起こらないとは言えない事態でもある。

私が主に携わっているCMのような広告系映像の場合、SDカードやCFexpressカードといった記録メディアは、カメラなどの撮影機材と一緒にレンタルすることが大半なため、撮影の翌日にはレンタル会社に返却され、直後にメディアの中身はフォーマットされてしまう。そのため、撮影と同時に撮影されたデータの完全クローンデータを作成。破損も作成漏れもないことを確認して、撮影データを確実に守ることがDITにとって最も重要な作業である。

また、カメラをはじめ様々な映像制作機器に目を向けてみると、高性能・小型化の進化を遂げているものがほとんどである。しかしそれとは逆に、技術の進歩によって大きくなったものも存在する。それは撮影データである。かつてはフルHDが中心だった撮影データは、今では4Kを超えるような解像度が主流となり、かつハイフレームレートでの撮影も手軽となったことから、たった1日の撮影で2〜3TBのデータ量となることも特別なことではなくなってきている。

だからDITには正確かつ確実なデータコピーとともに、大量のデータ処理を限られた時間の中でスピーディーに行うことが求められている。そんな重要な作業ゆえに、私はその作業を行うPC環境に自分なりのこだわりを持っている。

現在のMacBook Proの場合、3〜4つのThunderboltポートを使って、外部ドライブやメディアリーダーを接続しなくてはならず、ほとんどの作業においてポート数が不足してしまう。そんな時に手軽にポート数を増やせるのがUSBハブだが、私は基本的にUSBハブは使用しない。USBハブはバスパワーのため電源不要で使用できるものが多く、かつ小型軽量なので便利ではある。しかしUSB接続であるがゆえに、Macの持つThunderboltの高速性能を活かしきれず、また使用状況によっては接続が不安定になることがあると感じているからである。

そこで私はMacBook Proのポート数を拡張するためには、必ずThunderbolt Dockを使用する。Thunderbolt Dockであれば、Thunderboltの高速性能を活かして、同時に複数の機器をつないでデータ転送作業等を行うことができる上に、DockからMacへ電源を供給することも可能である。

そしてもうひとつのこだわりは、記録メディアのリーダーだ。カメラと一緒にリーダーもレンタルできるが、私は特殊なメディアの場合を除いて、リーダーは自分で用意することにしている。なぜなら同じメディアであっても、使用するリーダーによっては、データ転送速度や接続の安定性に影響を及ぼすこともあるからだ。

 

PRO-READERを差し替えれば様々な撮影現場に対応できる

このような私のこだわりを満たしてくれたのが、SanDisk ProfessionalブランドのPRO-DOCK 4とPRO-READERである。PRO-DOCK 4はThunderbolt 3でMacと接続され、Thu nderbolt 3の40Gbpsという高速性能を存分に活かした作業を行うことができる。そしてPRO-READERはPRO-DOCK 4にビルトインした形で使えて、PRO-DOCK 4内部のコネクターでケーブルレスに接続されるため、安定した作業が期待できるのだ。その接続はUSB 3.2 Gen 2 (10Gbps) で、記録メディアの持つ読み込み最大速度を考えると充分な速度であろう。

各社から出ているThunderbolt Dockの中にはSDカード等のリーダー機能を備えた機種も存在する。一見すると、PRO-DOCK 4もそれらと同じように思われるかもしれない。しかしPRO-DOCK 4には、最大4台のPRO-READERを搭載でき、さらにこの4台を使い方に合わせて自由に組み替えられるという、他にはない特徴がある。

例えば長時間の長回しや、同一機種カメラの複数台使用のような、撮影済みメディアが大量に生まれるような現場では、同じ種類のPRO-READER を4台内蔵させることで、メディア4枚分を同時に読み出し、バックアップの作業時間を短縮することができる。また、多機種のカメラを複数台使用し、異なる種類の撮影済みメディアが生まれるような現場では、それぞれの記録メディアに対応したPRO-READERをPRO-DOCK 4に内蔵させることで、その都度カードリーダーの交換の必要がなくなり、常に各メディアの読み込み最大転送速度で作業ができる※。そして、いずれの場合でもPC周りのゴチャゴチャした配線がなくなり、ケーブルを要因とする接続の不安定さや誤って使用中のケーブルが抜けてしまうようなトラブルもなくなる。

※CFexpressカードを除く。

 

PRO-DOCK 4が活きる3つのシチュエーション①
撮影現場でバックアップシステムの基盤に

▲DITの仕事として重要なデータ保全とバックアップ。渡辺さんはマグライナーにシステムを組んで現場に赴く。MacBook ProにPRO-DOCK 4を介してG-RAID SHUTTLE SSDを接続。

▲PRO-DOCK 4の背面にはThunderbolt 3が2⃣基。ひとつはストレージをデイジーチェーンで接続。もうひとつはMacBookに接続し、PCへの電源供給も可能。

▲前面にはUSB 3.2 Gen 2を2基備える。現場で制作部や編集部が持ち込んだストレージにコピーする際に便利。

▲後述のカードリーダーPRO-READERをスロットに差し替えて多用なメディアの読み出しを可能にする。

CFast用のPRO-READERを4台挿した状態。マルチカメラ収録の現場で同じ種類のリーダーを揃えれば同時バックアップができてかなりの時短になる。

 

PRO-DOCK 4が活きる3つのシチュエーション②
編集の際もデスク周りがスッキリ


▲渡辺さんの編集・カラーグレーディング作業時のセッティング。MacBook ProとPRO-DOCK 4は1本のケーブルがつながっているだけ。

▲PRO-DOCK 4の背面にはDisplayPortが備えられており、外部モニターをつなぐことも可能。

▲PRO-DOCK 4前面のUSB-C端子にはストレージはもちろん、写真のようなコントロールパネルを接続することもできる。

▲PRO-DOCK 4を使用せず、SD、CFast、CFexpress(TypeB)、RED MINI-MAGそれぞれのカードリーダーをMacBook Proに同時に挿すとこうなる。

▲PRO-DOCK 4を使えばケーブル1本でMacBook Proと接続でき、前面にストレージも挿せる。

 

 

PRO-DOCK 4が活きる3つのシチュエーション③
電源の取れない現場でカードリーダーとして

SanDisk Professional
PRO-READER
オープン価格 受注生産品

 

PRO-READERにはSD・microSD・CFカードスロットを備えたMulti Card、CFexpress Type B、CFast、RED MINI-MAGの4種類のカードがある。それぞれPRO-DOCK 4に挿して使えるが、USB-CでPCと接続すれば電源不要で使えるカードリーダーに。渡辺さんいわく、従来まで使用していたカードリーダーではカード自体が持つ読み書き速度を引き出せないことがあったそうだが、PRO-READERは安定した速度で読み書きできる。

 

 

現場で役立つ絶妙なポート配置

私がこのPRO-DOCK 4を気に入った点は他にもある。多くのThunderbolt Dockが、コネクターの大半を背面に持っているのに対し、PRO-DOCK 4ではThunderboltとDisplayPort、そしてギガビットEthernetポートという、一度つなぐと基本的にケーブルの抜き差しをしないようなコネクターを背面に配置、そして前面にはUSB-CとUSB A を2基ずつを配置することで、ポータブルSSDのような作業の途中で付け外しをする機器を前面に接続でき、ケーブルの抜き差しがやりやすい。

さらにPRO-READERは、PRO-DOCK 4から取り出すと、単独でもバスパワーのUSB-C接続のカードリーダーとして使うことができるため、ロケ等AC電源の取れないような作業環境下においても、自分の信頼できるPC環境で、安心して作業することができるのだ。現場で生まれる貴重な撮影データを守るという、やり直しの効かないDITの仕事において、PRO-DOCK 4とPRO-READERは、とても信頼できる強力な相棒なのである。

 

検証・複数メディアからの同時バックアップの速度は?

PRO-READER CFas tを4基搭載したPRO-DOCK 4に、CFast2.0カードを4枚セット。4枚のカード内データを据え置き型ストレージG-RAID SHUTTLE SSD(RAID5に設定)に同時転送した。右下図のとおり、カード4枚同時転送したときの書き込み速度は1.48GB/秒となり、4枚同時高速転送することができた。また、左下図にあるG-RAID SHUTTLE SSDそのもののベンチマークテスト結果でも書き込み速度は1416MB/秒となり、この組み合わせを導入すると、現場での作業に相当な時短が見込めそうだ。

 

 

 

02 映像作家 鈴木佑介さんの使い方


1979年神奈川県逗子市生まれ逗子在住。日本大学芸術部映画科 演技コース卒業。在学中に撮られる方(俳優)から興味がシフトし、映像制作の世界へ。 TV-CF制作の撮影スタジオ勤務を経て、2004年からフリーランスの映像作家として活動。

取材・文●笠井里香/写真提供●鈴木佑介

 

ラップトップをデスクトップのように拡張してくれる
撮影現場にはPRO-READERを持ち出す

鈴木さんは主に編集時にMacBook ProやAirなど入力インターフェイスの少ないラップトップと組み合わせてPRO-DOCK 4を使用している。PCとケーブル1本で接続できて、メディアもPRO-READERを揃えれば、SDカードはもちろん、CFexpress Type B、CFast、RED MINI-MAGにも対応できる。さらに前面にはUSB-C 3.2 Gen2、背面にはThunderbolt 3端子を備え、DOCK経由でMacBookへの電源供給も可能。編集デスクをすっきりと構築できるのがこの製品の魅力だという。写真3枚目はBMPCC 6Kを3台使用した番組収録の現場。PRO-READERを持ち出し、MacBook Airと接続し、データのオフロードに使用した。

 

ポート類も増え、デスク周りもスッキリ
ハブ感覚で使うPRO-DOCK 4

WEB CMやドキュメンタリーを主戦場に人を撮ることを得意とする映像作家・鈴木佑介さん。プロジェクトごとに必要な専門家をスタッフィングするが、企画・演出・撮影・編集・カラーグレーディングまでワンストップで行なっている。そんな鈴木さんが自身のワークフローのなかでどのようにPRO-DOCK 4を使い、どんなメリットを感じているかなどを伺った。

「僕の使い方としては基本的に外には持っていかず、MacBook Proのハブという感覚で使っています。ラップトップを自宅やオフィスでは据え置きのPCのように使っている方も少なくないと思いますが、どうしても各種ポートが少なく、USBハブなどを利用して拡張していくと電源不足になり、本体給電が間に合わなくなってしまうことがあります。

PRO-DOCK 4にはThunderbolt 3、USB-C(USB 3.2 Gen 2)、USB-A(USB 3.0)が2基ずつ、ギガビットEthernetポートもあるので、これを電源につないでおき、MacBook Proと接続すれば本体への給電もでき、さらに各種ポートが使える。しかも、さまざまなリーダーなどを都度挿す必要がないので、コード類でデスク周りがごちゃごちゃすることもありませんし、ハブ的な役割としてとても良いんです。母艦というか、ガンダムでいうホワイトベースみたいなものですね(笑)。デザインもシンプルで気に入ってます。

撮影現場で使うカメラに応じて、DOCKからPRO-READERをひとつ抜いて持っていくこともあります。現場でデータを吸い出して、クライアントがバックアップを必要とする際にもすぐに渡すことができます。リーダーとしても速度的なストレスはなく、メディアの持つ転送速度をそのままに引き出せるので、信頼して使っています。PRO-DOCK 4にストレージが挿せて、RAIDのような使い方ができると、もっと幅が広がってうれしいのですが、そのあたりはファームウェアなど、今後の進化に期待したいですね」

 

 

03 映像プロダクション UW INC.押川賢吾さん・福島慎之介さんの使い方

役者としてキャリアをスタートした代表の押川さん(左から2番目)と福島さん(右から2番目)が俳優養成所で知り合い、やがて舞台を中心に映像制作を開始。2013年より映像チーム“UISHAAAWORKS”として活動。2017年6月に法人化し、社名を“UW INC.”とする。

取材・文●笠井里香/写真提供●UW INC.

 

記録メディアの異なるマルチカメラ配信の現場でPRO-DOCK 4が大活躍!

UW Inc.では2022年2月23〜26日に開催されたCP+2022において、キヤノンのライブ配信の制作・ディレクションを手がけた。カメラはEOS C500 Mark II(CFexpress Type B)とEOS C70(SDカード)全4台を使用。後日編集してYouTubeに残すコンテンツもあった。記録メディアの数が限られていたため、1日の配信終了時に各カメラで収録したデータをバックアップし、やりくりして使うことに。バックアップの際にはPRO-DOCK 4にCFexpress、MultiCardのPRO-READERを各2枚挿して、同時にバックアップを行うことでデータ転送の時間を大幅に短縮できたという。ストレージは同じくウエスタンデジタルのWD_BLACK P50 Game Drive SSDを使用した。





 

少数精鋭の現場では高速バックアップは大きなメリット

企業CM、ミュージックビデオ、プロモーションビデオをはじめ、ライブ配信にも対応し、多彩な映像の現場で活躍するUW INC.の押川賢吾さんと福島慎之介さんにSanDisk ProfessionalのPRO-DOCK 4を実際の現場で使ってもらい、その使用感を伺った。

「2月のCP+2022ではキヤノンのライブ配信の制作とディレクションを行いました。ライブ配信をしながら、後にYouTubeでアーカイブとして公開するための映像を録画していたため、カメラは全部で5台ありました。キヤノンEOS C70がメインでEOS C500 Mark IIも使用しました。配信終了後すぐに取り込んで編集しました。この時間が短縮できるのはもちろん、速く確実にバックアップができることで、PCに張り付いていなくて済むのは大きなメリットだと思いますね。少数精鋭の現場では撤収作業も自分たちで行うため、バックアップに人員を取られる必要がなくなります。記録媒体がSDカードだけでなく、CFexpress Type Bも混在していましたが、異なる種類の記録メディアがあるという状況では、PRO-DOCK 4のありがたみをひしひしと感じます」(押川)

「録ったデータはすべてポータブルSSDにコピーしていて、これまでは記録メディアをカードリーダーに挿して、1枚ずつ読み込んでいました。512GBのメディア1枚でCFexpressならば6、7分で撮影データを読み込めますが、SD UHS-IIカードなら300MB/秒の転送速度なので約30分はかかります。これをPRO-DOCK 4では記録メディアの持つ転送速度を落とさず、なおかつ複数メディアを一気にコピーできるというのがポイントです。マルチカメラ配信・収録の現場では重宝します。早く帰れるということも含めてかつてない幸せな現場になりました(笑)」(福島)

 

●製品の詳細はこちら
https://www.westerndigital.com/ja-jp/promotions/sandisk-professional/product-launch

 

 

VIDEO SALON2022年7月号より転載