昨年2016年の9月、その前から噂はあったとはいえ、SIGMAが突如シネマレンズ業界への参入を発表した。3つのズームレンズと、5本の単焦点レンズを用意し、すでに2本のズームレンズが2016年12月に発売開始された。すべてのレンズは、ベースとなる写真用のレンズがあり、そのレンズは写真ユーザーから最近評価の高いArtラインに属する。光学部分はそのArtラインを100%流用しつつ、ハウジングは100%新規に作ったというコンセプト。動画ユーザーが気になるArtラインとシネマレンズについて、株式会社シグマの商品企画、開発、営業スタッフにお話を訊いた。(聞き手=一柳)

左から商品企画部 商品企画課 係長 若松 大久真氏、開発第2部 第1課 係長 藤田 健太氏、同第5課 係長 西川 起史氏、同主査 星 浩二氏。その他、開発第2部 副部長 上村 豊氏、国内営業部 主査 長谷川 務氏にもお話を伺った。

SIGMAのArtラインとは?

——動画ユーザーのなかには、スチルのレンズに詳しくない人も多数います。御社のArtラインについて、歴史、コンセプトなどを教えてください。

弊社では2012年以降、SIGMA GLOBAL VISION(SGV)の全く新しい考えに基づいて、交換レンズをArt、Sports、Contemporaryの3つのプロダクトラインにわけ、それぞれ明確なコンセプトを持たせました。今までは、製品コンセプトが伝わりづらく、同じような焦点距離や、F値の製品が並んでいた場合、その差や違いが分かりにくいために、お客様がどれを選んで良いか判断することが困難でした。そこで3つのプロダクトラインにコンセプトを分け、その製品が画質重視の製品であるのか、プロユースにも対応するヘビーデューティーな製品であるのか、あるいは小型・軽量で日常の使用も想定した製品であるのか、など、プロダクトコンセプトをお客様に明確にお伝えしたうえで、ご使用いただきたいと考えました。

——3つのラインの特徴はなんでしょうか。

Artラインは光学性能を重視したレンズで、大きく重くなりますが、とにかく画質優先で設計されています。画質重視の方はArtラインの中からレンズをお選びいただければと思います。

Contemporaryラインは小型・軽量で、バランスを重視し設計しておりますので、デイリーユースでご使用いただけます。

Sportsラインはプロユースを意識したレンズで、雨が降ったり、砂が舞ったりする過酷な条件でも使用できるように防塵防滴仕様になっていたり、高い堅牢性や耐久性を備えています。Artライン同様、光学性能も重視しています。

Artラインは、とことん性能を追求し、それ以外の要素、たとえば大きさとか重さですね、そこは実用の範囲内であれば、性能を優先させようという考え方です。性能を求めるお客様に向けたラインナップを作ろうということで、最初に35mm F1.4を出しました。そのレンズが幸いにも市場で高評価を得て、そこから、単焦点の他のラインナップ、そしてズームレンズとラインナップを増やしてきました。Cotemporary、Sportsといったラインもレンズが増えて、現在に至っています。

——この3ラインができる前から、デジタルカメラに向けた設計に取り組まれていますよね。

2000年よりデジタルカメラに対応した製品を発売しておりました。レンズメーカーの中では早いほうだと思います。製品名称にDGとつけた単焦点のF1.8ラインがそれで、当時としてはかなり大型でしたが、周辺光量やテレセントリック性、コーティングに配慮して設計しました。デジタルカメラへ対応はその当時から行なっておりましたが、弊社がデジタルカメラSD9の開発に着手したあたりから求める基準が一層高くなりました。そして、4500万画素のデジタルカメラSD1の開発が、Artラインの光学性能を最優先するコンセプトに影響を与えました。

——Artシリーズのレンズは、見た目も重厚ですが、もってみるとあまりに重くてびっくりします。一体どうしてこんなに重いんですか?

Artラインでは軽さより光学性能を優先しています。そもそも開放値が明るいレンズが多いので大きく重くなっていますが、光学性能を高めるためにレンズの枚数を増やしていること、周辺光量を確保するために前玉の口径を大きくしていることが重量に影響しています。

軽さを求められるお客様にはContemporaryラインをおすすめしています。こちらは、画質と大きさ・重さのバランスをとることを目指して設計しています。

たとえば先日のCP+で発表したレンズの4本のうち、1本がContemporaryラインの100-400mmという望遠ズームですが、画質を担保しながら、1.1kgという小型軽量化を実現しています。

——ビデオサロンでお借りするレンズがArtシリーズだったんで、私の中で「シグマのレンズは重い」という先入観が刷り込まれていました。軽くできないわけではないんですね。

開発に際してその製品がどのプロダクトラインに属するかによって、どういったコンセプトで設計するのか方向性を決めています。

左から、Artラインの50-100mm F1.8、シネマレンズの50-100mm T2.0、同じく18-35mm T2.0、Artラインの18-35mm F1.8。

 

——さて、今回のシネズームレンズのベースになった、18-35mm F1.8と50-100mm F1.8の2本は他社にないスペックのレンズですよね。動画ユーザーがこのレンズに着目したのは、性能もそうですが、まずF値が明るくて一定であること、そしてイメージサークルはスーパー35(APS-C)でもいいということだと思います。そういう目で探してみると、このレンズにたどり着きますから、ベースのコンセプトが良かったのだと思います。これが誕生した経緯を教えてください。

設計当初は、実は動画のことはまったく想定しておりませんでした。当時人気だったAPS-Cのカメラに向けた高性能な大口径ズームレンズとして、F1.8固定のズームレンズを作ってみるということで企画が始まりました。昔からシグマは世界初といった世の中にない製品開発を行なっており、F1.8やF2等の他にない大口径ズームレンズというのは、企画としてはそれこそ20年前からありました。ただ、当時は現在のような性能を出すのが難しかったため、製品化には至りませんでした。

ちょうどSIGMA GLOBAL VISIONのコンセプトに基づいてレンズの開発を始めた頃に、2倍ズームくらいで、APS-C用であればF1.8固定のズームレンズが可能ではないかと、検討しておりました。そしてArtラインがスタートしたのにあわせて、高性能な大口径レンズ18-35mm F1.8の本格的な開発が始まりました。

——50-100mm F 1.8も同時に設計し始めたのですか?

いえ。将来的にはラインナップを増やしたいということはありましたが、開発のリソースも無限にあるわけではないので、18-35mm F1.8からスタートしました。

ちなみに18-35mm F1.8は2013年発売で、50-100mm F1.8は2016年発売です。

——この2本のArtシリーズを使っている動画ユーザーも多いのですが、その間が欲しいという声もあります。

商品企画の立場からすると、その間を埋めるようなズームというのもあってもいいと思いますが、今の段階ではそういうレンズはないですね。他にフルサイズ用として24-35mm F2 がございます。

——そのスペックから判断するに、フルサイズであれば、それくらいの狭いズーム範囲であれば、F2の明るさで実現できるということなんですね。ズーム域は短いですけど、24、28、35が1本にまとまっていると考えればメリットはありますね。他社では難しい、こういったレンズがシグマで実現できる技術的なポイントはどこにあるのでしょうか?

18-35mmに採用しているような、高精度な大口径非球面レンズを自社で製造できることです。そして、これは両方のレンズに言えますが、ズームレンズでもF1.8の大口径になると、色収差の補正がとても難しくなりますが、会津工場ではやわらかいガラス、つまり色収差を補正するような低分散ガラスを高精度に磨く技術を確立することによって、高性能な大口径ズームレンズが実現できるようになりました。また、近年屈折率が2を超えるガラスなど、以前には存在しなかったガラスが開発されてきています。カタログで公開されているレンズ構成図では低分散レンズが色付けされていますが、それ以外にも高性能なガラスがたくさん投入されており、それらを加工する技術の向上により、高性能化を実現しています。

——このレンズをはじめたとしたArtシリーズのレンズをベースに今回のシネレンズができているわけですが、この市場に参入してきっかけを教えてください(これは様々なところで語られていますが)

きっかけは弊社のスチルレンズがアメリカの動画を撮影しているお客様の間で多く使われていたことです。実際に引き合いも多く、しかもそれが動画の現場で使用されていることは統計からもわかっておりました。また、そういったお客様から、このレンズを使ってシネマレンズを作ってほしいという要望も多くいただきましたし、またリハウジングメーカーが、リハウジングをしたものを実際に販売しておりましたので、弊社でも出来るのではないかと思ったのがきっかけです。

——それは18-35mm F1.8ですか?

はい。それとArtラインの単焦点レンズです。低価格のシネマカメラが増えてきたタイミングと重なります。

そこで3年程前からシネマレンズの検討を始めました。はじめは様々な企画の中のひとつでしかなかったのですが、映像制作の現場に伺ったり、お客様からお話を伺ったり、スチルのレンズがプロモーションビデオ、ミュージックビデオの現場で使われていることを目の当たりにして、本格的にスタートすることになりました。

——発表されたタイミングで、18-35mmだけでなく、単焦点も含めたラインナップが揃っていました。

お客様と接しているなかで、限られた本数だけを発売してもあまり意味がなく、単焦点レンズにしてもある程度の焦点距離をカバーするレンズラインナップがないとご使用頂けないことが分かり、製品発表時に、あれだけのレンズラインナップを揃えました。

 

——3月時点で出ているのが、18-35mmと50-100mmの2本ですが、残りは?

次は、4月から5月にかけて、単焦点5本と24-35mm T2 FFをリリースしていく予定です。

—それはNABにも出るということですか?

はい。弊社としては初のNAB出展です。はじめてシネマレンズを出したのが昨年9月のIBC、そしてフォトキナ、10月の頭にハリウッドにある全米撮影監督協会のクラブハウスで内覧会をおこないました。11月にはInter BEEに初めて出展しています。

シネレンズのラインナップとベースになったスチルレンズの関係

——シネマのセットレンズでは、それぞれ色味やトーンが統一されている必要がありますが、ベースになったArtシリーズのレンズというのはそこはばっちり合っているのですか?

そうですね。Artラインの単焦点は同じコンセプトで開発しているので合っています。色味もシグマの基準に合わせて作っていますので、シグマ製のシネマレンズどうしで色が合わないという問題も生じません。スチル用レンズを多くの方に使って頂く中で、実際にカラコレをしていただきましたが、色が合わないという声は出ませんでした。むしろ最近のデジタルシネマカメラの特性にあっていて、とても使いやすいというご意見をいただいています。

——デジタルカメラの特性というのは具体的には?

映画系のお客様が比較対象にされるのは、フィルムだと思いますが、フィルムとデジタルでは色の捉え方が違います。フィルムでは、レンズの色、フィルムの種類、フィルターの選択によってルックを決めていました。一方で、最近のデジタルシネマカメラはポスプロにおけるカラコレを前提としていますので、レンズはもっとニュートラルな発色のほうが、後の工程でニーズにあったカラコレをしやすいのではと考えています。その観点で弊社のレンズが受け入れられているのではないかと思います。

もともとArtラインはデジタル一眼カメラに使われることを想定して開発されました。その光学特性が、最近のデジタルシネマカメラにもマッチしているのではと思います。

—–と言うことは、シネマレンズの光学特性をどうしようかということは、商品企画のほうで市場を調査したことを反映して、あえてそのままで行こうということなんですね。

はい、お客様に満足頂ける製品をリリースすることが何よりも重要だと考えていますので、社外の様々な方にご意見をうかがって、製品開発にフィードバックをしています。

——光学部分はArtシリーズを100%流用し、筐体のほうは完全に新規に作られたとのことですが、シグマさんとしてはシネマレンズは初めてですから、いろいろ苦労された点もあると思います。

写真用のレンズを動画撮影にご使用いただいているお客様、ほぼ全員から伺ったのは、光学的には最高だが、いわゆるメカ的な部分に不満があると伺いました。たとえば、AFを使用しないのにAF機構が入っているので、フォーカスのストロークが小さすぎる、フォーカスリングにストッパーがないといった操作性に対する不満です。それらの現場の意見をフィードバックして開発したのがこのシネマレンズのハウジングになります。これらの不満を解消するには、小変更で実現不可能だとわかりましたので、100%新規で作り直すことを決めました。

——でもArtシリーズはもともとシネレンズを想定していないので、新規で起こすといっても無理があるところもあるのではないですか?

はい。そのとおりです。そこは本当に苦労しました。スチルレンズはリングの位置も違えば、レンズの長さも太さも全く違います。Artラインには絞りリングはありませんので、まずはそこから設計しました。ズームレンズ3機種においては、まずは1機種ごとに仮設計を行い、3機種分の仮設計を終えたのち、3機種のフォーカス、ズーム、絞りの位置と径が合うように微調整を加えていきました。

もちろんただ合わせるだけでなく、開発にあたって用意した各社のシネマカメラやマットボックスやフォローフォーカスなどのアクセサリーを取りつけたときに干渉しないかどうかなど、互換性についても確認しています。当然、使い勝手についても重視し、国内外のカメラマンに試作品を使って頂いて意見を伺いながら開発しました。

また、シグマのシネマレンズは防塵防滴仕様になっています。ベースにしたレンズになかった仕様なので、カメラとの装着部にラバーを入れたり、各リングにシーリングを施したりと、設計と検証に苦労しました。

 

——これらのシネマレンズには電気的なものは一切入っていないんですか?

アクチュエーターは入っておりませんが、基板とエンコーダーが入っておりますので、絞りやズーム、ピント位置の値をボディ側に伝達できるようになっています。一般的なシネマレンズよりもハイテクな機構を搭載しているといえます。最近は撮影データをきちんと記録したいというニーズが増えていると思います。現場のスタッフが少なくなっていて、カットごとに撮影条件を記録できないこともあると聞いています。それがデータで残ることは重要な要素です。また、VFXで合成する際にも撮影時の情報が残っていると、それだけで合成が楽になります。

——そうなんですね。それはEマウント、EFマウント両方とも?

そうですね。

——その他にシネマレンズを設計するにあたり苦労した点はありますか?

他には回転角度を広げるだけでなく、ピントが移動するスピードもお客様の感覚に合うように調整しています。写真用レンズではピントの移動は、遠距離になると速く、近距離だと遅いのが一般的です。そのため、スチル用のレンズを使われている方で、遠距離におけるフォーカスで苦労されていた方が多いのではと思います。シネマレンズでは、ピントの移動がなるべくリニアになるように、レンズの駆動機構を調整しています。

機構の精度を担保しつつ、そのような設計をすることは非常に難しい試みでした。

回転方向についても、実は一部のスチルレンズでは光学設計とサイズのバランスをとるためにそろっていないものもありますが、シネマレンズではすべて統一させています。

また、各リングのトルクの統一にもこだわりました。機種ごとに、中の構造も違いますし、接触している面の面積も違うため、トルクは一定になりにくいのですが、形状の工夫や潤滑剤の選択などシビアに検討して現状のトルクにしています。表面的には径も統一されて、回転角も揃っていますが、実際に動かしているレンズの質量と繰り出す量もそれぞれ違うので、見た目同じでも、同じ操作感になりません。そのため、最終的な操作感を統一するためにチューニングしていきました。

あとは耐久性ですね。シネマレンズはいわゆる業務用の製品です。リングの耐久性にしても、外周ギヤに接続する専用の試験装置を開発しまして、リングを一昼夜動かし続けるといった耐久テストを行なっています。

また、スチルレンズは各所にEPの部品を使っているのですが、シネマレンズ専用部品は金属のみで構成しています。弊社は会津工場で生産していますが、金属加工部門もシネマ専用の加工部門を設立して対応しています。

—映画など大画面映像ではブリージングを気にすることも多いと思いますが、Artシリーズではそこは考慮して設計されてないですよね。

18-35mmに関しては、かなり小さいです。このレンズは近距離でも高性能にしたいことと、全長が変わらないというレンズ構成にしていますが、そういったレンズタイプを選択することで、結果的にブリージングが小さく抑えられています。

一方、50-100mmは、インナーフォーカスということもあり、フォーカスを調整しながらズームしているようになってしまうので、焦点距離の変化が大きい=ブリージングが大きいということが特性として出てしまいます。サイズが大きくなることを許容すれば解消はできるのですが、このサイズに収めるということが難しくなると思います。

単焦点の5本も、ブリージングは抑えられています。基本的に全てインナーフォーカスですが、後ろの群をフォーカスで移動させていますので、全体繰り出しの変形のような形になりますので、焦点距離の変化は少ない設計になっています。そのあたりも弊社のArtラインの単焦点レンズが動画系のお客様に評価される理由ではないかと思います。よく現場でArtラインの50mm F1.4を見るのですが、良い評価を頂いています。

 

 

——ズームレンズのフランジバック調整というのはできないんですよね。

弊社に預けていただければできますが、お客様自身ではできません。ただ、現在のところフランジバックで問題になったことはございません。一本一本調整して出荷していますので、今のところは問題になっていません。

カメラによってはフランジバックの調整機構がありますので、そちらで調整しているお客様もいらっしゃるようです。

 

——マウント部のパーツはArtラインと同じですか?

EFマウントについては変更しています。シネマレンズには、カメラから飛び出るロックピンが入る穴にステンレス製の別部品をはめ込んだ強化型のマウントを採用しています。長年使っていただいてもガタツキが生じない仕様にしていますので、現場での過酷な使用にも耐えることができます。

 

——EFマウントとEマウントが出ていますが、数としてはどちらが多いんでしょうか?

現在EFのほうが多いのですが、MC-11というEFマウントからEマウントに変換するアダプターと一緒にEFマウントを買われる方が多いので、おそらくお客様はEFマウントとEマウントのどちらでも使えるようにということなのだと思います。

 

——今後なのですが、スチルのベースレンズがないシネマレンズの開発というのはありえますか?

開発の可能性については、あらゆる可能性を排除しないというのが弊社のスタンスですので、ご要望を頂いた場合はもちろん、様々な開発に積極的にチャレンジしたいと思っております。ただ現在のコンセプトは、性能が高いレンズをお求めやすい価格でお客様に提供するということですので、直近では専用設計の予定はございません。

——発売後のフィードバックや、こういうレンズも欲しいというリクエストはありますか?

一番伺うのは、18-35mmと50-100mmの間のレンズが欲しいということと、もっと望遠側が欲しいという声ですね。単焦点ももっとラインナップを増やしてほしいというリクエストがございます。お客様によって好みの焦点距離があり、29mmが欲しい、40mmを作って欲しい、65mmが欲しいといった焦点距離のご要望が多いですね。ちなみに、画質、大きさ、重さに関しては不満の声はいただいておりません。

 

——2本のズームレンズの間が欲しいというリクエストですが、Artシリーズでここをカバーするズームレンズはありますか?

現在のラインナップにはございません。

——では、まずArtシリーズでそこをカバーするズームレンズを作ればいいんですね(笑)。

そうですね(笑)。鋭意検討させていただきます。

——まだ発売されたばかりですが、日本の市場での反応はいかがでしょうか?

日本での販売は、予想以上に順調です。実際に購入頂いたお客様は個人のお客様が多いです。いままでのシネマレンズというのは購入の検討すらできない価格でした。弊社のレンズは、決して安くはない価格ですが、ご検討いただける価格設定になっていることが個人のユーザーに受け入れられている要因だと思います。

また4K放送に向けて準備が進む放送局からも注目されており、ドラマやドキュメンタリーといった番組で使用したいという要望もいただいております。特にインタビューなどはシネルックで撮りたいといったニーズから、導入されるケースが目立ちます。

レンズのアップグレードは、画質を追求される方にとっては非常にコストパフォーマンスが高いことであると考えております。画質を最優先にした最新の光学設計とシネマレンズならではの耐久性により、高画質化が進むデジタルシネマの時代においても、長い間お使いいただくことができると思います。

 

——Artラインの画質とこのシネマレンズの登場により、現代らしいキレのいい画質がハイエンドのカメラとレンズでなくても実現できるようになってきました。これから一段と映像制作市場が広がり、多くの現場で使われていくことを期待しています。本日はありがとうございました。

SIGMA Artライン、シネマレンズの製品情報はこちらから

http://www.sigma-global.com/jp/