TOKYO MX「How to モンキーベイビー!」の100人カメラマン企画がDVD化。発売記念イベントも開催


本誌2010年10月号、11月号でもレポートしたTOKYO MXの番組「How to モンキーベイビー!」の人気企画「高性能カメラ持てあまし隊」で撮影・制作したドラマが完成し、その本編やメイキング・ドキュメンタリーを収録したDVD「100人カメラマン」が1月26日発売される。これを記念したイベントも1月9日、都内某所で行われた。


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            「100人カメラマン」 発売・販売/アニプレックス ¥2,940

矢口真里と劇団ひとり(番組内キャラクターはハルク)の二人が、毎回「その道のプロ」から手っ取り早くハウツーを学ぼうという番組「How to モンキーベイビー!」。この番組の中で大きな盛り上がりを見せた企画が「How to ムービー」。ただ自主映画を撮るだけでは飽き足らず、それを映画祭に出品して受賞まで果たすなど、もはや「猿まね」にとどまらない本気ぶり。この人気企画から結成されたのが「高性能カメラ持てあまし隊」だ。
「せっかくいいカメラを買ったのに、使う場所や機会がなくて持て余している人がいるんじゃないだろうか」。そんな思いつきがきっかけで、最初は7人からスタート。役者が演じる芝居をそれぞれのカメラマンが勝手に撮って、それを編集したらちゃんとしたドラマ作品になるだろうか。この企画のために劇団ひとりさんが脚本を書き下ろした「ものいり刑事(でか)」は、スタッフや関係者の予想を超えるできばえ。これに気をよくして(頭に乗って?)、企画はエスカレート。30人カメラマン、そして100人カメラマンへとスケールアップ。ドラマの尺もどんどん長くなり、シリーズ完結編となる「さらば! ものいり刑事」はなんと約40分。アクションありラブシーンありの、本格的なドラマになった。
出演者たちは40分間ノンストップ、NG禁止という条件で、数箇所に分かれて同時進行で芝居をする。それを思い思いに分散した100人のカメラマンたちが撮影していく。互いのカメラに映り込まない(見切れない)よう、立ち位置に注意しながら、同じ場所でもなるべく違う画が撮れるようアングルを工夫する。こうして撮影された100人分の素材は24時間を超えたという。
これを、監督・編集を任された(むちゃぶりされた)やぐっちゃんが、自主映画監督の菅野一人さんのアシストを受けながら編集。5分にも及ぶアクションシーンだけは、カット割が複雑なこともあり、編集してくれる人を一般募集してその中から優秀なものを採用した。こうして、ついに100人カメラマンによるドラマが完成した。参加カメラマン全員、最低1カットは使うという条件で、使用したカットはのべ720にものぼった。
DVDには、この「ものいり刑事」3部作の本編のほか、メイキング(写真素材では本誌も協力しています)、そして那須国際短編映画祭に出品して受賞した作品「NASA=NASU」(矢口真里初監督作品)が収録されている。
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完成したドラマのプレミアム試写会を兼ねたDVD発売記念イベントが1月9日に開催された。まずは、「100人カメラマンへの道」と題した、高性能カメラ持てあまし隊の結成から「ものいり刑事」3部作制作まで、これまでのいきさつをまとめたドキュメント映像を上映。番組のMCであるやぐっちゃんとハルクが登場し、番組でもおなじみの軽妙なトークを展開した。途中、高性能カメラ持てあまし隊やキャストの面々も登壇しての「舞台挨拶」も行われた。「これまでにないカメラの使い方で、これだけ時間と経費を抑えて作品が作れてしまうという、業界にも役立つDVDです」(矢口) 「100人のカメラマンは全員が素人。そこも含めて楽しんで欲しいし、温かい目で見て欲しい」(ひとり)
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MCの矢口真里さん(左)とハルク(劇団ひとり)さん。後ろの面々が高性能カメラ持てあまし隊。

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役者陣も挨拶に立った。やぐっちゃんの後ろに半分隠れているスーツ姿の男性が物入り刑事を演じた増田桂次さん。
いよいよ、本編の上映。編集作業を行なったやぐっちゃんと菅野さん以外は、全員初めて観ることになる。素早いカットつなぎもあってテンポもよく、あっという間に40分が過ぎ、衝撃のエンディング。会場は大きな拍手に包まれた。
上映後、再び二人が登場。「意外にグッと来た」とハルクが切り出すと会場からは笑いが起こり、「それよりも、ものいり刑事の汗!」と続けると場内爆笑。普通ならシーンの合間に汗を拭くところだが、残暑厳しい折にノンストップで演じなければならなかったため、ものいり刑事はずっと汗だくのまま。「これが1回撮りというところですね」とやぐっちゃんが一応フォローを入れた。
ここで、アドバイザーを務めた撮影監督の髙間賢治さんと、編集を全面的にサポートした自主映画の菅野一人監督が登場。「作品自体が面白くて、楽しく見られました」と髙間氏。24時間分の素材を2回見たという菅野氏は、「カメラごとの色のバラつきがあって、色(調整)が難しかった」と振り返る。「コンデジで撮影したシーンも思ったより(大画面)でもちゃんと見られる画でよかった」。髙間氏は「カットごとに(使用した)カメラの機種が出ていると、プロにとって貴重な資料になるね」とコメント。
撮影は当初の予想よりもスムーズで、これは1回目と2回目の反省点を活かし、カメラマンのポジショニングやアングル等に適切なアドバイスを与え、1箇所に集中せずうまく分散するよう促した結果だ。「映像を見ても、3大ミステイク(手ブレ、互いが映り込む「見切れ」、不用意なズーミング)がすごく改善されていた」とやぐっちゃんも監督の立場でコメント。2作目の「帰ってきた! ものいり刑事」では、みんなが脇役の撮影に回ってしまって肝心のものいり刑事を誰も撮っていないという事態が起こったが、今回はそういった問題もなかった。
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撮影監督の髙間賢治さん(左から2人目)と自主映画監督の菅野一人さん(同3人目)も登壇し、撮影時のことや作品に関するコメントを行った。
ここで、全カメラマンの中から金賞(最多使用カット)、銀賞(ベストカメラワーク)、銅賞(ベストアングル)が発表され、表彰された。金賞に輝いた伊藤さんは、デジタル一眼に超望遠レンズで、主にやぐっちゃん演じるものいり刑事の妹・真里を撮り、全720カット中、50カットに使用された。「僕もデジタル一眼で映画を撮ろうとしてテストしたけど、なかなかフォーカスが合わない。それを(マニュアルで)合わせ続けるのは大変なこと」と髙間氏はその技術を評価した。
この後、劇中でも演奏されたやぐっちゃんによる「赤とんぼ」のピアノ演奏と歌に続いて、劇団ひとりさんから100人カメラマンへの「贈り物」としてオペラ独唱が披露され、いよいよエンディング。
「これをどんどん発展させていって、村おこし的に、例えばシャッター商店街で(ドラマを)撮るとか、遊園地を借り切って撮るとかやってみたい」という、さらなる希望が述べられて、イベントは締めくくられた。
発売日となる1月26日には、HMVルミネ池袋でライブイベントから開催され、また番組(23:30~0:00)でもこのイベントの模様が放送される。

番組公式サイト http://www.howtomonkeybaby.com/