音楽や映像分野の専門家やアーティスト、さらに個人的な制作を手掛ける人々まで、次世代のクリエイターが創作活動に専念できる場所として生まれた全室防音仕様のコンセプトマンション「TRACK(トラック)」。今回、都心近郊の2箇所に竣工している同マンションのうち「TRACK向ヶ丘遊園」を、作曲家でサウンドエンジニアでもある三島元樹さん(STUDIO MONOPOSTO)と一緒に見学。“音”のプロの視点から見た、TRACKの有用性や利便性、職住近接の空間に凝縮された魅力を探りました。

REPORT◎高柳 圭 写真◎千葉正人 協力◎株式会社長谷工不動産

三島元樹(作曲家/MAエンジニア)プロフィール
個人プロダクションSTUDIO MONOPOSTOを設立し、映画やWEB CMの音楽、企業または個人作家の映像作品への楽曲提供など、映像に関わる音楽を作る傍ら、レコーディング/ミキシングエンジニアとしてアーティストのレコード制作に参加したり、映像コンテンツのMAなども手がける。2020年に玄光社から「映像制作のための自宅で整音テクニック」を刊行。

 

 

をコントロールするこだわりの仕様

▲「TRACK向ヶ丘遊園」1階のロビー。モノトーンで統一された空間に光のスリットが映えるスタイリッシュな空間。

 

動画メディアやDTMが一般的に広まったことで、プロのみならず、多くの人が音楽や映像制作を自分で手掛ける場面は増えています。一方で、個人のクリエイターが創作活動をする上で課題となるのが、制作に打ち込める環境づくりです。特に、自宅で作業を行う場合、大きな音を出すことができない場合や、周囲からの音が制作の邪魔になってしまうことも少なくありません。そういった悩みを汲み取り、「TRACK」は開発されました。

TRACKの企画・開発を行なっているのは、株式会社長谷工不動産。同社では、これまで「好きと暮らす」をテーマとしたコンセプトマンションのブランドを複数展開する中で、プライベートコンサートを行える共用ホールを有したクラシック音楽家向けの防音仕様のマンション(PLAY江古田)など、音に着目したマンション開発に取り組んできた下地があり、今回はそこからさらに踏み込み、住まいと制作スタジオが一体となったような空間づくりを展開しています。


▲黒を基調にした建築の外観。

 

TRACK向ヶ丘遊園」は、小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩3分、都心から約30分という好アクセスの立地に位置します。建物は「BLACK LAYERED」をコンセプトとした、黒とモノトーンを基調としたデザイン。エントランスから共用部、通路に至るまで黒で統一され、シャープな光のラインが施されたインテリアが、クリエイティブな空間へと足を踏み入れる期待感を膨らませてくれます。

住戸は、クリエイターの暮らし方や制作シーン、家族構成などに合わせて選べる1K32.54㎡)、2K32.68㎡)、1LDK50.16㎡)の3タイプがラインナップ。すべてに防音仕様の部屋が設けられている他、制作を円滑にするためのこだわりが詰まっています。

▲部屋は居住者に合わせて選べる1K(32.54㎡)、2K(32.68㎡)、1LDK(50.16㎡)の3タイプ。

 

まず、部屋を訪れた三島さんは、室内の音の響き方や環境音をチェック。「変に反響しすぎることもなく、室外の音もほぼ聞こえませんね」と三島さん。メインの居室は床、壁、天井すべてが防音仕様になっており、窓側には二重サッシ、また換気部分にも防音構造が取り入れられています。特に隣室が気になる壁面部分は、隣戸防音室との間では約80dBまで遮音する仕様。

「一般的に防音仕様とされるマンションの中には、70dBまでの遮音性能の部屋もあります。通常のピアノの演奏が80dBくらいなので、この程度あれば『24時間防音のレベル』と言えます。クリエイターは、楽器を演奏しながら音をつくることもあると思うので、時間を気にせずに作業に没頭できるのは良いですね!」


▲メインの居室は床、壁、天井すべてが防音仕様。

▲窓は二重サッシで室内外の防音対策が施されている。

 

この他、居室と水回りへの通路を隔てるドアには、開閉にあわせて自動で隙間をふさぐ機能が組み込まれるなど、音楽や映像の制作スタジオとしての性能を発揮してくれます。制作のための機材やデスクの周りに吸音パネルなどを取り付ければ、より防音効果を高めることも可能になります。加えてクリエイターごとに異なる使用機材、レイアウトの自由度を高めるため、居室の各面にコンセントプレートが設けられ、200Vと100Vの電源を用意。生活家電と機材の電源を使い分けるため、それぞれのコンセントプレート毎に回路が分かれているのも特徴です。

「家電のノイズが機材に影響を与えることを気にするクリエイターもいるので、この仕様は安心できますね」と三島さん。

▲居室のドアは、閉めると自動で隙間にシャッターが降りるつくり。

▲音響機材用に200Vの電源を設けたコンセントプレート。

 

 

自分だけの特別なスタジオを生み出せる空間

▲コンセントプレートが一般の住宅よりも多く壁面に設けられ、機材や家具配置の自由度が高い。クリエイターが自分の作業しやすい環境を作り出せる。

 

続いて三島さんが注目したのは収納です。1LDKタイプの部屋では、壁面収納の一部が観音開きでフルオープンでき、棚板の他に壁付けのテーブルが設けられ、収納とは思えないほど十分な広さが用意されています。
「若い時に、部屋に機材が置けず、押し入れに並べて作業スペースにしていたのを思い出しました(笑)。しっかりとしたワークテーブルが設けられているのは便利で、音楽や映像制作はチームで行うこともあるため、誰かと一緒に作業をする時にも重宝しそうです」

▲収納の一部に作業ができるテーブルを設置。

 

もう一面の通常の収納部分も十分な広さが確保され、大型の機材につきものの箱や梱包材を保管しておけるのは助かるポイント。また、2Kタイプの部屋において、奥に広がるウォークインクローゼットを見た三島さんは、「ナレーションなどの声の録音をする場所にも使えそうですね」と、近年増えている自宅でのナレーターや声優の収録や、配信向けに歌を録音する個人のクリエイターにもピッタリのアイデアを思い浮かべます。メインの居室に付随する収納もすべて同じ防音仕様のため、使い方次第で様々な可能性が広がります。

▲2Kタイプの部屋には、奥に広がるウォークインクローゼット。収納内部も防音仕様。

 

1LDKのモデルルームに用意された作業スペースに座った三島さんは、そこからの窓の外の景色にも好印象のようです。

「防音仕様の部屋は外部に対して閉じてしまうことも少なくないですが、ここは窓が大きくて見晴らしがよく、作業時の気分のリフレッシュもしやすいですね」

TRACK向ヶ丘遊園があるエリアは、駅近くでありながら高層の建物が少なく、周辺の生田緑地や遠くまで広がる街並みを見渡すことができます。この他にも、部屋の壁面に対して斜めに貼られたフローリングや、緩やかに空間をゾーニングするクリアなスライドドア、好みの照明を付け替えできる天井のダクトレールなど、多様なライフスタイルに合わせたマンションづくりに実績がある長谷工ならではの、インテリアへのこだわりが見られます。

「防音を始めとする機能だけでなく、住まいとしての心地よさが追求されているのを感じます。制作のための機材だけでなく、自分のこだわりの家具を取り込んで “自分の城”的な空間を作り上げることができる環境は、クリエイター魂をくすぐります」と語る三島さん。

TRACKシリーズは、今回紹介した向ヶ丘遊園の他、東京都墨田区に「TRACK両国」も開業しています。こちらは「RETRO FUTURE」をコンセプトとした、ハイエンドなマンションのしつらえに、向ヶ丘遊園と同じく全室防音仕様を始めとする機能性、さらに駅からの好アクセスを備えた物件となっており、クリエイターの仕事の環境や用途に合わせて、向ヶ丘遊園と両国それぞれから新しい拠点を選ぶことができます。

スタジオとしての利便性、住まいとしての機能性やデザイン、制作へのモチベーションを高めてくれる環境が揃ったTRACKの、クリエイターのための特別な空間を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?

▲クリエイターが求める機能性と、住まいとしての居心地の良さを追求できる空間。

 

◉次世代のクリエイターのための賃貸マンション「TRACK(トラック)」
https://www.livwiz.jp/track/