VIEWS読者モニターレポート Vlogカメラ・ニコンZ 30は企業ユースにもプライベートにもカジュアルなYouTube撮影にうってつけ


本誌読者投稿コーナー「VIEWS」に作品を投稿いただいている読者の皆様限定で実施した無料体験モニターを募集。1カ月間、実際に使っていただいた読者の伊藤功太郎さんにニコンのVlogカメラ・Z 30の使用感をレポートしてもらいました。

テスト・文●伊藤功太郎

大阪を拠点に映像制作中。撮影現場出身のため、少人数でも効率的な撮影を進めながら、企業・学校・ホテルなどの各種映像制作を行う。企画段階から依頼主の想いを汲み取り映像に落とし込む制作が得意。最近では企業の動画制作内製化支援も行なっている。Web(https://monkeystudio.site/)。

 

YouTubeを始めたい企業に持って来いのカメラ「Z 30」

YouTube動画の潮流に乗って、今までになかった「Vlog動画撮影カメラ」が各メーカーから販売され出している。どのカメラも一長一短があるのだが、今回のNikon「Z 30」はその中でも群を抜いて「企業の自社動画コンテンツ作成」に持って来いの一台だった。本記事では「Z 30」実機を企業の動画コンテンツ内製をしてきた映像制作者が1カ月使って感じたことをレポートしていく。

基本性能

「Z 30」の基本性能を簡単にご紹介すると、センサーサイズは驚きのAPS-C(DXフォーマット)。重量はキット販売されているレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを装着して約540g。500mlのペットボトルを持ち運ぶのと大差はない。収録できる画素数は4K UHDが30p、FHDは120pまで撮影可能なため、スロー動画もバッチリ撮れる。また、FHDの場合連続撮影時間が125分と比較的長めなのも良い。

これらのスペックの詳細はメーカーサイトでも確認できるので、ここからは実際に実機を箱から出して1カ月使った感想を書いていきたいと思う。

誰でも触れる操作感

ニコンからお借りした実機「Z 30」を箱から取り出して感じたのは、「おもちゃみたい」だ。全体的に可愛らしいデザインになっており、カメラ初心者でも抵抗なく触れる。開封前はセンサーサイズがAPS-CのVLOGカメラという前情報を持っていただけに、もっとゴツゴツした外観を想像していた。

感覚的には「大きめのスマホ」という感じで、手の収まりも非常に良い。動画を作りたい初心者が割と気にするのが、カメラの大きさと重さである。日常的に持ち運べなかったり、カバンに入れて重いと感じると、そのうち家の棚に眠ってしまうが、Z 30含め多くのVlogカメラは全く邪魔にならない。

また、ボタン自体比較的大きめでわかりやすく、カメラを普段触らない嫁に「撮ってみて」と渡しても簡単に露出を調整しながら何カットも撮影していた。まさに「Vlogカメラ」として配慮が行き届いた機材だ。

ただやはり他のメーカーのカメラもそうなのだが、メニュー画面が煩雑で分かりにくい点が気になった。Blackmagic Pocket Cinema Cameraなどは機能が少ない分メニューが直感的で大変わかりやすいが、Z 30含め国内メーカーのミラーレス一眼カメラは、正直初心者にとっては「どこを見ていいかわからない」状態だ。

嫁が撮った動画がこちら

 

企業の担当が気軽に導入できるカメラ

ここ数年で家電量販店に行ってもネットショッピングをしていても良く耳にするのが「Vlogカメラ」だ。VlogとはVideo Blog、つまり動画を撮影、編集して作るブログのことである。Vlogカメラをシンプルに言い換えれば「YouTuber向けの撮影機材」という立ち位置だ。もちろんプライベートで楽しむためにVLOGカメラに手を出す方もいるが、カメラのスペックを考慮するとYouTubeの撮影向けに作られていると言っても過言ではない。

筆者自身、仕事で「自社でYouTubeの撮影をする場合、カメラはどうすればいいですか?」と良くクライアントに聞かれる。この時点でまず、多くのクライアントは以下の3パターンに分かれる。

 

  1.  予算が全くなくスマホで済ませる
  2.  少しの予算があるので「10万円前後のカメラ」を購入する
  3.  潤沢な予算があるが技術的な壁が高いので撮影も外注する

 

今まで数十社に同じ質問をされてきたが、最も多い結果が②のパターンだ。企業として中長期的にYouTubeに動画をアップしていくうえで、①はブランドイメージを損なうことが多く、③ほどリスクも負えず、結局②に落ち着いていく。

そうなった場合に選ばれるのは各メーカーが販売している「Vlogカメラ」ということになる。価格帯もぴったしで、なおかつ「YouTube動画を撮影」する目的とスペックが一致しているのだ。

 

他の「Vlogカメラ」と比べて

筆者が業務で実際に撮影・編集に使用したことのあるソニーZV-1やパナソニックLUMIX-G100など他メーカーの「Vlogカメラ」と比べてみると、やはりいずれのカメラも、あくまでも「VLOGカメラ」なので、画質は胸を張って良し、と言えるものではなく、ソニーRX100シリーズのようなコンデジの動画機能の延長という印象を受けた。

比べてZ 30は画質や描写力で純粋に「凄い」と感じた。他のVlogカメラに比べても暗部のノイズがかなり少ない。いずれのVlogカメラもそもそもスペック的に夜間の撮影などは向いていないのだが、Z 30に限っては撮って使えるレベルである。

先発のZV-1やG100に対してかなり遅れての発売となったが、それ相応の「Vlogカメラ」としての機能を携えており、「なるべく高画質」で「ちゃんと音も録れて」「初心者でも扱いやすい」という我儘なオーダーにきちんと応えていた印象だ。

 

プライベートにも仕事にも

今後もし、「クライアントが自社で動画を撮影して更新の頻度を保ちたいから、オススメのカメラを教えてほしい」と言われたら、僕は間違いなくこのZ 30を推すことになる。まさにYouTube動画を撮るうえでうってつけのカメラだ。

また、個人的な悩みとして、プライベートのお出かけ時のカメラ問題がある。手持ちのカメラはどれもプライベートで持ち運ぶには重量オーバーで、気軽に出先で綺麗な動画を撮れずに長年悩んでいた。それこそZV-1やG100の購入を検討したのだが、実際に仕事で使ってみるとやはり「これなら我慢して重いカメラ持ち歩こう」に落ち着いてしまっていた。Z 30はその辺りの悩みも解決してくれ、気軽にウェストポーチに入れて持ち運べる、映像制作者の方々のプライベートにもおすすめできる一品である。

 

 

●ニコンZ 30の製品情報

https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_30/