ビデオサロン2022年1月号の【NEW CAMERA 診断室】ニコンZ 9レポートの番外編として、画質についてWEBで関連動画と合わせてレポートする。

REPORT◉栁下隆之

動画の中でも解説しているが、特に何かと比較して云々ということではなくて、あくまでZ 9の画質その物を評価している。高感度テストとして、実用範囲内の感度で筆者が現在メイン機と運用しているLumix S1Hと比較しているが、その良し悪しに関しては視聴者の判断に委ねたい。またこの対比の中では、ノイズ特性以外にレンズの解像感まで目が行ってしまうと思うが、ニコンがレンズ個々の性能を最大にするというコンセプトで開発されているのに対して、Lumix Sレンズはレンズセットのバランスに配慮して設計されている点で、結果の方向性に違いがある事を念頭に評価頂けると良いだろう。また、Z9がローパスフィルターレスとして解像感を重視しているのに対して、S1Hはローパスフィルター搭載で、モアレなど画面全体の統一感に配慮されたカメラという事で画質の方向性に違いがあることも理解してから視聴することをお勧めする。

前置きはこのくらいにして、動画の中で画質をチェックして行きたい。

単純に良し悪しという表現は無用で、Z 9は圧倒的な解像感であり、超高感度撮影で多少の不安要素を見せる以外は、ライバル機を凌駕する画質だと思えた。特に4K60P記録までのProResHQで内部収録が行える点で、既存の編集ワークフローのすぐに組み込めるというメリットがあり、H.265による8K撮影素材はその膨大な解像度で、タイムライン上での編集によりズームや手ぶれ補正など、4Kで仕上げでのゆとりの幅が大きかった。また、4K/30p撮影の素材自体も、8K全画素読み出しの繊細な解像感で、従来機よりも質の高い4K素材が撮影できと感じた。本誌読者なら分かっていただけると思うが、4K素材を150%も拡大すれば、FHD素材と並べた際にピントが甘いと感じこともも多かったはずだ。Z 9の4K素材には、そんな不安を払拭させる様な高い解像感があり、質の高い4k素材としてハンドリングできると思う。

ニコン製品の動画機としての進化を肌で感じる事が出来る1台であり、本機に触れることで、今後のラインナップにも期待が大きく膨らむことは間違いないだろう。

機能解説については、VIDEO SALON1月号をお読みください。

VIDEO SALON2022年1月号は12月20日発売