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文●川井拓也

株式会社ヒマナイヌ代表。配信チームLiveNINJA主宰。Ustream黎明期からマルチカメラによるライブ配信や収録を手がける。筆者のブログ●http://himag.blog.jp/

Vol.001Osmoの縦揺れ防止アクセサリーZ-Axisで
擬似空撮熱がぶり返してきた


●Osmoの上下振動を吸収するZ-Axisは
どのくらいの効果があるのか?

 バランス調整がいらず電源オンですぐに使えるジンバル一体型の4Kカメラ・DJI Osmoに待望のオプションが発売されました。それが歩行などによる上下の振動を物理的なバネで吸収するZ-Axisです。改正航空法の施行でドローンの都市部での飛行が規制対象となり、ますます「擬似空撮(以前本誌連載でも紹介)」のニーズが高まる! そう考えた筆者は早速テストしてみました
●カメラとグリップの間に挟み込んで使うというスタイル!
 Z-Axisは電力を必要としない本当にバネだけの物理的な機材です。グリップとカメラの間に挟み込んで使用します。グリップの付け根にはPUSHというボタンがあります。これによって角度を変えられます。下の写真のようにグリップが前傾姿勢でも地面に対して水平にバネを向けられます。バネの強さはダイヤル式のネジで調整します。
●Z-Axisを地面に対して水平にセッティングすることが重要!
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 Z-Axisは上下に揺れるとボヨンボヨンとバネが振動を吸収して上下にスイングします。これがバネの可動範囲で動いてる場合はうまく振動を吸収しており、撮影動画も揺れているように見えません。ところがバネの伸びる範囲の限界を超えてしまうとガツンと上下で跳ねてしまいます。これは撮影動画にも反映されてしまい見苦しいものになります。つまり衝撃を吸収してくれると言ってもラフに歩いて大丈夫というわけではなく、なるべく上下の振動がないように歩く必要があることには変わりありません。
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▲Z-Axisをつけていても上下動がないように調整
 また、Z-Axisは横風の影響をかなり受けます。特に「擬似空撮」のために一脚などで3mや5mの高さにあげている場合は上空の風が当たりバネが予想以上に上下することがあります。このような場合はネジをきつめにすることで動きを抑えられます。何度か調整して歩いてみて、Z-Axisのバネの可動範囲で収まるかテストするとよいでしょう。
●一脚への固定は独自開発した池田式アタッチメントを使用!
 今回は匠商会の池田氏が3Dプリンターで自作した金属ステーのアタッチメント(非売品)を使ってOsmoとZ-AxisをスリックTHE PRO PODに固定しました。Z-AxisはOsmoのスマホホルダー用のネジを使います。これにより電子接点部分だけではなく側面からも固定します。OsmoにZ-Axisを装着した状態の重量は0.7kgほどになります。タブレット1台くらいの重さといったところです。
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▲金属ステーを自作した池田匠氏。
●Z-Axisの効果は「擬似空撮」より「ジョギング」で発揮された!
 今回、何度かテスト撮影を行いましたが「擬似空撮では歩行による振動を和らげるものの、構造的に横風が当たる面積が増えるため繊細なセッティングが要求されました。通常のように手に持って走りながら撮るなどの「擬似ステディカム」的な撮影のほうが、Z-Axisによるの縦揺れ補正の効果がはっきりわかります。
 テスト動画はジョギングする子供をノーファインダーでOsmoとZ-Axisで追いかけたものです。カメラ位置は子供の腰くらいに落としほぼ前に突き出すようなカタチで走りました。出来上がった映像はまさに映画などに見られるステディカムショットそのものです。GoProなどより狭い20mmのX3カメラの画角はバランスがよく、見ていて気持ちいい移動ショットになりました。
 映画クオリティのセクシーな移動ショットや擬似空撮が合わせて10万程度のカメラとアタッチメントで実現できるようになったことは、隔世の感があります。企業VP、音楽PVから子育て動画までその機動力を活かして様々な現場で大いに活躍してくれるのではないでしょうか?

テスト動画


OSMO FLIGHT STICK TOKYO 4K

ジョギングの並走(OSMO + Z-AXIS)


●DJI Osmoの製品情報
http://www.dji.com/jp/product/osmo