動画配信スタジオ 運営日誌 第25回 スタジオ運営をはじめてよかったこと 第二映像企画篇


第25回 スタジオ運営をはじめてよかったこと 第二映像企画篇

写真・文◉川井拓也(ヒマナイヌ)

 

 

全国に広がるヒマスタ型スタジオオーナーにインタビュー

宮本裕一。第二映像企画代表。人を撮ることを中心に、スポーツや舞台撮影で活躍。フォトグラファーであり、ビデオグラファーであるがゆえ、クライアントからの要望に答える幅は広い。アーティストとのコラボ作品や企業プロモーション動画制作を多く手がけている。

 

 

 

今回からヒマスタに影響を受けて立ち上がった全国のスタジオオーナーへのリモートインタビューをお届けします。スタジオのコンセプトも配信しているコンテンツも様々ですがコロナ禍をきっかけに自社スタジオを作ろうと考え始めている方の参考になればと思います。トップバッターは茨城県はつくば市にある第二映像企画の宮本裕一さんです。

ーーー最近ライブ配信の相談は増えました?

増えました! 相談内容も様々で、「番組に出演したい」「自分で番組をやってみたい」「ライブ配信でPRしたい」「学校の授業をオンラインで行いたい」「自社の空きスペースにスタジオを設置したい」など個人から企業・学校・アーティストの要望は後をたちません。

 

ーライブ配信と収録の割合はどんな感じですか?

大体8:2くらいの割合になっています。そもそも収録がメインのクライアント様が多いこともありますが、いままで収録だけだったお客様が、ライブやPR番組を前提に収録を行うような感じになってきています。もちろん新規のお客様も今年に入ってからは急激に伸びています。

 

ー自社でスタジオを持っていることでどんなメリットがありますか?

4年前に思い切って自社スタジオでの配信を中心にシフトしました。やっぱり世界観を作り込めることは重要だと思います。ロケ撮影やレンタルスタジオだと、その時の時間・予算にどうしても制限をかけてしまいがちです。また打ち合せもスタジオで行うので、クライアントとのイメージ共有がしやすい。これは作業効率を上げるだけではなく、間違いが起こりにくいですね。ただしとめどもなく追求できてしまう罠には気をつけてください。自宅に帰る時間が益々遅くなりますから。

 

ーどんな顧客を想定して配信システムを組んできましたか?

やはり世界観をお持ちの方が大好きなので、クラフト系でも企業でも団体も個人も、歌、ダンス、小説家、街のキーマン、マルシェ主催者などなど、なにかPRしたい! こんなことを考えているからちょっと聞いて! みたいな溢れ出ちゃう何かを我々が受け止めて、それをライブ配信しちゃいます的な発想を常に大切にしています。

そんな我々のスタジオは常にクライアントに特化したスタイルを提供しています。6m×6mは決して広くはありませんが、ジャンルに拘らずお客様のやりたいことや空間演出にこだわってシステム設計をしています。

 

ー最近導入してお気に入りの機材教えてください!

配信系のカメラは、パナソニックGH4(4台)とS1(2台)で構成していますが、最近SIGMA fpをお借りする機会をいただき、完全にハマりました。Lマウント系レンズはまだまだこれからですが、いいレンズがしっかり用意されていることもあって解像感のある画が撮れます。今後の4Kでの配信に備えて、ただいま絶賛シフト中です。

 

ーどのように営業していますか?広告や広報はしていますか?

SNSで定期的に広告を打ったりしています。当社では扱うコンテンツが多く、それによっては時期が限定的だったりするので、予めその時期にあわせたコンテンツを売り出すための広告を出します。逆に自社サイトには全然力をいれていないので、お客様に不審がられることがあったりします。今後の改善点だと思うので、自社サイトとSNSの親和性(オウンドメディア化)を再構築していくつもりです。でも実際はほとんどが口コミと紹介です。

 

ーひやっとしたトラブルありましたか?

録画ボタンを押し忘れた。サムネのテキストをミスった。電波が悪い。突然のエンコードトラブル。YouTube Liveの機嫌が悪い。電源が落ちる…などなど。一通りの経験は積んでいますので、心臓にだいぶ毛が生えてきました。僕の苦手なトラブルは、「音のノイズ」です。やっぱり動画配信をする上で最重要項目の1つが「音声」ですから、些細なことかもしれませんが、やっぱり予備のマイクなどを用意することは大切だと思います。

 

ー顧客のフィードバックでうれしかったことはありますか?

「映像がとっても綺麗」「音がいい」と言われるとやっぱり嬉しいですね。でももっと嬉しいことがあります。クライアントは、わざわざお金を払ってスタジオで動画配信をするのですから、何か伝えたいことがあるはずです。それは動画という媒体を使ってPRプロモーションをすることです。

なので、我々は企画段階から打ち合せを重ねて、動画制作のコンサル的な役割をするわけです。試行錯誤しながらお客様と番組制作をさせていただき、番組終了後やコンテンツを収めた後に「宮本さんと組めてよかった」といっていただけるのは本当にうれしいですね。

 

ーこれからスタジオを作ろうとしている人に一言お願いします!

お客様のしたいことに付き合うと新しい発見が生まれますが、ストレスも同時にいただくことになるかもしれません。でもそれは成長の過程かもしれないので、クリエイターとしての「チャレンジ」を常に心がけると良いと思います。要望すべてに応えることは無理でも、気持ちに応える努力は必要です。多様性に溢れた未来の創造性豊かなクライアントと一緒にキラキラと輝けるようなスターになってください!

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宮本さんはローカル局の番組やイベント撮影などでキャリアを積んで自社スタジオを構築。顧客の要望と条件のバランスの中で楽しくライブ配信している様子が目に浮かんでくるようなインタビューになりました。次回は京都の元美容室を改装して不動産に特化した番組を日々発信している田中さんのインタビューをお送りします!

 

地域の人々と一緒につくる番組「つくばん」

宮本さんは地域コミュニティー番組「つくばん」を配信。地域イベントや音楽ライブなど地域に根ざした活動を続ける人々が参加して一緒に番組を作るという活動をしている。写真は屋台風の対談用のセット。机をはさんだ6人のグループトークもできる。https://tsukuban.jp/

 

VIDEOSALON 2020年8月号より転載