第26回 スタジオ運営をはじめてよかったこと
コミュニティ・ラボ篇
写真・文◉川井拓也（ヒマナイヌ）
ヒマスタ型スタジオを運営するコミュニティ・ラボ、田中和彦さんにインタビュー
田中和彦。不動産コンサルタントや仲介を手がける株式会社コミュニティ・ラボ代表。大手マンションデベロッパーから不動産ベンチャーを経て現職。ALL About住宅・不動産ガイドならびにYahoo!不動産おうちマガジン、住まいサーフィン等にコラムを掲載。
全国に広がるヒマスタ型スタジオオーナーにインタビュー
先月からヒマスタに影響を受けて立ち上がった全国のスタジオオーナーへのリモートインタビューをお届けしています。スタジオのコンセプトも配信しているコンテンツも様々ですが、コロナ禍をきっかけに自社スタジオを作ろうと考え始めている方の参考になればと思います。
今回は京都で不動産業を営みながら元理髪店の居ぬき物件をライブ配信スタジオにしたコミュニティ・ラボの田中和彦さんです。
ーーー最近ライブ配信の相談は増えました？
はい、増えました。と言っても本業は不動産業なので積極的にライブ配信ができることを営業をしているわけではないのですが。私が自分で行なった配信を見た知人が「どのようにしているのか？」「私も始めたい」と問い合せしてくるのがほとんどです。本当は内容について問い合わせて欲しいので妙な気分です。
ーーーライブ配信と収録の割合はどんな感じですか？
2度ほど収録をしましたがそれ以外はすべてライブ配信です。私に声をかけてくれる人は「動画初心者」ばかりで、収録したものを編集するのがハードルが高いのだと思います。
ーーー自社でスタジオを持っていることでどんなメリットがありますか？
なんと言っても「タダ」で配信できること。お金や時間を気にせずに利用できるのはうれしいです。スタジオを作るときに費用はかかっているんですけどね（汗）。また、自社の事業（不動産コンサルタント）において「スタジオを持っているなんて先進的だ！」と顧客の方が好印象を持っていただけるプラスアルファの価値もあります。
ーーーどんな顧客を想定して配信システムを組んできましたか？
あまり想定していませんでした（笑）。ただただ対談・鼎談をカッコ良くしたい！ それだけでした。
ーーー最近導入してお気に入りの機材教えてください！
月並みですが、ブラックマジックデザインATEM Miniですね。基本はローランドVR−４HDを使用していますがスイッチャーを2台使うことで「PinP＋オートスイッチング」「逆クロマキー ＋オートスイッチング」等ができて面白いですね。本当はサウンドクラフトのオーディオミキサーNotepad-12FXと言いたいのですが、まだほとんど使いこなせていません。
ーーーどのように営業していますか？ 広告や広報はしていますか？
広告はしていませんが、広報はしています。ただ、今のスタジオが自分で気に入りすぎていて「並んでいる本を売らない古本屋」みたいになってしまいそうなので、ココを完全にマイスタジオにしてレンタルスタジオをもう一つ作ってもいいかな？ なんて考えているところです。
ーーーひやっとしたトラブルありましたか？
海外の方をZoomで招いて遠隔対談をした時に、音が出なかったんです。どうにも理由がわからず……。配信を期待していた人には悪いことをしました。あ、これ「ヒヤっと」ではなく完全にアウトでした。まだまだ未熟です。
ーーー顧客のフィードバックでうれしかったことはありますか？
「映像がキレイ」「音が聞きやすい」というコメントをいただけたのはうれしいです。ただ、これは私が評価されたのではなく機材が評価されてるだけなんですよね。本当にうれしいのは「（映像や音声が良いおかげで）気持ちよく話ができた」です。
ーーーこれからスタジオを作ろうとしている人に一言お願いします！
「悩む前に作れ！」です。すでに経験値がある人には当てはまらないかもしれませんが、初めての方は「まず作る！」が良いと思います。経験値のない人がレビュー等を見て使う前にシミュレーションをするのは相当ハードルが高いです。まずは信頼のおける人を真似てエイや！ で作る。最適化はその後にすれば良いと思います。悩んでいる時間はもったいない、早く始めるのがオススメです！
●
田中さんは映像は本業ではないにも関わらず、新しい技術を取り入れることにも貪欲でニュース番組風の合成タイトルや海外ゲストをZoomで招いてのインタビュー番組などにも果敢に挑戦しています。不動産という仕事の軸からコツコツと情報発信しているのがいいですね！
次回は元喫茶店を改装してライブ配信スタジオにしたツリヒロスタジオ桜台の釣部さんのインタビューをお送りします！
●VIDEOSALON 2020年9月号より転載
